の続き

約1ヶ月のグリーンランド横断も、2/3が経過した。残り約10日。
横断開始時に、予想ライン(黄線)を入れて見たが、一部標高2500m以上に掛かっている。
実際は、これより南側を通過してると思われる。

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緯度・経度(度・分・秒)を求める、数値は以下に依る。
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昨日(9月4日)までの位置は、下図の通り。氷床の降りに入っている。
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緯度・経度での位置は・・・
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地図に重ねると・・・???????
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大変な間違いに、気が付きました!!! 
上の図に位置を入れて、西海岸迄は後少しと思ったが、余りにも距離が無さ過ぎる。
良く見ると・・・図中の西経40°wの経線から、西側に10等分よりしてなかった・・・
図中左端の縦線を、
50°wの経線と勘違いしてたからです。実際は、60°wの経線でした。
20等分しなければ為らなかったのです。修正したのが、下図です。
緯度の線は、図中の60°N70°N間を10等分してるので、間違いは有りません。
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今まで気付かず、不甲斐無く思ってます。 痴呆が始まってるのかも・・・


9月  5日
遠征21日目 標高2166m。Lat 66.476877 Lon -45.910342
久々にしっかり晴れた。
休憩中にみんな喜んで濡れた装備や衣服を雪の上に広げて乾かす。
とにかく全てが濡れていたので皆のテンションも一気に上がる。
傍から見ると冒険装備のフリーマーケットをしているかのようだ。
一人が小型スピーカーを取り出し爆音で音楽をかける。雪のステージに青空の照明のなかグリーンランド衣服乾燥パーティは行われたのだった。
今日は29km踏破。実に調子がいい。
標高差で、132m下がる。現在地は、北緯66°28′36″ 西経45°54′37″ 29km進む。
内陸氷床から、西海岸への下りに入った事が判る。
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9月 6日
遠征22日目 
標高2099m。Lat 66.493635 Lon -46.323595
地平線に黒い点が見えてきた。道中で唯一の人工物のレーダーステーションだ。
冷戦時代にアメリカとロシアが監視の為に作った物で今は使われていない。
(米国が建てた、旧ソ連のミサイル監視所だろう・・・)
こんなものをこんな所にあの時代によく作ったものだと感心する。
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中に入り廃墟を見学する。特にドーム状のレーダー内部が実に見事で音の鳴りもよく、篠笛を奏上すると音色が小気味よく響き渡る。
この場所では初の篠笛演奏だろうな。
ここで日本国旗と写真も撮る。他の場所ではただの雪原の写真になってしまうので。
遠征も残り一週間を切る。明日からは最終編だ。
標高差で67m下がる。現在地は、北緯66°29′37″ 西経46°19′24″

昔の監視所が在ると言う事は、当時下の町から、ここに物資を補給してた、
“道”の様な物が有ったのかも・・・少なくとも、雪上車が通れる様な・・・
何となく、気分的には楽かも。橇の荷を解いてるので、ここでキャンプか?

残り1週間を切ったそうなので、今日までの“道のり“を振り返って見る。
最初に「Greenland600km横断」と、聞いた時には“北極圏”を、だと思った・・・
しかし、北極圏とは北緯66°33′より北を指す事が判り、まだその緯度に達してない。

海抜0mの東海岸から歩き始めて、17日目で標高約2500mに到達。
後は、西海岸まで下り一方の様です。
下図は、日別標高を表したもので、距離を考慮してないので、急激な登りに見える。

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下図は、緯度・経度上の位置を表している。

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それを、日別に拡大したもの。最初の数日は、海岸氷河を登るに手間取った様だ。
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◯は、経過日数を表している。
西経46゜以降を別紙にした。50°51°辺りで、西海岸に到達と思われる。
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西海岸までは、残りの1週間で、もう4°~5°分を歩かなくては為らない。
北緯66°ラインでの、経度1°の長さは約45km,まだこの先180km~225kmも有る。
下りとは言え、毎日30km位の距離を稼がないと・・・


