プロ冒険家阿部君・グリーンランド遠征準備中の続き
10日に出国して、Germany・Islandを経由して、Greenlandに入国した。
8月15日から約1ヶ月掛けて、600kmを橇を曳いて横断すると言う。
Greenlandは、世界最大の“島”だそうだが、国土の8割が氷床に覆われている。
21年の南極行同様に、衛星経由で日々情報発信すると言う。
真っ平らだった南極と違い、Greenlandではどんな景色が見られるか?
また、商業ツァーへの参加、プロのOperationは? どんな事が起こるのか? 楽しみで有る。
8月13日
Islandから約2時間の飛行で、Greenlandに入国。
8月14日(以下、黒字は阿部君の書き込み、青字は私見)
現在、グリーンランド東海岸南部にあるタシラック(旧名アンマサリック)におります。
ここでチームメンバーと合流し、11月の南極最終調整としてグリーンランド徒歩横断600kmがスタートします。(期間は8/15-9/15予定)
タシラックの位置は、上記地図の赤印です。ここから西海岸に横断なのか・・・
西側のフィヨルドまで、600kmは有りそう。“島”ド真中の横断でないのが、何とも感・・・
8月15日
これは多分スープだろう、具材・調味料を一袋に入れる。必要時に湯にぶち込めば、完成。
現場で一々計量の手間や、具材他を探す手間が省ける。山嶽部時代に冬・春山で体験済み。
レーションの始まりは、戦争時の食料兵站が由来。懐かしい作業風景だ・・・
パッケージの作り方は、1食分・一日3食分等、行動様式により様々な遣り方が有る。
先の南極では、食料をメーカーパックのまま持参。これでレーションを知っただろう。
ガソリンコンロを使う様だ・・・ホワイトガソリンは、火力が強い利点が有るが、
補充時の漏れや匂いの問題が有る、テント内での使用には危険も有る。
プロパン入の耐寒ガスを何故使わない? 価格か?
ボンベの数から見て、何人分かを1台のコンロで調理する様だ。仲間内で上手く遣れるか?
ツァーメンバー7名、其れ也の面構えだ。後ろに曳く橇が写ってるが、以外に小さい・・・
橇底の形状を見て、思い出した事が有る・・・
極地冒険家の荻田泰永(’18年に、日本人初の無補給単独歩行で南極点に到達。)が使った橇と、
形状が極似している。所謂卵型で、接雪面積が少ない橇だ。⇩氷上では横ズレするかも。
方や、プロ冒険家は、曳き抵抗が有る平底の橇を曳いてた。⇩
リブ付きなので直進性は良いが、深雪・軟雪では底ベッタリで、抵抗大だ・・・
また、これを曳いて、深雪・軟雪に悩まされるのだろうか・・・造り変えてる話なし。
今回のGreenlandでは、冒険旅行会社が保有する橇を借りての、横断ツァーで有る。
少なくとも、Greenlandの内陸氷床に使うのに、ベストな形状に違いない。
今回、ひと月間曳いて見れば、形状の優劣に気付くかも知れない・・・
8月16日
遠征1日目 Lat 65.619364 Lon -38.847592 =Latitude(緯度)Longitude(経度)
ハーバーから町を出てボートに乗りグリーンランドの冷風に吹かれながら3時間近く揺られる。氷河の間をすり抜け壮観だ。
遠征2日目 標高390m。Lat 65.668416 Lon -38.869328
南極以来の氷上のキャンプで「戻ってきたぜ」という感覚。
チーム遠征のため3人一緒のテントで英語漬けの生活だがなかなかに刺激がある。
単独ばかりでチーム遠征には慣れてないが、それすら勉強になる。
内陸氷床に向けクレバスだらけの氷河を上がり標高も400mまで上昇。海面から400m登る。
体力的にはめちゃハードだが、キツいとか苦しいとか誰も言わないのがいい。
ジョークを飛ばして笑いながら疲れを吹き飛ばして行く。
初顔合わせで、3人1組で寝食を共にするとは、面白い組み合わせ!
