海彦・山彦の白秋日記

Ombigaichan 6340m ヒマラヤ襞が綺麗な双耳峰。 この頃はまだ未踏峰だったが・・・今は誰か登ったか?

2015年09月

エベレスト(ネパール側ノーマルルート)で、
単独?・無酸素登頂を標榜してる栗城が、16日BCを出発しました。

栗城は、今年の3月16日に、中国側からメスナールートで登ると発表。
しかし、4月のネパール大地震で中国がエベレスト登山を禁止に・・・

カトマンズ発のロイター電(8月25日付け)によると、
ネパール観光相が栗城に登山許可を出したとの事。

この秋、ローッエに登る韓国隊にも許可が下り、
SPCC(サガルマタ環境汚染管理委員会)は、
2隊の為にBC⇔C1間のアイスフォール帯に固定ザイル・アルミ梯子の設置を、
9月9日迄に完了。

SPCCは、エベレストに残置・放置されるザイル他・糞尿・食料廃棄物等々のゴミを減少させる為に出来た組織。
アイスフォールの通過には使用料が課せられます。
各隊が個々でルート工作する人工費・資材費用と日数を考えると、使用料は安いもの・・・
登山中は、常時6名のシェルパが維持管理しています。

栗城はBCから10時間経過しても、C1に到着してないとの情報もあり・・・

20日に登頂すると言ってますが、21日までのエベレストの天気予報です。
連日降雪がある模様ですが・・・・
イメージ 1
これは、山頂の天気を予報したものですが、5千・6千・7千mの予報も見れます。

アイスフォールを管理するシェルパが、
10日から降雪が続き新雪が60cmにも達していると、電話でSPCCに報告してます。

20日の登頂予定日の状況は、
晴れ曇り雪・西の風10~5Km/h・気温-21~19℃・体感温度-28~24℃
降雪量6~18cmとなってます。

16、17日は風も20Km/hと強く、体感温度も-30℃以下のようですから、
C1からC2へ上手く上がれれば勝算ありか????

エベレストに登るのに、
大地震の影響とは言え計画ルートをコロッと変えるあたり、
ルート工作されたクレバス帯を通過(単独とは言えない)するあたり、
7千mでの高度順応もしないでアタックするあたり、
如何にも栗城らしいと思いますが・・・まずは無事下山。



〔栗城エベレスト〕を彼の公式ブログをもとに、ウオッチして見ます。

山登りを志してる方は、栗城の登山スタイルをご存知でしょうから、
単独だの・無酸素だのの事は敢えて問いません。

彼の公式サイトと、公開されている山岳予想天気サイト(下記 )を参考にします。

8月31日、高度順応の為、ロブチェ東峰(6119m)の5300m付近で幕営。
9月 1日、ロブチェ東峰に登頂(山頂付近で幕営)。
   2日、山頂付近に滞在。
   3日、下山。

これで、6千mへの高度順応が出来た事になります。

9月 7日、エベレストBC(5300m)入り。
  12日、BCでの、血中酸素飽和度(SpO2)が85% 脈拍76と発表。

6千mでの高度順応を終え、5300mのBC入りしてから、
5日も経過してるのに血中酸素が85%とは低過ぎます・・・
血中酸素測定は、指にパルスオキシメーターと言う卵大の機器を付け、
指先の毛細血管を流れる動脈血の酸素量を測るのです。
平地では通常健康な人で98%・高齢者で1~2%低い数値が出ますが、正常値です。
彼の場合、90~95%程度でないと、この先の高度で脳に十分な酸素が運べるか、疑問です・・・
小生の体験から、80%を割ると意識障害(高山病)が現れます。

           
  16日、朝6時にBC(5300m)から、CⅡ(6400m)へ出発。
      風雪が強く、CⅠ(5950m)到着が夕方4時との事・・・
      CⅠでの滞在も考えたが、天候悪化の兆しで、荷物を雪中にデポし、
      夜中にBCへ戻る・・・と。

BCからCⅠへ登るのに10時間掛った事に為ります。
気象条件が悪かったとは言え、通常の2~3倍の時間が掛ってます・・・
雪中にデポする時間も含めて、BC着が7時43分。
帰るのに約3時間掛った事に為ります・・・
      
