12月4日
南極に在る各国基地と踏破ルート図。
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前の記述は⇒ 

今日の第20報(16日目)で、1911-1912年のアムンゼン・ルートに合流したと言う。
これからは、このルート(青線)で南進すると思われる。
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白瀬矗が果たせなかった、極点を目指すのが、この冒険の趣旨だったのでは?
と、思ったり・・・疑問が湧く・・
詳しくは帰国後にでも・・・と、言ってるが・・・

白瀬隊(緑線)が引き返した、大和雪原からスタートの予定が、クレバス帯を避ける為に、
西に約100km迂回すると言ってのが、結果186km西進して、アムンゼン・ルートに合流。
既に、歩き始めて16日目だ・・・
約100km歩き、クレバス帯が終わった地点を、10日目辺りと仮定(歩行距離から)すると、
白瀬隊が予定した南進ルートに戻るには、更に10日の東進が必要に為る。
それでは後の日程が無くなるので、6日西進してアムンゼン・ルートを目指したのでは?

アムンゼン・ルートは、110年前の事と言っても、詳細な探検記録が残っているのだ。
特に極点への鍵と為る、クィーンモード山脈の通過過程が書かれてるのでは・・・
予備知識が有れば、100%“未知の世界”では無い。多少氷雪の着き具合は違うだろうが。

小生は、当初こんな風に考えて居た。
斜行気味に予定の正規ルートに戻り、南進。
ホーリック山脈とクィーンモード山脈の狭間を通って、
極点を目指すものと・・・。山越えするよりは、少しは楽なはずだ・・・

日程の遅れ・リスクの回避を考え、既存のルートに変更したのではないか・・・?

歩行16日目の第20報で、こんな風に言ってる。
このルートを通ったのは過去に10名少しほど(アムンゼン隊を指す)。未踏の雪原を700km行く予定が直前で変更せざるを得なく(クレバス帯に阻まれる)、人類未踏の雪原を186km踏破。(詳しくは帰国後にでも)だが1912年以来、誰もが踏んでなかった大和雪原に行き、未踏の雪原を切り拓き、史上2人目になる単独によるロス棚氷徒歩。いまやれる環境で出来る限りの事をやった。
何か・・・苦しい言い訳に、聞こえるのだが・・・
人類未踏白瀬ルートによる南極点単独徒歩到達が、今回の冒険の最大の目的。
これを断念した事に為る。理由は兎も角、アムンゼン・ルートでの極点への距離は、
地図上で約1000kmも有る。

残り54日で1000km、1日18kmは進まないと・・・極点に間に合わないゾ。


行動記録【第21報⇒第30報
黒字は、事務局に送った内容。赤字は、小生が強調した部分。青字は、小生の思い。
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2021年12月5日9:29(日本時間)/第21報

12/4 17日目 距離14km 高度63m
アラームセットしたが疲労で起きれず日食を見逃す。稀有な機会ではあったが南極に日食を見に来たわけでもない。歩く事が最優先。極地冒険は消耗戦。特にソロで長期、厳しい遠征となればタフネスこそが最重要。苦労してつけた筋肉ちゃんだが過度の運動で筋肉は回復も間に合わず落ちていくばかり。
15日目の第19報で、BCとの交信時に、日食の情報が有ったらしいが、
南極全域で見えた訳では無い。見える範囲は下図の黄色内の地域のみ。

皆既帯はイメージです
彼から、位置情報を得てる筈の、BCの交信担当員にしては、お粗末な話だ・・・
こんな事で、万一の時、大丈夫か??

もう一つの懸念は、冒険のバックアップをする筈の在京事務局だが、
FB・Twitter共に、12月3日以降更新されて無い・・・週末だから、お休み中?

