天気予報を見ると、5月18日(木)~21日(日)までは晴れ予報です。
GW後半以来、2度目の鳥海山春スキーを計画。


18日
昼から200キロ彼方の、鳥海・祓川登山口を目指しました。
途中で酒・ビール・ツマミ・昼飯用パン等を調達し、
鳥海高原に上がると、鳥海がドーンと見えます・・・       パノラマ画像
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祓川登山口への林道。ブナの新緑が綺麗です。
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まもなく、祓川登山口の駐車場。鳥海が近くなって・・・     パノラマ画像
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この日は平日で車中泊の車も少なく、夜は〝一人入山祝い〟で一杯・・・
ラジオで明日の予報を聴くと、波50cmとのこと。明日に期待し早々に寝袋へ・・・
(鳥海山は海辺に有り、海風の影響を受け易い)



19日
3時半起床、4時半頃の日の出。横手盆地に雲海が・・・
 駒ヶ岳↓岩手山↓和賀山塊↓              早池峰山↓  
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朝焼けの鳥海
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無風・快晴です。
スキー登山のつもりでしたが、
こんな良い条件は無いし・昨日途中から見た北面の雪の状態から、
3年振りに北面を登って見ようと・・・・
3年前はカメラをザックに入れてて、取り出せる様な斜面で無く、
写真も満足に撮れなかった。
その時の画像は↓

5時30分に出発。
夏道は無く、〝熊〟が多い処なので、
藪漕ぎの前に〝20連発の爆竹〟を派手に鳴らす・・・

最初の藪を越えると、雪の壁が立塞がる。目標の新山の頭が遥か彼方に・・・・
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雪は絞まって歩き易い。今日は、マウンテン・テクノロジーのピッケル。
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この斜面を登り、また藪を漕ぐ前に〝爆竹〟・・・
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この藪は、漕ぐに値しない・・・透けて先が見える・・・
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また藪・・・〝爆竹〟を鳴らし、薄そうな処を突破・・・
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この藪も、〝爆竹〟後に突破・・・
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遂に草付き+潅木帯に出ました~ 鳥海山北斜面の全貌。誰もが見れる景色でなし。
    ↓新山                    稲倉岳↓パノラマ画像
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最後の藪を漕ぐと・・・・
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眼前に新山北面が・・・6時45分。
藪漕ぎ・雪渓のトラバースを繰り返し、1時間15分で到着です。
スキーだと、藪の突破に時間が掛かり・板を履いては外すの繰り返し・・・
2時間は掛かってしまいますが、今日は板なしで登山靴、ガンガン往けます。

今日のルート
北面基部から新山まで、標高差800m・時間にして約4時間。
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日差しの当たって無い雪面はガチガチで、靴底跡が微かに残るだけ・・・
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北面基部に着きました・・・7時25分。
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登り始める前に、靴紐の締め治し・・・前開きのスパッツは遣り易いです。
靴は、ゴローのオーダー。
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アイゼンも装着、サレワ12本ヒマラヤ(時代物)。
アイゼン3丁の内2丁がサレワ製・・・・刺さりがお気に入り。
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7時45分から登り始めます・・・・
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〝熊〟の足跡が・・・形が鮮明でないので、昨日の物か・・・
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中島の露岩を目指して登ります・・・
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左手の七高山側の雪渓に〝熊〟が横断した足跡が・・・拡大して見て下さい。
こんな急斜面を熊は歩くのです・・・
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ここにも〝熊〟の足跡が・・・離れてるので登ったか? 降ったか? は不明。
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右手には、稲倉岳が・・・海岸線も・・・
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愈々、急斜面・・・ピッケルを刺し・3点支持を確実に・・・
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露岩が見えて来ましたが・・・なかなか着かない・・・
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10時25分、ようやく、露岩下部に到着です。ここまで休める処は無し・・・
一息入れて、アイゼン点検。
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七高山の側壁。
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先の急斜面、雪面の状態により斜登・直登の繰り返し・・・基本に忠実に・・・
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象潟口からの途中に有る〝扇子森〟と、日本海に浮かぶ〝飛島〟です。
更に、急斜面が・・・スリップしたら何百m落ちるか?
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斜度は更に増します・・・
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新山の山頂が見えて来ると、斜度は落ちますが、足も疲れて来る・・・
油断は禁物・・・
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最後の斜面です・・・
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新山と七高山の鞍部を目指して・・・最後の登り。
ここで12時半、やっと座って休める処へ・・・水分補給。
基部から休み込みで、4時間45分で完登です。          パノラマ画像
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七高山の山頂を見上げる・・・
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外輪山越しに、南に〝月山〟と〝朝日連峰〟
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1時20分 七高山の〝一等三角点〟。
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七高山山頂からの〝月山〟と〝朝日連峰〟
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七高山山頂からの新山ドーム。小生がトラバースした足跡が・・・
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〝氷の薬師〟で沢水500mLを補充、冷たくて美味い・・・
降りて来た七高山を振り返る。
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眼下には〝大雪路〟の雪原が広がってます。
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祓川駐車場に2時30分到着。
雪でクルクル(雪に埋めるより、回すと30秒で冷える)して、
即冷えの缶ビール500mL2本を、一気に遣っ付ける。

