4月9日
9日10日と晴れが続くので、これは絶好の“山スキー”が出来ると、前日の8日に準備完了。
酸ヶ湯の駐車場で車中泊して、2日間八甲田を楽しむつもりで出発・・・

高速を走ると・・・80㌔でも、横風でハンドルが取られる・・・慎重に・・・
八甲田に上がる山道、城ヶ倉大橋に来ると、吹き流しが真横に振れている。
この風では、ロープが止まると思い、酸ヶ湯のPを目指す。

酸ヶ湯Pには既に車が多い、準備中の方も・・・時折、ブナ林の梢が泣く・・・
温泉裏からの大岳環状ルートには、スキー跡1本に違うストック跡、2人登ってる。
他はシューや壺足、アイゼン跡?まで雑多だ・・・2日前の降雪が20cmほど・・・
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ブナの二次林を抜けると、八甲田大岳が頭を出す。雪煙が上がってる・・・風が強い。
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右手の南八甲田連峰の西側に、端正な櫛ヶ峯と逆川岳。
2022_04090003 パノラマ写真

“地獄湯ノ沢”出合いに着く。今日の様な雪は、ここで思案だ・・・
締まったザラメ雪に、2日前の超湿り雪が20~30cm載ってる。
画像を見て判るが・・・沢のド真ん中を皆さん登ってる。仙人岱に向かってるのだ。
沢を横切り、硫黄ルートに向かったのは、壺足1人のみ・・・
この沢は、上に行く程傾斜が増し、両側壁の傾斜も増す。過去2人雪崩で埋まってる。
滅多に雪崩ないが、リスクを冒さずに、少し遠回りでも硫黄ルート経由で仙人岱へ・・・
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硫黄ルートには、山スキーのツァー用に竹竿を立てられてる。3月29日には既に立ってた。
先行してる若者が、樹間からチラリと見えた・・・吹き溜まりでは膝まで抜かってる。
中々追い着けない・・・超湿り雪をスキーで押しなから登る・・・

硫黄岳と仙人岱の鞍部が見えた・・・樹林が疎らに為ると・・・強烈な追い風・・・
寒くは無いが、体温が奪われない様に、ペラペラヤッケを着込む。
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鞍部に出た、右手に硫黄岳。西側にトド松帯が有り、東側は無木立。
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仙人岱避難小屋に着いた。硫黄岳東斜面。
2022_04090016 パノラマ写真
小屋は雪に埋まってるので、日差しも入らず寒いだろう・・・
小屋の風裏で、スキーの2人が飯を喰ってる。先行してたスキー跡の人だ。
仲間に入れて貰ってパンを喰う・・・86歳だと言う!!! 
アルペン板に、デァミールの超重ビン、靴も超重!  ゲッである・・・恐ろしい体力だ。
しかも、大発見が有った。板より長いシールをテールで曲げ、板の上で固定してる。
一本の長いシールを、板の長さに寄り、使い廻してるのだ! これは目から鱗だった。

俺は・・・今の体力では、この道具で、ここまで登っては来れないと感じた・・・
八甲田大岳の東斜面を滑るつもりで来たが、強風なので中止だと言う・・・

東京弁の、何回も八甲田に来てる元大学山岳部だと言うオヤジが、86歳に聞いてる。
睡蓮から登って来て、箒場に滑りたいが、下の方は雪が腐ってないか?
馬鹿な事を聞くな! 標高が更に低いので、腐ってて当然だと思ったが、86歳の答えは、
行って見ないと判らない。山は、そういうものだ。笑ってしまった・・・納得。
何日か来て、何十年も来てる様な事を言う輩が多いのが、八甲田。それだけ全国区か?