9月 7日
遠征23日目 
標高1946m。Lat 66.688288 Lon -46.762147
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グリーンランド横断最終編が始まった。気温は-10℃で実に行動しやすく心地よい。
昨夜は祝いにテントに野郎7人が集いデニスが持ってきた薬酒で乾杯をした。
一杯の酒が実に雰囲気を和ませる。
デニスはオランダ出身で、育った町には木の靴職人がまだ健在で、地元の酒を持ってきてくれた。夜に外に出るとオーロラが煌めく。オーロラが実に綺麗だ・・・
レーダーステーションで見れたら組み合わせが絵になって最高だと思ってたので夢が叶った。三脚がないので長時間露光は厳しいが地面を三脚にして3秒露光で撮る。
オーロラを見るのは6年振りくらい。実に美しく、見とれた。
標高差で153m下がる。現在地は、北緯66°41′17″ 西経46°45′43″
遂に北緯66°33″以北の、北極圏内に入った。
少しづつ西に進んでるが、何処に向かっているのか? 最終到達地は何処なのか?
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カンゲルルススアーク村(空港)に向かうものと思っていたが、残り日数と距離から考えると、エヴィグヘズフィヨルドに降りるのか?


9月 8日
遠征24日目 
標高1768m。Lat 66.853191 Lon -47.314918
昨日で北極圏に入っていた。一般的に北緯66度33分以北が北極という定義である。
今まではグリーンランドだが北極ではなかった。
北極は1日でも白夜が存在することが条件だ。
これで4度目の北極遠征になった。
2度の南極遠征、他にカナダ1回と日本で3回の雪上訓練をしているので、
この9年で10回も冬季遠征をしてることになる。
冬季?
北極は、4回共春季ではないのか? 2度
南極も、日本は冬でも南半球では夏だ。
我ながらその日々の多さに呆れる。
脚を少し挫いたらしく痛み、鎮痛剤を飲む。
日本を出てから咳が一ヶ月も止まらないが、基本的に健康である。
??? 自己の健康管理が出来て無い!!! 
途中、氷が溶けて凍結湖になった場所を通過する。
渡るに十分な厚さがあるが水が染み出している。
独りではリスキーで渡るのを考えるが、チームでは何かあっても引き上げてくれるだろう。リスクヘッジはチームの強みだ。
標高差で178m下る。現在地は、北緯66°51′11″ 西経47°18′53″
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緯度・経度上の位置 
㉒日までは西に進み、レーダー基地に着いたが、ここから㉓㉔日は、北西に進路変更。

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9月 9日
遠征25日目 
標高1539m。Lat 67.002096 Lon -47.975171
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今日も凍結湖の上を歩く。時に小川が流れそこを渡らねばならない。
自分は足首まで水に浸かったが、チームのアリは膝まで浸かった。
この湖は半凍結だが近い将来、氷床上の水の湖になり、
この時期のグリーンランド横断が不可能な日は遠くないだろう。
南部の横断だからでは? もっと緯度の高い北部なら、融解は少ないかも・・・
巨大な湖で今日は33km歩いたが抜けきれなかった。
この状況だと単独での行動ならかなりのリスクが伴う。
チームの優れた点も良く感じる。
氷上に沈む夕日が水溜まりに反射して実に美しい。今日は13時間行動。
ラストに向けてプッシュの続く日々だ。
標高差で229m下る。現在地は、北緯67°0′7″ 西経47°58′30″ 
北西に進んでるが、今日は少し西寄り。最大の下降と距離を稼いだ一日だ。



9月10日
遠征26日目 
標高1327m。Lat 67.130327 Lon -48.699002
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変わらず氷が露出した箇所を歩く。
海岸に向けて標高を下げているので融水も同様に低きに流れていて、
少しでも低いところに水が溜まり氷上の湖になる。
出し抜けに流水の川が現れた。高さは3〜4m程。
渡れないので上流に歩き渡れる細さまで辿る。迂回が大変そうだ・・・
今日は34km踏破。
標高を下げ気温が上がり、今夜は氷上の暴風雨。
こんなに雨にヤラれる遠征になるとは。
明日の天気はどうなるだろう。遠征終わりまで後3〜4日間てところ。
標高差で212m下る。 現在地は、北緯67°7′49″ 西経48°41′56″