何故、一足飛びにCⅡを目指したのか?
 7000mでの高度順応は必要ないのか?
普通、7千mを体験し、一旦BCに降り休養、一気にアタック。
風雪が強いと言ってるが、エベレストの予想天気サイトでも予想済みの事。
彼のブレーンには、気報予報士が居てBCとのコンタクトも取れてるはず。
ネットで予報サイトにもアクセス出来るはず・・・
CⅠが有るのに、荷物を中に収容しないで、時間の掛る雪中デポ?
BCに戻った画像には、上下高所用ダウンジャケット姿・・・・
当日のCⅠ付近6000mの温度は、-3~2℃程度(天気予報サイトより)


一回目の、9月20日登頂のスタートは失敗でしたが・・・・
次の登頂可能日は・・・
イメージ 1

予報を見る限り、21日です。22、23日からは悪天候・・・
25、26日は比較的風雪・気温が安定するようですが、晴れ曇り雪の予報です。

21日アタックなら、
18日 CⅡ(6400m)、19日 CⅢ(7000m)、20日  CⅣ(7900m)、でなければ無理です。

21日は夜から天候が崩れ、風速20~30Km/h・体感温度-24~30℃ですから、
登頂出来てもCⅢまで降りないと危険です・・・・



一回目のアタックに敗退した栗城が、行動を開始しました。

彼の公式ブログ(20日13時09分)の発表によると、
24日に山頂から中継するとの事。
画像を見ると、日が上がってからのBC発です。

24日までの、エベレスト天気予報を日別・高度別を見てみましょう。

今日、20日の6000mの予報です。
CⅠ泊か、CⅡまで登るのか判りませんが、夜には40cmの降雪予報。
風・気温は、今の季節なら普通でしょう。
イメージ 1

今日、CⅡまで上がってれば、明日はC3Ⅲへ7000mの位置です。
風は朝20Km/h程で、昼からは落ちるようですが、
降雪予報が朝50cm・昼49cm・夜73cmと最悪です・・・
CⅠ泊で、様子見かも知れません・・・・
イメージ 2

CⅠ泊なら一日づつ日付がズレますが・・・
CⅣ付近は降雪58・38・22cmと最悪です・・・
一日遅らせても23日は降雪は止むものの、風が20Km/hと最悪です。
7000mでの高度順応をして無い彼にとっては、苦しい登行に為ると思います・・・
イメージ 3

登頂日の24日の予報です。
雪・風・気温共に今の季節では、いい方でしょう。
但し夜から25日に掛けては、風が40Km/hと最大予報なので、
CⅣに泊まる事無く、最低でもCⅢ以下の安全帯まで降りる必要が有ると思う・・・
イメージ 4


今日は、ラグビーWカップ・イングランドの初戦 日本×南アフリカ を見て興奮!!!
80分経過し、29対32の時点で南アがペナルティ・・・
ぺナルティゴールを決めれば、32対32で同点引き分け・・・
日本は、スクラムからのトライを選択し、見事に決め32対34で勝ち!!!!!

南アは、ランキング3位・過去優勝2回・今大会の優勝候補。
日本の初戦勝利は24年振り、ベスト8が目標だ・・・
世界のラグビー界は、大騒ぎのはす・・・
80分走り廻れる体力と、当り負けしないパワーが勝因。

第2戦は、9月23日にスコットランドと戦う・・・
これも名門チーム 見逃せない~~



20日、20時35分発表の公式ブログより。

日本時間で、19時10分にCⅡ到着との事。
これからテントを張り寝るらしい・・・明日21日は停滞とか・・・

ネパールとは、約3時間15分の時差が有ることから、
CⅡ到着は日本時間で夕方4時になる。
ノーマルルートは、ヌプッエ稜線とエベレスト西稜に囲まれた谷沿いに有り、
この時間では薄暗闇と思うが・・・
テント場の氷雪をカッティングしての設営は、大変と思う・・・
(単独とは言え、同行シェルパが既に設営済みか?)

明日21日CⅢ7000m付近では、大量の降雪が予想されてます・・・
因って、雪崩れの恐れも有りか????

参考までに、ノーマルルートのキャンプ位置
イメージ 1



24日アタックの予定だが・・・天気予報が激変です・・・・

天気予報サイト

23日夜から24日の8千mでは、風速25~35km/hへ・・・
25・26日は40Km/hの予報に変りました。

とても登れる状況ではありませんね。
早めに、BCに降りて体制の立直しです。
高所での長居は、体力の消耗ですから・・・

春から初夏の、比較的好天が続くプレ・モンスーンと、
これから冬に向かうポスト・モンスーンでは難易度が違う・・・



栗城に関する海外記事
This year ,Japan's Nobokazu Kuriki is the only climber planning an attempt on the summit, although a six-person support team is expected to accompany him to Camp 2, about 6,400 meters high and usually around two days of trekking beyond base camp.