最終日まで、上手く遣れるか? 目標は共通だが、2対1に割れる確率が高い・・・
昨日・今日の位置情報から見て、北緯66°33′より南側を横断する様だ。
下図に、これから北が北極圏と言われてる、66°33′のラインが入っている。
概ね、これに沿って(黄線)西海岸に歩くのか? 丁度600km位は有る・・・
Greenlandのド真中の横断でないのが、何とも残念・・・
8月18日
氷河上に汚れが残ると、太陽熱を吸収して、氷河其の物が解けるのが早まる。
日本の雪渓はこれ程汚くは無いが、毎年消えて土に同化してしまうからか?
ヒマラヤの氷河の末端は、こんなには汚く無い。欧州の大気が汚染されてる証拠だ。
今日のデータがLon -38.897996だ。60進数に変換すると、38°53′58″と為る。
今日38°53′58″-16日38°50′51″=3′07″。3日間で3′07″西に進んだ。
8月19日
初日の西経38°50′51″から、西側に4′33″進んだ事に為るが、4′33″がどの位の長さなのか?
北緯65°ライン上での、西経1°の長さは47175.0392m。1′の長さは、786.2507m。
4′33″×786m=約3403m。
(正しくは、(4′×786m)+(786m÷60″×33″)=3576.3mと計算する)
600kmの内の、僅か3500mより西に進んでいない事に為る。
計算が間違ってないとしたら、残りの距離に気が遠くなる・・・
(距離の計算は、面倒なので端数を切ってする。日毎で誤差が出るが、累積では大差無し。)
登りで・クレバスを避けながらで、西に向かって最短距離では歩けないのだが・・・
氷床台地の2000m辺りに出れば、橇曳きも少しは楽に為るだろうが・・・
此処までを見ると、積雪の無い氷河上なので、スキーは使わずに、
滑り止めにアイゼンを履いて、橇を曳く方が効率良さそうだ・・・
2500mを越えれば、降り一方だ・・・頑張れ!!!
8月20日
328m上昇。5日間で最も標高を稼いだ日。位置は、北緯65°52′55″ 西経39°32′36″。
テント仲間の3人一組が、ザイルパートナーか?
1人(橇荷80kg+体重70kg)が落ちて、2人で止めれるかが疑問。制動を掛ける物が無い !
両手はストック(ピッケルが使えない)・滑る橇、ザイルを結べば安全と言う事では無い。
滑った先にクレバスが有る様な場面では、連なっての同時歩行は危険だ。
仮に、ピッケルを持って歩いてたとして、滑落停止の姿勢が取れても、
ピッケル1本で落ちて行く150kgを支えられるか??? 絶対に無理である。
行動は1人、他は確保体制を取るのが普通。
氷床まで上がれた様で、明日からは距離が稼げそうだ。氷床上は、結構凹凸で堅そう~
そろそろ白夜(夏季)が終わる季節に入るが、沈まぬ太陽って、どんな感じか・・・
8月21日
北緯は、52′から54′に2′北に上がっている。
北緯65°ラインの北への1′の長さは、1858.2099m。3716m北極に近付いた事に為る。
ジグ切を何回か繰り返し、2500mラインまで登るものと思われる。
橇を曳きながらでは、西への直進は無理なのだろう・・・
就寝前のひと時、ツァーならではの光景だ・・・明日の為に“乾杯”
8月22日
標高で95m登った。今日の位置は、北緯65°57′03″ 西経39°47′53″。
北に3′、西に27′(21.2km)進んだ。氷床上に出たので、初めて距離が稼げた日だ。
薄っすら積もった新雪、汚れた氷河を隠してくれてる~
しかし、この時期に標高1400m辺りで雪が降るとは・・・流石 北極圏。
糞場と雪採場の区分は、大事だよね~ 水作りには要注意だ・・・
それと、テント入り口の向き(風対策)。
1ヶ月で600kmを横断する計画。1日平均20kmは進まないと駄目だが、
氷河を登るのに手間取った分の距離を、氷床上で取り返さないと、最後の降りで苦しむ。
恐らく、橇が先行し、制御しながら降りる事に為るだろう・・・
悪天候や休養での停滞を考えると、25km位を進む日が、何日かないと厳しいかも・・・
8月23日
176m登る。位置は、北緯66°1′25″ 西経40°14′24″
今日は、北に4′ (7.4km) 西に26′3″(20.6km)、北西に進んでいる様だ。
緯度・経度が入ったGreenlandの地形図が有れば、現在地をプロット出来るのだが・・・
8月24日
8月25日
標高差で156m登って2000mに。 位置は、北緯66°5′46″ 西経40°55′22″。
氷床上は、安定してる様に見える。
※横断を始めてから10日目。長く為るので、出発から10日で一区切りとします。
11日目~20日目は、以下に記します。
冒険家阿部君・グリーンランド徒歩横断600kmへ②に続く
10日に出国して、Germany・Islandを経由して、Greenlandに入国した。
8月15日から約1ヶ月掛けて、600kmを橇を曳いて横断すると言う。
Greenlandは、世界最大の“島”だそうだが、国土の8割が氷床に覆われている。
何処から何処に、横断するのか?