カンゲルルススアーク村(空港)に向かっているのか?
エヴィグヘズフィヨルドに降りるのなら、これ程北上しない様な・・・
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22日目からの位置詳細
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初日から25日目までの標高位置
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25日からの標高位置 ドンドン標高を下げている。
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9月11日
遠征27日目 
標高1202m。 Lat 67.170582 Lon -49.105132
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夜の間、雨は降り続け朝方に雪と強風に変わる。全身を濡らしながら歩く。
少しでも止まると身体が芯まで冷えるのを感じる。
更にホワイトアウトが重なる。この状況で地形はヒドいクレバス帯へ突入した。
お互いをロープで結び慎重に進む。
それでもアリは片足がズッポリとクレバスに落ち、自分は雪で橋になったスノーブリッジを渡る際に、置いたスキーポールが突き抜けバランスを崩して転倒した。
そのままその勢いで崩れ奈落の底に落下するのではないかと思ったが軽く頭を打っただけで済んだ。
行動は夜10時まで続き、この巨大なクレバス帯を突破しきれずテントを貼る。
心許ないヘッドライトで確認しながらの作業。精神を使う。
標高差で125m下る。 現在地は、北緯67°10′14″ 西経49°6′18″ 
日程が押してるのか? ヘッ電点けて、クレバス帯で夜10時まで行動するとは・・・
長時間行動なのに、距離が稼げて無い・・・注意力が散漫に為り、事故に繋がる。
商業登山隊同様、冒険ツァー隊の在り方が問題だ!!! 

600km横断の最終目的地は何処か? 
カンゲルルススアーク村(黒点)に違いない。
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カンゲルルススアークとは、現地語で大きなフィヨルドと言う意味だとか。
村は漁業・観光で約500人が暮らし、2800mの滑走路が有り、
Greenlandのハブ空港でDenmarkへの定期便が飛んでると。
地図を見ると、村から北東部の氷河湖地帯へSermersuarmutと書かれた、
4~50kmの長い道路が伸びている。
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この道は、旧レーダー基地への補給路だったと思われる。
其れに合流する予定だろう。残り2.3日の歩行か?



9月12日
遠征28日目 
標高941m。Lat 67.151527 Lon -49.535873
ひたすらにクレバスと融けた流水による小川を渡る一日。
地形が複雑で細かいアップダウンがあり体力が削られる割に距離が稼げない。
むしろ気候変動による地形の変化が大きく寄与している。
食料は後2日分だけ。本来は28日間で終わる予定だが長引いている。
28日間で、600km横断する計画に、予備食が2日分より無いとは・・・
食糧がないので明日はプッシュして何とかゴールするしかないだろう。
休みのない遠征なので、皆の疲れも色濃く見えてきた。
チームメンバーはポジティブでタフな奴らばかりで優秀だと思う。
最後の最後まで楽しませてくれる横断遠征だ。
明日はどこまでゴールに近づけるだろうか。
標高差で261m下る。 現在地は、北緯67°9′6″ 西経49°32′9″ 

少し進む方向を変えた様・・・
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位置詳細
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標高も1000mを割る。
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9月13日
遠征29日目 
標高765m。Lat 67.176032 Lon -49.806561
朝、顔の絆創膏を張り替える。頬が軽く凍傷にやられて膿が流れ出しているのだ。
この前の南極でも同箇所が凍傷になった。
骨折と違って、一度凍傷にかかるとそこが弱くなり再発しやすい。
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ゴールである西海岸を目指して標高を下げ、流水の川を越えていく。
勢いが強く、渡れなければ遡って渡れる所を探さねばならない。つまりは逆戻り。
直線では12kmしか進んでないが、実際には23kmを悪い地形のなか踏破している。
それでも渡る場所が見つからなければ対岸にロープを渡してソリを引き上げた後に、人だけが空身で渡る。
ソリに引っ張られて人ごと流される可能性があるからだ。長くハードな1日。
それでもジョークを言い合い笑顔を忘れずに歩いて行く。
苦しい時ほど大事なのは笑顔だ。
食糧もなくなるため明日で何としても終わらせなければ。踏ん張りどころだ。
標高差で176m下る。現在地は、北緯67°10′33″ 西経49°48′23″
昨日は、西南西㉘に進んだが、今日は北西㉙に・・・
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明日辺りに道路へ合流か?
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9月14日  行動してるはずだが、16日現在更新なし。
遠征30日目