この秋、エベレストに挑むのは栗城だけですが、
同じアイスフォール帯を通ってローッエに挑む韓国隊も居ます。
その為、9月9日までにSPCCが、アイスフォール帯に固定ザイル・アルミ梯子等々のルート工作をしました。

この海外記事を見て、驚きました!!!!!!
日本では栗城が単独・無酸素で登ると公言してました。
BC⇔CⅠ間のアイスフォール帯のルート工作は、SPCCに依存。
CⅡまで6人がサポートする。シェルパに荷揚げさせたものと思われる。
これでは、単独ではありません。

栗城のGPSデータが、彼の公式ブログで見られます。それがこれです。
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ポイント14がBCの位置で、9/20 9:20
    50が最高到達点で、9/20 18:27 標高6300m辺りでしょうか?
途中でヌプッエの北西稜方向に進み、引き返してます・・・・
20日は降雪が激しく、一時進路を失ったのかも知れないが・・・
GPSを持ち・シェルパ同伴にしては、お粗末。

9月20日 20時33分発表の公式ブログに、
      日本時間19時10分CⅡ(6400m)に到着と。 

9月21日 18時33分発表の公式ブログでは、
      BCとの交信で、
      「6100mのCⅡに居る、全く誰も居ないCⅡだ」と言ってる。

CⅡは、6400mなのか、6100mなのか・・・GPSや高度計で標高確認は?
6300m付近まで伸びたGPSログは何なのか・・・荷揚げの為?
本当にCⅡには、栗城以外居ないのか?

疑問が多い・・・・この連休ジックリ ウォッチしよう・・・



栗城がCⅡに上がって2日経過・・・・動きが有りません・・・

6000m以上に2日も留まると、
高度順応は出来るものの、体力の消耗が激しいと言われてます。
食料を摂取しても空腹を満たすだけで、栄養分を取り込めない為です。
体内の脂肪燃焼・蛋白質分解で、熱・運動エネルギーを得るのです。

なので6000mで高度順応をして、更に7000mで高度順応し、
一旦BCに下り体を休め・一気にアタックが一般的な登り方。
彼は、3週間前にロブチェ東峰で、6000mへの高度順応をしてますが、
3週間も経つとその効果が減るとも言われてます。
それで動けないのか?雪の状態が悪くて動けないか?

彼の公式ブログとGPSデータに因ると
9月20日の朝9時20分にBC(5300m)を発ち、
CⅠを飛ばしCⅡに19時10分に到着。
約1000mの登りに、約10時間の行動です。アタックは24日と発表。

16日に、BCからCⅠ(5950m)に650m登るのに、約10時間掛ってました。
降雪で視界が悪く、アイスフォール帯通過に苦戦した模様。
この日は、荷物をデポし夜中にBCへ戻ってます・・・
この時点で、当初予定の20日のアタックが中止に・・・

21日に、プモリ基部の無線中継基地との交信で、
雪の状態を見て、22日か23日にはCⅢ(7000m)へ上がると。
21.22日は、CⅡで停滞中です。23日は動きが有るかも知れませんが・・・
仮に、23日 CⅢ(7000m)まで 24日 CⅣ(7900m)までとすると、
アタックが25日になってしまいます・・・
まだ、公式ブログでは、行程変更されてません????

処が・・・ニコニコ生放送の番組で、25日朝9時から、
単独・無酸素でのエベレスト登頂の生中継をすると発表してます。
(直前で変更が予想されるので、仮設定だと付記)

何か変ですが・・・・

アタック日の、25日の山頂付近の天気予報です。
イメージ 1

西の風15Km/h・降雪1~5cm・体感温度-23~29℃ と為ってます。
今の季節としは良い天気でしょう~
25日を逃すと、26.27日は風速30~40Km/hの強風予想なので、
ポスト・モンスーンの登頂断念と言う結果か・・・
BCに下りて、仕切り直しの余裕は無いと思います。



栗城が、今日24日に、CⅢへ上がった模様です。

と、言うのは・・・まだ彼の公式ブログで発表が無く、
ブログに添付されているGPSデータでの判断です。

20日にBCからCⅡに上がり、以来21.22.23日と3日連続停滞。
理由は、天候悪化に因る降雪・それに伴う雪崩の心配です。

20日の時点で、この先の天候悪化の兆しが予測出来、
BCに留まるべきと思いましたが・・・高高度に長期滞在による体力消耗、
それに側面の西稜からとローッエ側からの雪崩れです。谷底のCⅡですから・・・