真っ平らだった南極と違い、Greenlandではどんな景色が見られるか?
また、商業ツァーへの参加、プロのOperationは? どんな事が起こるのか? 楽しみで有る。
8月13日
Islandから約2時間の飛行で、Greenlandに入国。
8月14日(以下、黒字は阿部君の書き込み、青字は私見)
現在、グリーンランド東海岸南部にあるタシラック(旧名アンマサリック)におります。
ここでチームメンバーと合流し、11月の南極最終調整としてグリーンランド徒歩横断600kmがスタートします。(期間は8/15-9/15予定)
タシラックの位置は、上記地図の赤印です。ここから西海岸に横断なのか・・・
西側のフィヨルドまで、600kmは有りそう。“島”ド真中の横断でないのが、何とも感・・・
8月15日
行ける天候であれば出発という感じで、一気に出発してしまうパターンもありえたが、
予定通り現地時間15日出発。とは言っても遠征のパッキングや諸準備でとても忙しく。
予定通り現地時間15日出発。とは言っても遠征のパッキングや諸準備でとても忙しく。
基本的に、単独冒険、単独行動の多い人生だけど、
チームで一緒に一つのプロジェクト達成を目指すのもまた楽しい。
学ぶことがたくさんあるな。
レーションパック作りの様子。リストの指示量に従い、個別各種を一袋に纏める。チームで一緒に一つのプロジェクト達成を目指すのもまた楽しい。
学ぶことがたくさんあるな。
これは多分スープだろう、具材・調味料を一袋に入れる。必要時に湯にぶち込めば、完成。
現場で一々計量の手間や、具材他を探す手間が省ける。山嶽部時代に冬・春山で体験済み。
レーションの始まりは、戦争時の食料兵站が由来。懐かしい作業風景だ・・・
パッケージの作り方は、1食分・一日3食分等、行動様式により様々な遣り方が有る。
先の南極では、食料をメーカーパックのまま持参。これでレーションを知っただろう。
ガソリンコンロを使う様だ・・・ホワイトガソリンは、火力が強い利点が有るが、
補充時の漏れや匂いの問題が有る、テント内での使用には危険も有る。
プロパン入の耐寒ガスを何故使わない? 価格か?
ボンベの数から見て、何人分かを1台のコンロで調理する様だ。仲間内で上手く遣れるか?
