10月22日
20日の午後、滅多にチェックしない、PCのブララブロバイダーメールを開いたら、
10数年来の“山スキー友”(山登り友では無し)からのメールが有った。
過去は携帯での遣り取りが主だったが、18日の発信だった。
「19号台風で、作業場が浸水し大変だと・・・」

彼は、某車屋が盛んにF1レースに出てた頃の、エンジン開発に関わった技術屋。
独立し故郷の工業団地で、エンジン専門のチューンナップを開業。
F3~草レース愛好家の、エンジンメンテナンスを生業としてた・・・
その筋の専門誌にも登場し、金に糸目を付けない顧客が多かった様で、
当時の山スキー道具(TLT金具や軽量靴)は、最新モデル使用等、羽振りは良かった。
月山の春スキーでの車中泊で意気投合、以後毎年の4・5月は姥沢Pで会ってた・・・

事業は順調だったが、大震災と福島原発事故で、“放射能汚染”されると、
何故か? 母親と関西で避難生活。(前から健康面で、添加物等の食生活には煩かった。)
その後も、関西から月山に山スキーに来てたが、有る時に山で呑みながら、
原発への恨み言を散々聞かされ・・・
「福島は、過去莫大な原発交付金を得ながら、今更何を言う」と言ったら以後断交。
その彼が、水害の窮状を訴えてるのだ・・・馳せ参じない訳には居られなかった・・・

電話して、メールを開けるのが遅かったのを詫び、「明日の朝には着く」と・・・
「ナビ付いてるか?」の問に「何年山遣ってる、目標物は何だ」、
「某大企業工場の向かい」と言う・・・なら、聞いて往けばアホでも着ける・・・
ダンスから帰った妻に、この件を伝え4.5日分の着替え他を積み、夕方4時に出発。

この日は、ラグビーの決勝リーグだ、ラジオを聴きながら走ったが、
時間が有るので、東北道途中のSAでテレビ中継を見る。残念ながら、実力の差だ(泪)

長者原SAの売店で、レジの若者に工業団地への道順を聞くと、
「○○ICで降りるより、手前の✗✗ICで降りた方が、距離的に近い」と・・・

✗✗の料金所で聞くと、目の前の△号線を南下し、□号との交差点を左折し、
橋を渡れば団地が有ると・・・団地の入り口のタクシー会社で聞くと、直進左側だと。
付近は、夜目にも水害が有った事が判る・・・歩道や事業所の前は、廃棄物の山だ・・・
さて、500㌔走って到着です。
真夜中に電話しても迷惑と思い、車中泊の体制でウイスキーを・・・
水割り用の水が無い・・・付近の自販機は、水没して駄目・・・ストレートで。

朝6時に電話したが・・・彼が来たのが8時半!!!(何してる馬鹿タレが・・・と思ったが)
水が引いたのが2日後で、それまで近寄れなかったと言う。自宅は無事だと・・・
老いた母親は、施設に預けてるらしい・・・車屋時代の仲間が、2日手伝いに来たと。

台風19号の豪雨で、12~13日に氾濫した、福島県を流れる阿武隈川。(21日の画像)
平時は、堤防から何処に水が流れてるのか? 判らない水位だが、此れが溢れたと言う・・
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工業団地周辺は、1~2mの浸水だったと・・・傍の大手家電工場は過去の水害で、
1mの防水壁と止水ゲートを付けたが、今回は2mの浸水でアウトだと・・・

事務所スペース。1m浸水した割にはドロが少ないが・・・什器が寄ったりしてる・・・
聞けば、大震災で遣られた後は、整理整頓せずに関西に避難。地震の跡に水害だ・・・
地震で落ちた紙類他が全て水を吸って、数倍の重さだ・・・
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工具スペース。仲間と2日作業した為か、以外に整理されてた・・・
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整備スペース。大震災前からの預かり車は、隣から水を貰って洗ったと言う・・・
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エンジン加工スペース。旋盤やらドリル盤が置かれてる・・・
手前のゴミは、45Lゴミ袋に詰めた濡れた可燃ごみ。殆どは、俺が一日で詰めたのだ。
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水害ゴミの仮置場は、工業団地内の公園だと言う。其内に、軽トラを借りて運ぶと・・

彼と話してて・・震災後、関西に避難して、借り上げ住宅に住んだが、実に暮らし易いと。
今は、市営の団地住まいだと・・・(住民票は関西?)
原発事故を契機に、“汚染された土地には住みたく無い” “事業継続の意欲も無い”と言う。
母親だけが“生地”に拘ってると、現在は施設に・・・死後は? 言葉を濁してたが。

話をしてても、この先の見通しがハッキリしない・・・
ダンボールを縛る紐がないか?と聞くと、家に有るので取って来ると、1時間半も来ず・・・
昼の弁当を買いに往って2時間、午後から団地内のゴミの仮置場を見てくると往って1時間。
お前、遣る気有るのか? と言いたかったが・・・我慢・我慢です。
仮置場を見て来て、「皆、直接車に積んで来てる、ゴミ袋に入れる手間が省ける。」と。
「車と、作業手間の有る奴は、そうした方が早い」と言うと、「ボランティアを市に頼む」
「馬鹿が! 事業所にボランティアが来るか? 人手が欲しいなら金で雇え!」
震災で逃げた後に、電気・水道を解約したと・・・お陰で、水が出ないのだ・・・
ドロも落とせないのだ・・・

呆れ果てて、言ってしまった・・・
「事業を続ける気が無いなら、土地・建物・機材・ゴミ付き、現状渡しで格安で処分せ!」
「お前には、無用の長物だ・・・」
「土地は約300坪、工場約200坪、土地の買値が坪15万だったなら4500万。
買い手の建物解体費(200坪✖10万)2000万、機械とゴミの処分費500万を引くと、
2000万残るが、水害地帯分を更に割引き1000万位で手放せ、この先苦労せずに済むし、
手元に1000万位いが残る。」と。資産を叩き売れと言ったのが面白く無かったのか・・・
「建物はまだ使えるし、工作機械もオーバーホールしたら使えるし、欲しい奴も居る。」
「帳簿上の資産価値はお前の言い値、現実の価値は買い手の判断だ、良く考えろ!」

遣る気の無い奴と話しても始まらないし、手伝ってても面白く無い・・・
夕方4時に為った・・「あぁ~腰痛て~今から帰れば、今日中に風呂に入って、寝れる。」
聞いて一瞬表情が変わった(助っ人として、何日かを充てにしてたのか?)が、
知らぬ振りをして隣で水を貰い、長靴とゴム手を洗い、4月月山での再会を期して?・・・
高速代とガソリン代云々と言ってたが、金が欲しくて来た訳では無いのだ・・・


夜間の高速は目が疲れる・・4号線をチンタラ北上し、途中の道の駅で仮眠し、早朝帰宅。

教訓
堤防より、低い処には、住むな!!! それは自然災害ではなく、自己災害だ・・・