当初20日のアタック予定が流れ、24日が25日になり更に26日と、
日毎に変更に為ってます。

下記添付のGPSデータ 
44ポイントが24日14時11分と為ってるので、
この時間に到着したと思われます。

当初、CⅢは7000mに設置と言ってたが、6900m付近の様です。
この辺はローッエフェイスと呼ばれる、40°~50°の氷雪斜面の始まり、
普通CⅢを設置する7100mからは低い位置。
イメージ 1

彼の公式ブログに、以下のコメントが記載されてます・・・

皆さん、ナマステ。
キャンプ2に着いてから3日が経ちますが、昨日までかなりの積雪で今日は表層雪崩の危険性があるのと、25日が強風の予報になったため、そのままステイしました。
現在のところ、風が弱まるという予報の26日に登頂アタックできるのではないかと思います。
26日に生中継して、皆さんと『冒険の共有』ができたらと思っています。

では、25・26日の山頂付近の天気予報です・・・比較して見て下さい。
イメージ 2

25日より26日の方が強風、それに伴う体感温度予想も低下してます。
何か変ですね~~



昨日、公式ブログでの発表は無いが、GPSデータでCⅢへ上がった模様。
と、お伝えしましたが・・・昨夜の深夜に更新されましたが、
以下のその文章のコピーです。黒字は栗城ブログより 青字は私見。

今朝6:45にキャンプ2(6400m)を出発して、
11:05にキャンプ3(7000m)に到着しました。
周りに誰一人いない、とても静かで快晴無風のエベレストを静かに静かに登ってきました。
コンディションも、とても良いです。
26日に登頂&生中継の予定です!

疑問①11時05分にCⅢ(7000m)・・と、言ってるが・・・
    昨日添付したGPSデータを見る限り、
    到達最高点44は6900mを指してます。

疑問②更新された中継基地からの動画と音声から・・・
   無風快晴と言いながら、登ってる姿の画像が無い・・・
           CⅢからの絶景は下りてから・・・と。
   
   CⅡで3日も停滞した事が原因か? 一日一食だが、それでも動ける。
   と、言っている・・・この先CⅣ→山頂→帰路の食料の量は?

公式ブログでは、
バッテリーに限りがある為、GPSデータが現在地とは限らないと・・・
では、何の為のGPSなのか・・・不思議です・・・



今日、公式ブログでCⅣへ上がったとの、下記発表が有りました。
黒字は栗城ブログより 青字は私見。

今朝7:45にキャンプ3(7000m)を出発して、
14:45に最終キャンプとして7600-7700m地点にテントを張りました。
 予定変更して明日は1日レストにして、
明後日27日(日)の登頂&生中継を目指します。

では、最終キャンプ地のCⅣの位置は? GPSデータから
イメージ 1

どう見ても最高到達点は7500m付近で、
彼の言う7600-7700mでは有りません・・・拡大して見ると・・・
イメージ 2

途中2箇所で、行き詰まって戻ってます・・・
ポイント38.39.40から先のルートは、
ローッエフェイス→ジェネバスパー→サウスコルへと続く通常ルートに近い入り口。
登り掛けて戻ったのは、ローッエの急斜面に登れないと判断したのか・・・

直接サウスコルに抜ける、谷沿いのルートを辿ってます・・・
最短で登れそうに見えますが・・・前回もこの谷でアウト・・・
ここは、エベレスト南西壁からの雪崩れが直撃する処で、通常選択する隊は無し

今日も最高到達地点付近で、行き詰まってるのが判ります。

更には、ここで明日(26日)停滞して、アタック日を27日に変更しています。
理由は不明ですが、酸素無しで7000mに滞在する事は、
翌27日のアタックに多大の影響が出るはず・・・
体が動かない・・・標高差1350mの往復・・・彼の体力・技術からして無理。

今までの経緯
CⅢを6900mに設置 (普通は7000~7100mに設置)
CⅣを7500mに設置 (普通は7900mのサウスコルに設置)
この標高のズレが登頂の成否に大きく影響します。

普通の隊は、サウスコル到着後仮眠を取り(実際は寝れないらしいが)、
夜中の12時から2時にアタックするのが一般的・・・

ピッケルが上手く使えない状態で、固定ザイルの無いサウスコルから上は、
正にデスゾーン・・・・




下記記事が、yahooニュースに掲載されました。
所属事務所を通じて発表と有りますが・・・
栗城の公式ブログでは、未だに詳細発表が有りません。
ニコ生含め外部には公表し、公式ブログが更新無しとは????

