籐製風 椅子

木彫りサークルの仲間から、隣町の製材所に〝桂材〟の端材が沢山有るとの情報。
桂材は、彫刻に適した材木で、彫り易い事と、
板の赤味(芯材)と白太(辺材)の風合いがいいのが特徴です。

仲間で全部買う事にしましたが・・・軽トラ一台分が届いてビックリ・・・
端材は幅(20~25cm・長さ55~65cm)・厚み(2~3cm)とバラバラで、汚れてる。
でも乾燥してて、すぐにでも彫刻出来そうな板でした。
彫刻用として売ってる桂の正目板は、家庭用のまな板サイズで3千円もしまが・・・
どれでも1枚500円との話で、将来の在庫分もと・・・25枚引き取る事に。

家に持ち帰り、この材を使って何を彫ろうか考えました・・・
1枚に彫っても小品より出来ないし・・・
裏表のカンナ掛けと木口の直角を出さなければなりません・・・

悩んだ末に、県の事業団で木工の指導員をしてる知人に電話。
状況を話すと、端材を整形して1枚の板に出来るし、
機械・道具も全部有るからとの事でした。

事業団では、週2回木工教室を開催してたので、早速申し込みました。
材料持込(又は購入)で機械・道具、ビス・糊等の消耗品を使って、
費用は半日で500円・一日居ても1000円。
自動カンナや丸ノコの機械は危険なので、知人が操作してくれるとの事。

当日、25枚の板と作図を持って、木工教室に向かいました。
厚み別に板を選別し、2枚の板になる様に並べます。
次に、各板が長四角になる様に、1枚づつ木口を切断して貰いました。
長さと幅を揃えるのは、大変な作業で、無駄を出したくないのでパズルのよう・・・
自動カンナの機械が、最大50cm幅の板より入らないと言うので、
幅が越えない様に並べて、木口に速乾の木工ポンドを塗り、貼り合わせて午前終了。
昼飯を喰って戻ると、2枚の板が完全に接着されてます。
次は、裏表にカンナ掛けの作業、少しづつ削り、
綺麗な面が出る様に何回も裏表を機械に通します、反ったりしてるので大変・・・

一日掛かりで、幅48cm・長さ220cm・厚さ2.5cmの板1枚と、
幅48cm・長さ100cm・厚さ2cmの板1枚が完成。
切断した端材も、小品が彫れそうな物は、全て持ち帰りました。

家での作業は・・・
鋸屑が散らかるので、車庫で鋸・糸鋸を使い、鉛筆描きしたパーツの切り出し、
冬場は居間にブルーシートを敷いて、彫刻刀・ノミでコツコツと・・
仕上げは紙ヤスリで・・・これは埃が凄くて車庫か・晴れた日は外で・・・

背もたれは、当初一面に彫刻を施すつもりでしたが、重くて移動が大変と思い、
変更して透かし彫りにしました。
富士と満月の図に決め、強度も考え浮雲で繫ぎました・・・
肘掛は、肘掛下の足部のアーチを切り出した端材の内側を、更に切り抜き利用。
正面椅子下のアーチは、背もたれ上のアーチを切り抜いた余り板を利用。
材料に無駄が出ないように色々考えて・・・
座る部分は、2cm板を使用、他は質感を考え2.5cmで。


イメージ 1


座面と背もたれは90度にしましたが、座り易い様に座面の前を少し高くしました。
重さが後ろに掛かり、引っ繰り返るのを防ぐ為、荷重が後ろ足に乗るよう、
座面を前に出すとバランスがいい具合に・・・
イメージ 2


背もたれの補強に、三角の支えを取り付け。
イメージ 3


座面の彫り物は、竹を編んだイメージで・・・
イメージ 4


彫り上がって、組み立てですが・・・・
また、県事業団の木工教室で、ホゾ穴をあけ・ボンドを塗り・電ドラでビス打ちの
一連の作業をし、ホゾ穴を埋めて、持ち帰り。

塗装は車庫内で、透明油性二スを塗って乾かし、3回ほど塗り完成です。
桂材は、赤味と呼ばれる芯材の部分が、ニスを吸い込んで、いい飴色になります。