9月15日   西海岸に着いているはずだが、更新なし。何か有ったのか?
遠征31日目

9月16日  更新なし。

9月17日  Denmarkの宿より更新
既にGreenlandを離れて、Denmarkまで飛行・・・
最後の道路まで到達を端折ってる。
カンゲルルススアーク村の話も無し。
Denmarkの宿で、こんな発言です。
30日間1日の休みもなし。気候変動の影響が大きく大変に難儀の多い日々でした。
グリーンランドは南極に最も近い環境の場所です。
内陸氷床にクレバス(氷の割れ目の落とし穴)がバカバカ空いてて、
なんと北緯66度標高約2,500m地点で雨が振り、低気温+びしょ濡れ+強風という低体温症の高いリスクと戦い、ガチガチ&ヌレヌレのブルーアイスをアイゼンを履いて歩き、重いソリと一緒に腰まで浸かる川渡りで流される可能性。
例年より遥かに厳しい状態で毎日12時間歩いているにも関わらず予定より日数がかかり、最終日は僕の食糧が完全に切れ、暗闇のなかヘッドランプの心もとない明かりを頼りにクレバス多発地帯を歩き、15時間の長時間行動のプッシュで乗り切りました。激しい行程でチームのアイゼンが4つ、スキーポールが3つ壊れ、片足アイゼンで乗り来るハードな体験。まさか、アルミ製アイゼン? ストックもカーボンとか?
自分は顔が凍傷にやられ、現在、顔から膿を垂れ流している状態。
7人での多国籍チーム。国際的な友情も生まれました。みんな凄くポジティブでどんな辛いときも笑顔で冗談を言って笑い合う。辛い時こそ大事なのは笑顔。尊敬できるメンバーたち。特にリーダー・シンドレが皆をケアする姿勢が素晴らしかった。メンバーたちから多くのことを学びました。一生忘れない大事な仲間たちです。
非常に厳しい遠征でしたが得たものも大きく、次の南極に向け最高に仕上がった状態と言えます。実現は厳しい。それでも男らしく夢に正面から立ち向かう。それ以外の方法は存在しない。
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360度の雪の大地の虹。廃墟レーダーステーションに現れたオーロラ。
圧倒的な美しさのアイゼンの爪すら通らない硬い氷河。
厳しい世界ほど美しいという事実。ここでは人間としての全ての能力を使う。
その瞬間に人間の本能は覚醒しアドレナリンが湧き思わず笑顔がこぼれる。
冒険って本当に素晴らしいものだ。
3日間も空けての更新。肝心のゴールの記述が無い・・・
subculture的冒険とは、こんなものなのか・・・

帰国後に、有料オンライン限定で、報告会をやるとか・・・
クラファンでの資金集めが、思った程で無いのが、気に為ってる様子。

今回の商業冒険ツァーで、南極に繋がる具体的な、何を得たのか?
今回の横断は600km・最高高度は2500m。降雪量少し・殆んどが氷の上。
南極の残りの部分は、新雪深雪の雪原と氷河を3200mまで橇を曳いて登る。
難易度は、桁違いだと思うのだが・・・

11月末からの、“極点行”がどうなるか・・・


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長い間、見て戴き、ありがとうございます。


9月25日 オンライン報告会と
クラウドファンディングの推移
[オンライン報告会]
今回のGreenland横断の報告会を、本日の夜に有料オンラインで実施すると言う。
SNSで告知してたが、クラファン5000円の見返りとしてだ。現在希望者2名・・・
冒険中SNSに“いいね”が3~400付いてたが、金を絡めるとこう為る見本だ。
[クラファン]
約2ヶ月の期間で、1200万を募ると言う。残り13日と為った現在、227名で532万円。
報告会もクラファン立ち上げも、出国後の現地入間際でのバタバタ感、これが起因か?
10月2日 クラファン達成、これで弾みが付くだろう。

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