栗城史多氏、あす5度目のエベレスト登頂挑戦

 9月26日(土)18時29分配信
2012年のエベレスト挑戦で両手9本の指を失った登山家の栗城史多氏(33)が、あす27日に5度目となる秋季エベレスト(標高8848メートル)登頂に単独・無酸素で挑戦することが26日、わかった。所属事務所を通じて発表した。日本時間26日午後11時過ぎに最終キャンプを出発し、あす27日正午~午後3時頃の登頂を目指す。4月に発生したネパール大地震後、エベレスト登頂にアタックするのは世界で初となる。
ネパール側から登頂に挑戦する栗城氏は、25日に標高約7600メートルの最終キャンプに到着。そのまま昨晩出発する予定を変更し、きょう1日休息を取って、あす登頂を目指す。(一部抜粋)

栗城エベレスト①~⑩で、経過を見てきましたが、
一応ここまで無事登ったことは、一定の評価はしますが・・(単独問題等は別として)

これからが難関です。
①通常のルートから大きく左に外れてCⅣを設置したが、
 この谷からサウスコルに抜けれるのか?(最後の懸垂氷河を登った例は無し)
②CⅣの位置が低過ぎで、山頂までの時間が掛り過ぎる。
 上手く登れても、CⅣに戻るのは日没後に為るだろう・・・
③ルート工作がされてない処を、仮に残置ザイルが使える状態だったとしても、
 不自由な手で登行器・下降器の操作が出来るのか?
 (有ったとしても残置ザイルの最新は1年半前の物、紫外線・風雪に晒され劣化)
④CⅣで、一日停滞した事に因る体力消耗の影響は?(休んで疲れが取れる高度で無い)

今夜11時過ぎからアタックの様なので、この先24時間が勝負です。



9月27日に登頂と発表し、26日深夜CⅣから行動を開始したが、
栗城公式ブログで以下の更新が有りました。
黒字は栗城ブログより 青字は私見。

下山を決断しました。
全力を尽くしましたが、ラッセル(深い雪をかきわけて進むこと)で長い時間が掛かり、
このまま進むと生きて戻ることができないと判断して、
悔しいですが下山を決めて最終キャンプまで戻ってきました。

行動を開始してから余りにも早い断念、GPSデータで検証します。
イメージ 1

7740m付近でGPS軌跡が止まってます。7900mのサウスコルに至ってません。
GPSデータの拡大図で詳細は・・・
イメージ 2

ポイント37 25日16時46分 CⅣ位置 7500m付。
       (彼の言う7600m-7700mでは有りませんが、ここで26日は停滞すると言ってました)

ポイント38 26日16時38分。
       (停滞のはずが、夕方移動してます。不可思議・・・)

ポイント39 26日23時58分。
       (アタックすると公表した時間と一致、行動を開始) 

ポイント46 27日01時57分。
       (アタック断念ポイント、行動開始から約2時間で・・・)

ポイント50 27日04時46分。
       (50以降のポイント表示は無いが、37のCⅣに戻る
       公式ブログ発表の時間とほぼ一致)

●敗退の原因をラッセル深にしてるが、たったの2時間の行動でです。
●CⅡで3日停滞したのは、降雪が理由。CⅣで1日停滞して休養。
●通常ルートのローッエフェイスから外れ、
 サウスコルへ最短の谷筋を選択した時点で、吹き溜まりを想像出来ないか?
●吹き曝しで、常にガチガチのフェイスは登る自信が無かったのか・・・・

かなり体力消耗してると思うので、BCに降りてまずは休養・・・
タクティクスを見直し、再挑戦が出来るか・・・冬はすぐそこ・・・

追記  

28日01時32分 公式ブログで、BCへ下山と発表。
再アタックには、触れられてない・・・




栗城が公式ブログで、「理性と出発」と題し、下記記事を公開しました
私見を述べます。黒字は栗城ブログより 青字は私見


理性と出発
皆さん、ナマステ。
昨日の長い長い下山の一日が終わり、今はベースキャンプにいます。
一日一食の食事と3日間7500m以上での滞在で、
さすがに体重が減ったり皮膚が荒れたりと体が「不調」という正しい反応を示し、
この高度が人間のいられない標高なのだと改めて感じています。
過去エベレスト4回・その他の8千m7回の遠征で何を学んだのか・・・・

