県警から、事故詳細が公表されました・・・
7日、入山し、行者小屋へ。
8日、阿弥陀岳往復の予定が、悪天候で視界が悪く、
中岳との鞍部から逆方向の南側に下った。
途中で気が付き、ビバーク。
9日、阿弥陀岳南稜を登り返した。
午後3時45分頃に、
主将の指示で1.2年生の男子部員3名が行者小屋へ先行。
3名は、午後6時頃に小屋に到着。午後9時頃、監督に連絡。
11日、2ルンゼ2.560m付近で、遺体発見。1.5m埋まってた。
これが、行動概要です。
行者小屋関係者談として、8日は朝から強風・降雪で視界が悪かった。
小屋利用者の中には、
天候悪化を見越して7日の内に予定変更した人も居た・・・
私見
滑落事故の以前に、事故(判断ミス3回)が起きていた様です。
①悪天候下でのアタック実施。
(天気図作成・判読、ラジオでの情報は冬山での常識)
②鞍部から、北側に下るべきが南側に下る。
(視界無しとして、磁石確認の欠如。ルート旗は無かった模様)
③ビバークしたのは良しとしても・・何故、南稜を登り返したのか・・・
(南稜ルートは、冬季登攀の対象ルート。
山頂に抜けないと予定のコースに戻れない。
標高が低く斜面も緩い、中岳を目指さなかったのか?)
2ルンゼで発見された事は、ほぼ山頂まで登り返した事になります。
南稜の途中で滑落してれば、3ルンゼのはず・・・
滑落が雪崩を誘発した・・・と考えます。
全員での行動をせず、経験の少ない1.2生を先行させた事も問題。
(2重遭難の危機)
男女差別では無いが、女子を同行した事も問題。
(体力面で難は無かったか・・・)
リーダーの資質が問われる事故です。
知るほどに、遣る瀬無い事故ですが・・・・・
教訓として記憶せねば為りません。
吹雪で、真逆の方向に下りて遭難した例は多々有ります。
人の本能として、正面からの風雪に顔を背けるとか・・・
05年3月に、秋田・岩手県境の乳頭山(烏帽子岳)で、秋田年金の会の
43名が風下の岩手側にワンビバーク後、
降りると言う遭難事故が有りました。
この時の会長は、「全員無事降りたのだから、遭難事故では無い、
道を間違えただけだ」とノタマッテました。
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