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2021年12月6日9:25(日本時間)/第22報

12/5 18日目 距離15km 高度59m
疲労を感じるようになってきた。今日も1日クモリで乱反射によりナビゲーションが困難。真っ白だけの世界を何日も連続で見てるとさすがに酔ってくる。ウールのミトンに穴が空き、テントの中で縫う。裁縫も最もテントでやる仕事の1つ。ちなみに糸はデンタルフロス。イヌイットに教えてもらった方法。
人により、ホワイト・アウト時にも、酔いが出る事が有る。

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アムンゼン・ルート(青線)での、南進が始まった。

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2021年12月7日8:59(日本時間)/第23報

12/6 19日目 距離16km 高度35m
今日も曇りで低コントラスト。一瞬だけ雲がきれた部分があり、そこがやけに美しく見えた。太陽の有難さを心から感じられる。16kmをなんとか稼ぐ。
雪は締まり、橇が曳き易い様だ・・・勝手に、もっと距離が稼げたらと思う。

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2021年12月8日9:52(日本時間)/第24報

12/7 20日目 距離12km 高度46m
夜のベースキャンプとの定時交信で、この辺りはクレバスが多いかもと注意喚起を受ける。今のとこヒドゥンクレバスらしきものも見てない。12時間でわずか12km。雪の柔らかさと疲労に阻まれる。顔のテープになにかこびりついてると思ったら膿だった。凍傷か霜焼けかは分からないが頬にダメージを受けていた。疲労で免疫が下がっているのだろう。本格的な不調にならぬよう気をつけないと。遠征中は悪くなることはあっても良くなることはない。なんとか長く辛い残り40日を歩き抜かないと。

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歩き始めて20日、残り40日で極点まで行けるのか・・・

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2021年12月9日10:32(日本時間)/第25報

12/8 21日目 距離13km 高度58m
顔の破裂した部分は浅く霜焼け程度。酷くならないようにしないと、とは言え強い風が吹くと防ぐのは楽じゃない。今日もソリが重い。出発時より20kg以上軽くなってるはずだが、いよいよ重く感じる。疲労+雪の柔さもあるが雪の表面がドライだ。砂の上を引いてるみたいだ。本当にこの遠征は修行になる。

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素晴らしい空、正に南極晴れ。橇の腹が衝く雪深では無さそうだが・・・
21日間で、橇の荷が20kg以上軽く為ったと言うが、後40日だと20kg+40kg=60kgが減る。
変動する荷は、食料・燃料が主だと思うが、当初の150kgの荷の内訳は・・・
前に書いたが、こんな時に携行装備品のリストが有れば・・・判り易いのだが。

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2021年12月10日6:31(日本時間)/第26報

12/9 22日目 休息日
起きると強い風が吹いてる。これをきっかけに休息日にした。体力が落ちてるのは明確。何か理由をつけないと休めないタチ。順調ならまだしも今は予定より遅れてるので尚更。休むのが苦手で最終的ボロボロになるタイプ。休むのにも勇気がいる。ひたすらに寝て回復を狙う、凍傷も少しは回復するか。投稿を見てる方でガンと闘病してる方がいると冒険事務局から聞いた。私もこの孤独な白い世界の中ガンバります。

歩行を開始して3週間目で、初めての停滞です。これで、明日からまた頑張れる!!
しかし・・・極点迄は、アムンゼン・ルート(青線)を辿っても、まだ970km以上有る。
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今は、ロス棚氷の上で比較的平らだが、後半棚氷から離れると、
極点(標高2830m)迄は、長い登り坂に入るし、南極山脈越えも有る。
20日目の更新で、
後40日歩き抜くと言ってるが、1日当たり20.5km以上進まないと、
極点には到達しない・・・毎日条件が良い日が続くとは限らない・・・
今迄、ほぼ平地で1日で最大進んたのが16km。登りでそれ以上歩けるのか? 疑念が湧く。
予備日も10日位は有る筈だが・・・