ガイドツァーの大団体が現れる、50人位が何グループかに別れて居るらしい・・・
女ガイドが12時まで休憩だと言う。トイレには3m程の垂直梯子を降りるが、
雪を見てた目が慣れずに真っ暗なはず、86歳がスキー靴は滑るから落ちるなョと言った途端に・・・ドスーンと誰かが落ちた・・・暫く動けなかったらしい。

飯も喰ったし・・・小岳に登って滑ろうと思ったが、強風は変わらすだ・・・
シールを剥いで、赤ワックスを塗り滑る準備。
八甲田大岳を後にして、硫黄岳の鞍部に滑り、硫黄ルートを降りる。
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登って来た時には、壺足跡と俺のスキー跡より無かったが、
さっきのツァーの一団が登ったのであろう、高速道路に為ってた・・・

滑りは、ザラメの処は良いが・・・新雪に入ると板が潜水艦・・・曲がらない・回せない。
其れで無くても容易で無いのに、爆風が正面から吹く、3回大転倒して林間に入り、安堵。

車に戻り、一泊して翌日も考えたが・・・予報では、明日も晴れだが風が残ると・・・
強風で八甲田ロープウェーが運転中止だと・・・25m以上吹くと運休に為る。
それでツァー客が大挙して、酸ヶ湯から登ったのだ・・・

下山mailと強風で帰る事を伝える、下界も風が強いらしい。大河原温泉で一汗流し帰宅。
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午後3時のGPV予報である。青森沖の日本海に強風域が・・・
気象協会・山の天気・八甲田を見ても、1500m付近24.7mの予報が出てたのだ・・・
TVの天気予報に釣られた・・・。
何時もは、下調べをして“山”に向かうのだが、冬山の時季が過ぎたので、慢心だった・・・

考えられない事故
8日 伊豆の海岸ゲレンデで、クライミング中の3人が転落死亡・・・
73歳母親・48歳息子と、ガイドしてた66歳の国際山岳ガイドの3人。
ザイルで結ばれたまま、海に浮かんでたと。全員死亡で詳細不明だが、信じられぬ事故。
クライミング中に3人共に落ちる? 宙吊りに為らず、全部の支点が抜ける? 摩訶不思議。

ナンチャッテ・ガイドでは無く、国際山岳ガイドだって、国際もナッチャッテ・レベル?
ガイドのProfileを見ると・・・こんな立派な事を言ってる。

●昔は、山岳会、サークルで登るのが当たり前でしたが、最近では、ガイドの主催する登山教室、講習会に参加して登る方が多くなっています。したがって、ガイドの数も増え、色々なタイプのガイドが仕事に従事しています。 日本では、法律でガイドの認定や規制がされていません。つまり、ガイドの質にばらつきがあります。良いガイドを選ぶのは皆様自身になり、それは、たやすいことではありません。そこで、サミットからの提案が生きてきます。
●優秀なガイドは、一流クライマーであることが前提です。
国内外を問わず第一級の登山、クライミングを長年にわたり実践している経験や実力があるからこそプロなのです。当ガイドオフィスのメンバーは、高難度のフリークライミングからヨセミテのビックウォール、ヨーロッパの北壁、ヒマラヤの大岩壁まで経験している一流クライマーです。
●一流クライマーだから優秀なガイドとは限りません。
ロープワークひとつとってもプライベート山行とガイディングでは違います。私が所属しているジャパン・アルパイン・ガイド組合は、優秀なクライマーでかつ実力あるガイドのみが会員になれます。常に新しい技術を学んで、安全で確実なガイドを実践しています。

言ってた事と、現実の大違い。亡く為った親子には、申し訳無いが、頼んた側にも・・・
高額な費用を払い資格取得、更新料を払い続けれは、国際ガイドですか?  笑止!!!!
山での色んなレベルの事故死を見聞きするが、特にガイド引率の事故には、その存在価値・意義の是非を問う者です。(西欧アルプスのガイドは別として、国内限定の話です。)
この事故で、はっきりしたのは、一流クライマー 
≠ 一流ガイドでは無いと言う事。
客の安全を保てない・・・何の為のガイドだ・・・