しかし僕の心と鼓動は静かに保ち続け、今まで以上にこの標高に向かう準備ができています。
数日休んでから、頂に向けて再び出発します。

最初のアタックでは、サウスコル(7900m)目前まで上がりましたが、
深い雪が腰までまとわりつき下山を決めました。
GPSデータを見た限りでは、7740m付近までより登ってない。
標高差160mは、国内の山で目前が通用しても、8千mの世界では遥か彼方。
CⅢで3日間降雪を理由に停滞してたし、
吹き溜まりの沢筋にルートを取ったので、腰ラッセルは予知出来たはず。

秋は春に比べて、雪がとても多いです。
冬から春に向かうプレモンスーンと、
秋から冬に向かうポストモンスーンでは、降雪量が増えるのは当然の事。

通常はローツェフェイスからサウスコルに上がりますが、
今回は2011年と同じく左側のルートを大きく取っています。
なぜローツェフェイスからサウスコルに入らないかというと、
それは2010年に挑戦した時に雪崩の危険性を感じたからです。
この時は、持参の軽量アルミ製アイゼンが、
ローッエフェイスの硬氷に歯が立たず、左の沢筋にルート変更した。
夏の雪渓登りでも有るまいに、アルミ製使用とは???
雪崩れの危険が、原因では無し。

左のルートは雪が深いですが雪崩の危険性が低く、
また下山の時には一気に標高を下げる事ができます。
ただし、
腰にまとわりつく(全部ではないです)深い雪があります。
傾斜はローッエフェイスより緩いものの、
沢筋上部からサウスコルまでは急傾斜だし、南西壁からの雪崩れの溜まり場です。

しかしこの深い雪を利用して、傾斜が急な所でも安定してテントを張ることができました。
CⅢの先、ローッエフェイスからサウスコルまでは、硬氷とミックスの岩稜で、
テントを設営の為にはテント分のカッティングが必要です。
だから他隊は、CⅢを出来るだけ上に設置し、サウスコルにCⅣを設けます。
深雪の急斜面で幕営とは・・・・

次に再びC4に着いたら、翌日に空荷(荷物がない状態)で200mほどラッセル(雪をかき分けて進むこと)して道を作ってからC4に戻り、その日の夜に再び山頂に向けてアタックして行きます。
再び同じルートを辿りCⅣへ、テントを置いて来たのか・・・
CⅣは7500m付近に設置してましたから、200mをラッセルしても、
アタックを断念した7740m付近と言うことに為ります。
CⅣから約2時間の地点・・・

なぜサウスコルにテントを張らないかというと、
一人でテントも持って深い雪をかき分けて無酸素で上がるのは、非常に厳しいからです。
通常、サウスコル(7900m)から山頂往復がやっと、と言われてます。
酸素を吸って体力の有る者は、その日の内にCⅢまで降りれる様ですが・・・

また、また登頂後に7900mに戻っても標高が高くて、体への負担が大きいです。
7600mでテントを張って、その後、空荷の状態で道を作った方が効率が良く登れて、
また下山した時に体の負担を減らせます。
谷筋からサウスコルに抜ける、最後の懸垂氷河の左右どちらを巻くか判りませんが、
抜けれると思っている様です。
エベレスト開拓時代には、このルートが最短と、
各隊が挑んだが雪崩れの危険があり、ローッフェイスから左に大迂回して、
サウスコルに至る現在のノーマルルートが定着しました。

今、脈拍やSpO2は落ち着いており、
また神々の標高に向かえる準備ができると思います。
また日本での低酸素室や食事調整の効果もあって、
過去に比べると高所でも体が辛くなかったです。
ただ一つ、問題があります。
それは、再び切れ痔になったことです。。。
今、落ち着いて休んでから、ゆっくりと上がって行こうと思っています。

外電情報です。

【AFP=時事】9月28日(月)16時31分配信
世界最高峰エベレスト(Mount Everest、8848メートル)の登頂を週末に断念した日本人登山家、栗城史多(Nobukazu Kuriki)さんが、数日中にも再び山頂を目指す意志を示していると、ヒマラヤ登山専門の旅行会社ボチボチトレック(Bochi-Bochi Trek)が28日、明らかにした。

ボチボチトレック(Bochi-Bochi Trek)のティカラム・グルング(Tikaram Gurung)氏はAFPに対し、栗城さんは「ベースキャンプに数日滞在し、その後、10月1日から再びエベレスト山頂を目指す」「体調は良好で、登頂に向けて大きな問題はない」と述べた。
グルング氏によると再度の挑戦でも、単独・無酸素での登頂を目指すという。
SPCCがアイスフォール帯にルート工作済みでも、
〔単独〕と言ってます・・・単独の定義は?????

それに、まだ栗城公式ブログでの発表が無いのに、
下請けのシェルパ会社が、会見とは・・・・どっちが主役か???