ツァーメンバー7名、其れ也の面構えだ。後ろに曳く橇が写ってるが、以外に小さい・・・
橇底の形状を見て、思い出した事が有る・・・
極地冒険家の荻田泰永(’18年に、日本人初の無補給単独歩行で南極点に到達。)が使った橇と、
形状が極似している。所謂卵型で、接雪面積が少ない橇だ。⇩氷上では横ズレするかも。
方や、プロ冒険家は、曳き抵抗が有る平底の橇を曳いてた。⇩
リブ付きなので直進性は良いが、深雪・軟雪では底ベッタリで、抵抗大だ・・・
また、これを曳いて、深雪・軟雪に悩まされるのだろうか・・・造り変えてる話なし。
今回のGreenlandでは、冒険旅行会社が保有する橇を借りての、横断ツァーで有る。
少なくとも、Greenlandの内陸氷床に使うのに、ベストな形状に違いない。
今回、ひと月間曳いて見れば、形状の優劣に気付くかも知れない・・・
8月16日
遠征1日目 Lat 65.619364 Lon -38.847592 =Latitude(緯度)Longitude(経度)
ハーバーから町を出てボートに乗りグリーンランドの冷風に吹かれながら3時間近く揺られる。氷河の間をすり抜け壮観だ。
ボートで氷河の底部に乗り付け荷物を5時間近くかけて担ぎ上げる。
いよいよ横断遠征が始まる。
いよいよ横断遠征が始まる。
タシラック村から移動し、上陸した模様。
※位置情報がLat 65.619364 Lon -38.847592と表示されてるが、これは10進数で、
60進数(度分秒)に変換しないと駄目だ・・・実に手間が掛かる・・・
65は、そのまま65°。以下の0.619364に60を掛ける。37.16184と為り、37′が確定。
残りの0.16184に60を掛ける、9.7104と為り、9秒が確定し、北緯65°37′9″が正しい緯度。
西経38.847592を計算すると、西経38°50′51″と為り、
北緯65°37′9″ 西経38°50′51″の位置から、発信した事に為る。
8月17日 60進数(度分秒)に変換しないと駄目だ・・・実に手間が掛かる・・・
65は、そのまま65°。以下の0.619364に60を掛ける。37.16184と為り、37′が確定。
残りの0.16184に60を掛ける、9.7104と為り、9秒が確定し、北緯65°37′9″が正しい緯度。
西経38.847592を計算すると、西経38°50′51″と為り、
北緯65°37′9″ 西経38°50′51″の位置から、発信した事に為る。
遠征2日目 標高390m。Lat 65.668416 Lon -38.869328
南極以来の氷上のキャンプで「戻ってきたぜ」という感覚。
チーム遠征のため3人一緒のテントで英語漬けの生活だがなかなかに刺激がある。
単独ばかりでチーム遠征には慣れてないが、それすら勉強になる。
内陸氷床に向けクレバスだらけの氷河を上がり標高も400mまで上昇。海面から400m登る。
体力的にはめちゃハードだが、キツいとか苦しいとか誰も言わないのがいい。
ジョークを飛ばして笑いながら疲れを吹き飛ばして行く。
初顔合わせで、3人1組で寝食を共にするとは、面白い組み合わせ!
最終日まで、上手く遣れるか? 目標は共通だが、2対1に割れる確率が高い・・・
昨日・今日の位置情報から見て、北緯66°33′より南側を横断する様だ。
下図に、これから北が北極圏と言われてる、66°33′のラインが入っている。
概ね、これに沿って(黄線)西海岸に歩くのか? 丁度600km位は有る・・・
Greenlandのド真中の横断でないのが、何とも残念・・・
8月18日
遠征3日目 標高652m 。Lat 65.733261 Lon -38.897996
ひたすら氷河を10時間行動で上がる。標高差262mを登るのに10時間・・・
ソリは80kg位でそこまで重くないとはいえパワープレイだ。
傾斜のキツイところは助け合う。チームってのもいいものだ。
ソリは80kg位でそこまで重くないとはいえパワープレイだ。
傾斜のキツイところは助け合う。チームってのもいいものだ。
この時期は氷河が解けそこら中に川を作る。そこに自然のウォーターホールが出来る。
蒼氷のそれは落ちたら死ぬ。それ故に美しい。
橇荷の重量が80kgとは、先の個人装備がスキー込で30~35kg位だ。
残りは共同装備(テント・食料・炊飯具・燃料等)で、3人で分担する事に為る。
ツァー客7人に、現地ガイドが2人か? 気に為る処・・・
氷河上は、真っ黒・・・大気中の汚れを含んだ雪が積り、夏に解けると汚れが残る。蒼氷のそれは落ちたら死ぬ。それ故に美しい。
橇荷の重量が80kgとは、先の個人装備がスキー込で30~35kg位だ。
残りは共同装備(テント・食料・炊飯具・燃料等)で、3人で分担する事に為る。
ツァー客7人に、現地ガイドが2人か? 気に為る処・・・
氷河上に汚れが残ると、太陽熱を吸収して、氷河其の物が解けるのが早まる。
日本の雪渓はこれ程汚くは無いが、毎年消えて土に同化してしまうからか?