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※私見 今後のルートと標高差を図式化して見た。

現在地から極点迄は、まだ約970km位有る。
アムンゼン・ルート(青線)に沿って進む前提で。
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今迄進んだ距離が、点線で表示されてる。
ここから約400km南進して、平坦なロス棚氷が終わる。
クイーンモール山脈への長い登りに入り、標高3000mの台地に上がる。
山脈越えでのルート選定が、通過日数増減の最大の鍵に為る。
座標に表すと、急激な登りに見えるが、約400km歩いて3000mへの登りなので、
平均1km歩いて7~8m程度の登り。
極点が2830mなので、気持ち下り気味に200km歩いて到達。
3000mの台地を避け、東(左)に迂回するルートも取れるが、日数が掛かると思われる。
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2021年12月11日9:13(日本時間)/第27報

12/10 23日目 距離16km 高度51m
1日中寝尽くしてかなり回復した。筋肉の張りが和らいだ。風が強い中歩き出す。強風で均された更に柔らかくソリが沈む。だが休息のお陰で力が出る。ソリ引きは腰の力が肝要だ。ロス棚ではこの状況が続く可能性が高い。ならば与えられた条件で毎日を必死にこなして行くのみ。やるしかないのが人生だ。


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2021年12月12日9:11(日本時間)/第28報

12/11 24日目 距離18km 高度76m
風が弱く快晴。風がないと快適さが違う。気温よりも風に左右される。気合の最長18km。今回の冒険も他の冒険家たちと連絡取らないので完全に情報から孤立状態。それでいい。人との比較ではない。人は人。自分は自分。人との比較で優劣を決めるな。ただ自分を超えて行く。大事なのは"諦めない心"だ。

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距離が伸びた、いいぞ・・・持続出来るか? それそれ条件が違う、人は人、当然である。

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2021年12月13日8:36(日本時間)/第29報

12/12 25日目 距離18km 高度52m
今日も18km。少し筋肉に痛みは感じるが行ける感じ。まだ通常よりもスローな進みだが延ばす。少しずつ前へ。ブーツの先端にクラック発生。クリティカルではないが毎日確認の必要あり。壊れても修理可能な用意はあるので着剤固定に時間を取るがなんとかできるだろう。

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3ピンでのシール登・歩行の際、爪先の曲げ伸ばしで、ピン穴に力が掛かる劣化亀裂だ。
プラ・ゴム底系のコバ靴は、低温曲げに弱いのでは・・・皮製が丈夫な様に思うが・・・
これを防ぐ、3ピン靴用の保護金具を付けなかった失態。何gでもないのに・・・
75mm3ピン仕様は国際規格なので、靴・金具全てに共用出来る。
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低温下で、接着剤が効くのか・・・着いても、また同じ箇所に同じ力が掛かる。
靴先が破断したら。3ピンは用を成さない・・・板と靴を縛るか? 
この先、試練だ・・・

使ってる3ピン370g(下図)は、野山を散策する為に、極端に軽量化された金具。
金具に強度は有るが、靴のコバが持たなかった・・・
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この金具1420g(下図)なら、コバに直接力が加わらず、曲げに因る亀裂が防げる。
爪先の可動域も90°だし、登り坂でのヒールアップも可能、アキレス腱に優しい・・・
但し、可動軸の強度は不明だが・・・
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山道具で例えるなら、アルミ製ピッケル・アイゼンは軽いが、氷には役立たずだ。
道具は“命を守る物”、シンプルさは重要だが、軽ければ良いと言う物ではない・・・
後々靴の亀裂が、致命傷に為らなければ良いのだが・・・

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2021年12月14日7:46(日本時間)/第30報

12/13 26日目 距離10km 高度52m
強風の風速10m位か。気温が高めなので肌を切り裂く痛みはないが正面から吹くので進行の妨げになる。立っていると風に押されるので半ば風によりかかって歩き、早めの行動終了。使用テントは風に強いので安心だがテントが風で唸るのは良い思いはしない。頬の凍傷は現状維持。基本は冒険中は治らない。

3ピン靴の亀裂の話がない・・・上手く修理出来たのか???


に続く