ボチボチ社は、カトマンズに在るシェルパの派遣会社。
栗城はヒマラヤ・カラコルムでこの社を使用。
今回のボチボチ社への出費は不明ですが、
2011年エベレストの際は、1300万と公表されてます。
因みに、この年のエベレスト遠征寄付金総額は7200万・・・・
今回集めた金は5700万(内栗城ファン約2000万)

近年のエベレスト商業登山では、
1人当り650~800万で北稜(チベット)・南東稜(ノーマルルート)を、
個人装備持参のみで酸素付きサポートして貰えます。

何れにしても、10月1日から〝栗城劇場〟の再開が楽しみです。



栗城が行動を再開しました。

28日からBCに降りていた栗城が、1日20:35公式ブログ更新。
4日滞在して体制が整った様子で、ボチボチ社発表の1日ではなく、
2日BC発で登頂予定は6.7日との事。
(これには伏線がある、韓国ローッェ隊が10月1日から行動開始、
サウスコルまではルートが同じである。)
山頂の天気予報を見ると、この頃の天気は良いが、
風速30km/hの西風が吹き・体感温度が-36~40℃らしい・・・

10月末には、東京で公演が予定されてるらしいが、
それに間に合わせて登れるのか?  5回目のエベレスト3次アタックで。

公式ブログから抜粋して書き込みます。黒字は栗城ブログより 青字は私見
10月2日 14:02発表
晴天の中、今朝8:20(日本11:35)に、CⅡへ出発。

10月2日 22:50発表
16:30(日本19:45)に、CⅡ(6400m)に到着。

10月3日 12:40発表
9:00(日本12:15)に、CⅡを出発。

10月3日 17:37発表
13:55(日本17:10)頃に、CⅢ(7000m)に到着。明日は停滞の予定。

CⅢで、また一日停滞の予定とか・・・疲労回復のつもりだろうが、
動かなくても高所の影響で、体力消耗が激しいのでは・・・・

10月2.3日のGPSデータです。
2日、日本時間19:45にCⅡ(6400m)へ到着と言ってますが、
GPSポイント39は、18:39通過 まだ6200m地点です。
最後の1時間で、標高200mも稼いだことになります。
今回、時間当たりの最高高度達成、しかも最終地点で・・・
イメージ 1
ポイント39より右のポイントは、10月3日のものですが・・・
ご覧の通り、軌道が往ったり来たりです。
イメージ 2
衛星が信号を受信出来ないのか?  GPS機器の不具合か?
開けた谷なので、信号を拾えないのが不思議・・・
しかし、ポイント50のデータは、17:29 7000m付近を指してて、
公式発表と一致します。

停滞後の5日に、CⅣ(7900m・サウスコル)へ上がる事になるが、
900mをどう攻略するのか注目です。

攻略出来れば、サウスコルへの新ルート開拓!!!!!
ポイント39より右のポイントは、10月3日のものですが・・・
ご覧の通り、軌道が往ったり来たりです。


10月3日にCⅢに上がって以来、4日、5日と停滞してます。
自称7000mのCⅢに3泊もするのは、異常と思う・・・
日増しに体力が消耗するからです、無酸素なら尚更です。

以下、栗城の公式ブログの更新です。黒字は栗城ブログより 青字は私見

ナマステ。
無事に7000mのキャンプ3に着きました。
雪が降っていなかったので、ほとんどラッセルもなく自分の足跡が付いていました。
しかし上部はかなりの強風で、今もエベレストの上の方には白い雪煙が舞っています。
この風の中では非常に厳しいですが、これから少し収まる予報もあるので、そのタイミングで向かって行きたいと思っています。
明日ステイするか進むか、これから予報をもらって決めます。


今日は快晴ですが、ジェットストリームがきていて風がとても強かったです。
この風が弱まる時を狙って、アタックしていきます。

エベレストの最新の天気予報では、今日が強風のピークということなので、キャンプ3で待機です。
昨日からテントが飛ばされそうになるほどの強風ですが、体調は良いです。
明日は風が少し弱まる予報なので、先に進みたいと思います。

これを見る限り、「体調はいい」「風が強い・・」と言ってるが、
ヒマラヤの天気予報で、信頼の於けるマウンテン・フォーカスを見ると、
今日5日の予報、7000mのCⅢ付近では、
イメージ 1