ヒマラヤの氷河の末端は、こんなには汚く無い。欧州の大気が汚染されてる証拠だ。
今日のデータがLon -38.897996だ。60進数に変換すると、38°53′58″と為る。
今日38°53′58″-16日38°50′51″=3′07″。3日間で3′07″西に進んだ。
8月19日
遠征4日目 標高915m。Lat 65.788686 Lon -38.923445
12時間の長時間行動。もうすぐクレバス帯はぬけそうだ。標高差263m登るのに12時間。
ソリが転覆しやすい地形でそれを戻すので手がパンパンになる。
ソリが転覆しやすい地形でそれを戻すので手がパンパンになる。
標高をあげると一面の海が見えて美しい。
苦しみだけではなく今の環境をいかに楽しむかだろう。
苦しみだけではなく今の環境をいかに楽しむかだろう。
テントは三人で一つ。
4日間で、海抜0mから915mまで登った。間もなくクレバス帯から逃れるとか・・・
しかし、登り斜面は限りなく続きそうだ。下図に横断予想ライン(黄線)を入れて見た。
西海岸に抜けるには、標高2500m以上の山越えが有る。中々のルート・・・
南極の横断山脈越えの訓練には、最適だ!!!
Lon -38.923445= 西経38°55′24″まで進んだ。しかし、登り斜面は限りなく続きそうだ。下図に横断予想ライン(黄線)を入れて見た。
西海岸に抜けるには、標高2500m以上の山越えが有る。中々のルート・・・
南極の横断山脈越えの訓練には、最適だ!!!
初日の西経38°50′51″から、西側に4′33″進んだ事に為るが、4′33″がどの位の長さなのか?
北緯65°ライン上での、西経1°の長さは47175.0392m。1′の長さは、786.2507m。
4′33″×786m=約3403m。
(正しくは、(4′×786m)+(786m÷60″×33″)=3576.3mと計算する)
600kmの内の、僅か3500mより西に進んでいない事に為る。
計算が間違ってないとしたら、残りの距離に気が遠くなる・・・
(距離の計算は、面倒なので端数を切ってする。日毎で誤差が出るが、累積では大差無し。)
登りで・クレバスを避けながらで、西に向かって最短距離では歩けないのだが・・・
氷床台地の2000m辺りに出れば、橇曳きも少しは楽に為るだろうが・・・
此処までを見ると、積雪の無い氷河上なので、スキーは使わずに、
滑り止めにアイゼンを履いて、橇を曳く方が効率良さそうだ・・・
2500mを越えれば、降り一方だ・・・頑張れ!!!
8月20日
遠征5日目 標高1243m 。Lat 65.882167 Lon -39.054337
標高を上げようやく危険なクレバスゾーンを突破する。
ここを抜けるまでは、クライミングハーネスをつけていざというときはお互いに引き上げられるようにしていた。
ここを抜けるまでは、クライミングハーネスをつけていざというときはお互いに引き上げられるようにしていた。
氷床まで上がり皆が安堵の表情を浮かべる。メンバーは元軍隊出身の強者ばかりだ。
テント仲間の3人一組が、ザイルパートナーか?
1人(橇荷80kg+体重70kg)が落ちて、2人で止めれるかが疑問。制動を掛ける物が無い !
