大学山岳部伝統校が、事故を起こした。
しかも、冬山入門で入山者の多い八ヶ岳で・・・
詳細は不明だが、大学山岳部らしからぬ事故。

らしからぬ理由は、
①阿弥陀岳登頂後に帰路を失い、ビバーク。
 日帰り登頂出来る山なのに、悪天日を選んだのか?ルート旗の設置は?

②ビバーク態勢は?
 この時季、-15℃以下に為る様な環境では、
 ツエルト被った程度なら一睡も出来ないはず。体力の消耗が激しい・・・
 雪洞・イグルーを掘ったら、内部は0℃以上に保てる・・・
 スコップの有無は?

③2人は、アンザイレンしてたという・・・
 消耗の激しい部員を、確保目的でザイルを結んだ判断は良しとしても、
 コンテニュアス(2者同時行動)で行動してたのか・・・
 雪庇を踏んで滑落・・・結果止めきれず巻き込まれたのか?
 スタカット(1者行動・1者確保)で行動してたら、
 滑落を止めれたかも・・・
 この方式の訓練は、飽きる程してたはず。
 本番では、通用しなかったと言う事か・・・
 本当に危険な場所では、ザイルを結ばないという選択肢も有るが~

いづれにしても、この3点で不可解な事故、遣り切れない気持ちだ・・・・

追記(2月13日)
同大の、山岳部部長(副学長)が、
「登山計画、装備に不備は無かった。」と会見。
しかし、本当にそうだったのか、今後の検証が必要。
現役部員・OB会員含めた現状把握・対策が今後の鍵となる。

大学山岳部の組織(大学から正式に認められた部の場合)

山岳部 部長(担当教授)
    |ーOB会
山岳部 監督(OB)
        |ーコーチ会(OB)
山岳部 主将
           |ーリーダー会(上級部員)
部員
年度ごとに、主将・リーダー会で、年間山行計画を組む。
監督・コーチ会が、計画を承認。
監督が部長に計画を報告し、年度計画が決定される。

今回の、阿弥陀岳山行も、上記の手続きを踏んでの山行だろう。
県警への救助要請も、大学を通してのものらしいので、
組織は機能してたと思う。
原因無くして事故は起きず、死者に鞭打つつもりは無いが、
判断ミスが招いた結果。

過去に、現役山嶽部員を亡くし、山嶽部存亡の危機を経験した者として、
非常に辛い作業ではあるが、原因究明・検証・対策を望みます。     
                             合掌


2016年1月16日追記
〔山と渓谷〕2015年5月号に、遭難事故の概要が記載されてます。