市内の社会福祉法人で、陶芸を教えてると言う話を聴き、その施設を訪ねました。
敷地内には、母子寮と乳児院の建物が在り、
陶芸は母子寮の1Fの小部屋でやってました。
窯は、敷地の端の小屋内に在り、灯油を燃やして焼くらしい。
教えるのは、法人の事務をしてる方2名で、
週一回の夕方5時半~8時頃までとの事でした。
費用は一回200円で、好きな物を造って焼いてくれるとの事。
街の陶芸教室では、材料費別の月5000円もの月謝・・・
粘土の使う量も自由で、釉薬も好きなのを選択出来ます。
粘土は小学校の工作以来でしたが、
陶芸用の粘土は、土に粘りを出すのと、中の気泡を抜く為に、
〝菊練り〟と言う捏ねる作業が大事です。
気泡が入ったままで造ると、素焼きの段階で中の空気が膨張して、
ひび割れ・最悪爆発し他の陶器に被害が及ぶとか・・・
又、粘土の締めが均一でないと、焼いた時に歪む原因とか・・・
陶芸の手順は、菊練り→製作→乾燥→素焼き→釉薬付け→乾燥→本焼き
と言う、時間の掛かる作業です。
素焼きと本焼きは、施設の方が窯分の量が出来たら、纏めて焼いてくれます。
最初は、基本的な技法が網羅された、湯呑茶碗がいいとの事で、
手ロクロ台の中心に底になる部分の粘土を置き、紐状にした粘土を巻いて、
一段づつ指で下の粘土と挟んで絞めて、繰り返し高さを出します。
あっと言う間に時間になり、糸でロクロ台から切り離し、
乾燥しない様にビニール袋に入れ初日は終了。
翌週、ビニール袋内に水蒸気が付いてて、少し水分が抜けた感じ。
粘土も程良い固さ、手ロクロ台に載せ、カンナで外側の〝胴・腰〟を削ります。
内側の〝茶巾擦り・茶筅擦り〟は濡らした布で整形。
内外側が整ったら、口造りの整形。
次に、ロクロ台に逆さまに置き、〝高台・高台内〟の整形。
これで、一応完成です。

確り乾燥したら素焼きですが、窯一杯の量がないと燃料が勿体無いので、
他の物が出来てから焼くとの事でした。
素焼きは、灯油バーナーで1時間に100度づつ温度を上げ、
800度に為ったら火を止め・煙突を塞ぎ、常温に冷えるまで蓋を開けないとか・・・
ひび割れしてないか・・心配でしたが、何とか形が・・・
釉薬(上薬)は、ポリバケツに入った色々な種類が在り、底に沈殿してるのを、
電動の撹拌する器械で掻き回し濃度を一定にします。
湯呑茶碗の中に、釉薬を流し込み二・三回廻して、素焼きに吸わせ余分はバケツに。
均一の厚さに為る様に吸わせるのがコツだそう、
外側は高台を指で持ち、バケツの釉薬に沈めます。
乾いたら本焼きですが、12時間掛けて1200度まで窯の温度を上げるとか・・・
温度計を見ながらの作業と、夏は小屋内が暑くて大変だとか・・・
週一の教室以外の日でも、一人で作業するなら何時でもOKとの事で、
嵌まってしまい通いました・・・
釉薬の掛け合わせで色んな色が出せるし、自由にやれるし・面白いのです。
茶碗
茶道で〝熊川(こもがい)〟と呼ばれてる茶碗の形ちです。
一度目に藍色に為る釉薬を掛け、
二度目は斜めに乳白に為る釉薬に浸しました。お気に入りの茶碗です。

底の〝茶溜まり〟も、其れらしく出来てますし、指の跡も・・・

〝高台〟も〝畳み付き〟も、綺麗に仕上がってます。
この器で茶を飲んだ事は残念なから有りません、未使用・・・

大ジョッキ
ビールジョッキです、大瓶(633ml)一本分が入るサイズ。
底になる粘土に、新聞紙を一巻きした一升瓶を置き、
板状にした粘土版から、糸で切り出した粘土を巻いて縦面と底を接着。
新聞紙は、瓶に粘土がくっ着いて抜けなく為るのを防ぐ為、
瓶と新聞紙の間に水を入れ・新聞紙を濡らすと簡単に瓶が抜けます。
握り手を着けて形ちは完成、外側に縦横模様。
釉薬は、乳白に仕上がるのを選び薄く掛けました。
飲み口には、焼いた時に液垂れを期待しましたが、
釉薬の吸わせる量が少なかったのか・・・あまり垂れてません・・・


冷凍庫でギンギンに冷やしたジョッキで呑むビールは、格別です~
花器・茶碗・ぐい呑み・皿など、色々造りましたが、ほとんど貰われて・・・
家に残ってるのは、植木鉢ぐらい・・・・面が車庫に在るはずなので、次回に・・・
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