両手はストック(ピッケルが使えない)・滑る橇、ザイルを結べば安全と言う事では無い。
滑った先にクレバスが有る様な場面では、連なっての同時歩行は危険だ。
仮に、ピッケルを持って歩いてたとして、滑落停止の姿勢が取れても、
ピッケル1本で落ちて行く150kgを支えられるか??? 絶対に無理である。
行動は1人、他は確保体制を取るのが普通。
氷床まで上がれた様で、明日からは距離が稼げそうだ。氷床上は、結構凹凸で堅そう~
そろそろ白夜(夏季)が終わる季節に入るが、沈まぬ太陽って、どんな感じか・・・
8月21日
遠征6日目 標高1367m.。Lat 65.915426 Lon -39.348693
内陸氷床に上がり360度雪の地平線を歩く。ここまで来ると南極と変わらない。
昨夜は一番大きなテントに集合して、氷床に上がったお祝いをした。
3人用テントに男7人が集まる野郎夜だ。
3人用テントに男7人が集まる野郎夜だ。
北緯65°ラインの北への1′の長さは、1858.2099m。3716m北極に近付いた事に為る。
ジグ切を何回か繰り返し、2500mラインまで登るものと思われる。
橇を曳きながらでは、西への直進は無理なのだろう・・・
就寝前のひと時、ツァーならではの光景だ・・・明日の為に“乾杯”
8月22日
遠征7日目 標高1462m。Lat 65.950949 Lon -39.798188
昨夜はひどい風だった。
寒い夜を過ごしてテントの外に出ると雪の吹き溜まりでソリが埋まっている。
寒い夜を過ごしてテントの外に出ると雪の吹き溜まりでソリが埋まっている。
キャンプ地ではトイレの決め事がある。決めた場所で大をする、だ。
北に3′、西に27′(21.2km)進んだ。氷床上に出たので、初めて距離が稼げた日だ。
薄っすら積もった新雪、汚れた氷河を隠してくれてる~
しかし、この時期に標高1400m辺りで雪が降るとは・・・流石 北極圏。
糞場と雪採場の区分は、大事だよね~ 水作りには要注意だ・・・
それと、テント入り口の向き(風対策)。
1ヶ月で600kmを横断する計画。1日平均20kmは進まないと駄目だが、
氷河を登るのに手間取った分の距離を、氷床上で取り返さないと、最後の降りで苦しむ。
恐らく、橇が先行し、制御しながら降りる事に為るだろう・・・
悪天候や休養での停滞を考えると、25km位を進む日が、何日かないと厳しいかも・・・
8月23日
遠征8日目 標高1648m。Lat 66.023841 Lon -40.240173
とにかく暑い1日。気温がプラスまで上がる。
昨日は寒さで震えるくらいだったのに、寒暖差が激しい。
重いソリを引いて標高を上げる重労働をしているので、みんな暑さに喘ぎながら歩く。
氷の上で暑さに苦しむというのも不思議だが、休憩中に堪らず脱いでしまう。
冒険に出ると脱ぐな癖があるのだ。相変わらず、入れ墨を晒してる・・・
今日は、北に4′ (7.4km) 西に26′3″(20.6km)、北西に進んでいる様だ。
緯度・経度が入ったGreenlandの地形図が有れば、現在地をプロット出来るのだが・・・
8月24日
遠征9日目 標高1763m。Lat 66.050384 Lon -40.485992
標高差で115m登った。
標高差で115m登った。
昨夜から暴風雪。これが北極圏のブリザードか・・・地を這う吹雪。
テントは耐風性があるのもだから安心だが、外はとんでもない風と雪。
テントは耐風性があるのもだから安心だが、外はとんでもない風と雪。
自分が厳しい地にいることを再実感する。
たまに外に出て風雪に耐えて雪かきしないとテントが押し潰される。
たまに外に出て風雪に耐えて雪かきしないとテントが押し潰される。
隊は50分行動、10分休憩の繰り返しだ。
10分で食べて飲み、その時の気温に適切な服に着替える。これは実はかなり忙しい。
自分が先頭で見えた大雪原を歩き、思わず笑みがこぼれる。
この道はグリーンランド横断のゴールに向けてだが、
最終的には南極点に繋がっている。
最終的には南極点に繋がっている。
一時も南極のこと、応援してくれている方々への感謝を忘れた事がない。
目指す場所は決まっている。
目指す場所は決まっている。
氷床上は、安定してる様に見える。
※横断を始めてから10日目。長く為るので、出発から10日で一区切りとします。
11日目~20日目は、以下に記します。
冒険家阿部君・グリーンランド徒歩横断600kmへ②に続く
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