5日の予報、栗城が予定してるCⅣ(7900m)付近は、
(添付画像が斜めで済みません)
イメージ 2

山頂の予報は? 6.7.8日を見て下さい。
イメージ 3

予報では風が治るのは、9日からです。明日6日には、先に進みたいと言ってるが、
上手くCⅣ(7900m)のサウスコルに上がれたとしても、7.8日はCⅣで停滞・・・

高所にこれだけ滞在しては、彼の力量からして、9日のアタックは無理と判断します。




念願のディナフィット・PDGと専用シールを購入しました。

ディナフィットの山岳スキー競技用の板を見たのは、
2005年の白馬栂池でのこと。

2004年にアルプスで開催された、山岳スキー競技選手権のチャンプが、
日山協の招きで来日してのデモでした。
彼はスイスの国境警備隊員で、国境の峰々をスキーとアイゼンで巡回してる兵。

彼はスキー板にシールを貼ると、
ノルディック選手の如く登り・靴を外さず一瞬でシールを外し粘着面を併せて懐へ、
矢の様に滑走です。
その流れを汲む、板とシールです。

私の常識では、シールの保護シートを取り滑走面にトップ・テールを固定・・
勿論貼り流し式のシールは知ってたが・・・
滑走時も一度靴を外し、シールを剥がしシートを付けて収納・・・それからです。
山板も一本680gの物が有る事・靴も1キロ以内の物が有る事・
金具もTLTと言う軽量が有る事・シールもトップから剥がせる物が有る事・・・
・・・・目から鱗でした。

デモの夜、暇そうにしてた向かいの部屋のチャンプを招き、
郡山の山友と持参の酒を酌み交わした事が忘れられない・・・
片言英語で、酒をジャパニーズ・ライスワイン、
乾き物をドライフイッシュと教え、畳の上での茶碗酒・・・彼も楽しそうにしてた。

翌日、二人はタイムアウトのドン尻でゴールしたが、
ゴールテントに居たチャンプが来て、
「Congratulations Nice skiing」と握手してくれた・・・
役員に後から、
30人ほど居た中で、チャンプに祝福されたのはあんた等だけだ・・・と。

あの日から10年、約1300gの板に1キロ超えの金具と1.5キロの靴でしたが、
念願の軽量化が図れます。
800gの板にTLT金具580g・1キロの靴、老いた身には優しい道具達~

 
板の紹介

PDG板 カタログ値 一本790g +-3%と有り、計って見ると800g。
長さ161cm 幅99-65-80 ラジウス25.5/20
(山岳レース基準に、長さ160cm以上・幅60mm以上で有る事の規定あり)
板のトップに、シールを引っ掛ける切れ込みが有ります。
トップの反り部分は軽量化のため薄く削られてます・・・
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テールには、PDG選手権の公認コースの山・谷がデザインされてます。
PDG(La Patrouille des Glaclers 氷河パトロール)は、
スイス軍主催の山岳スキー耐久レースで、2年毎に開催。
3人1組でツェルマットから、ヴェルビェまで3千m級の山3座を登り降りして、
タイムを争います。
その距離約55キロ、標高差累計8000m超の過酷なレース・・・
優勝チームは、7時間30分を切るタイムとか・・・

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専用のポモカシール 幅5.5cm シール部150cm。
トップのゴムを引っ掛けて貼り、
剥がす時はスキーをデングリ返し、ゴムを引いて剥がします。
シールは糊面を併せてタタミ、シートはシーズン中必要無しとの事。
(ゲッコのシールも糊面を張併せて保管出来、シール面の汚れも洗って流せる謳い文句だが、先回のリコール問題もある。日本の湿雪には向かない話も・・)
糊面の下が防水層になってて、シールが水を吸っても糊に影響ないらしい・・・
不安なのが、シールの毛足が明らかに短い・・・滑りを良くする為らしいが・・・
レースでは、シールを外してる時間も勿体無いのだとか・・・
登りのグリップが弱いのてはないか心配・・・

チャンプが言ってた、登りではストックワークが重要とは、
シールの登行力を補うためのものかも知れない・・・
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ポモカのカタログを見ると、GLIDE最大・GRIP最小・・・
モヘアやナイロンシールより使った事が無いので、
11月の八幡平スキー場で試して見るより無し、
スキー場トップまで今まで通りに登れれば、合格か????

イメージ 5

今回、格安(半値以下)で購入出来たのは、ディナフィット・テストセンターのお陰。
ディナフィット社製品が試乗出来る処。
昨冬使用のデモ用品を格安で払い下げるとの話が有り、申し込んでました。
夏に、リストと価格が発表され、届いて見ると新品の板とシールでした~
また、TLTの取り付けも無料とのこと、お盆中に全て完了でした。

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