夕方、塚〇氏が到着。
8時まで外で〝酒宴〟以外に寒くはなかった・・・
明日は塚〇氏の希望で、又 北面に往く事になる。


20日
7時45分出発。
昨日の記憶を辿り、藪漕ぎを繰り返す・・・雪渓の足跡は既に消えてる・・・
藪漕ぎは2人なので、気分的に楽。
9時45分北面に出る・・・2時間・・・板だとやはり時間が掛かる。
手持ちしたり・背負ったり・履いたり・外したりの繰り返し・・・

10時30分 北面基部に到着。
塚〇氏は北面を滑ると言い、2時までには戻る約束で、
スキーアイゼンを装着して登って往った・・・
小生は、こんな急斜面滑る自信も無し・・・去年はバランスを崩して滑落・・・

ツェルトを張って、2時まで待機・・・
中に居ると、日差しで暖かいぃぃ~
小生の嫌いな、某社製のパラシュート生地を使った〝超軽量〟の物。
フリースを着込み・ツェルトに横になる・・・
何十年目にして新発見である・・・・雪の上なので当然ヒンヤリ感は有るが、
水分が滲みて来ないのだ!!!!  防水効果が有るとは知らなかった・・・
これなら雨も防げるなぁ~ と、思った次第。
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中で、ゴロンの図。
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来るのは大変だが、今日も北面は素晴らしい~~
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約束の2時に塚〇氏が戻り、藪漕ぎ開始地点へスキー滑走。
七高山側壁からの落石が、雪面一帯に落ちてる、板で踏まない様にコース取り・・・
2時半から藪漕ぎ開始・・・2時間で戻れると思ったが・・・
雪渓の繋がった処を選んだ為に、最後〝大藪漕ぎ・木登り〟をする羽目に・・・
結局、2時間半掛かり、ヘロヘロで5時に駐車場に戻る・・・
右足小指の骨が出てる処が、靴に当たって痛い・・・
即、缶Bは言うまでもなし・・・疲れて早めの就寝。


21日
4時半起床、先ずはモーニング珈琲。
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梅○氏が後一時間で到着との電話・・・バタバタと準備し、3人バラバラに出発。
今日もいい天気だ~~ノーマルルートで七高山に向かう・・・
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毎年同じ処に亀裂が・・・
数年前に落ちたボーダーが亡くなる事故が有ったのだ・・・
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ここにも・・・ガスってる時には危険だ・・・
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ここで一息入れる・・・右足の小指の付根の骨が痛い!!!
とても我慢出来ず、この先で戦線離脱・・・
昨日の〝大藪漕ぎ・木登り〟で悪化したらしい・・・
もっとシェル出しして貰わなくては・・・
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2時前に皆が戻り、解散・・・200キロ走り我が家へ。
4日振りの風呂は気持ちがいい~ 洗濯も済ませ、ブログ記載した次第。
これで鳥海を終わろうと・・思ったが晴れが続く日が有れば・・・又・・・?


今回、スキー登山は敗退だが、天候に恵まれ北面を、
3年振りに登れたのは最大の成果でした。


余談
七高山山頂に、こんな石碑が建立されている。
秋田の鳥海山麓に在る温泉宿の親爺が建てた物、建立者名も刻彫されている。
東日本大震災・原発事故と鳥海は何の関係も無いのだ。
山頂神社・山形県・環境省の許可済みと言うが、発想がかなりズレテないか?
これをソリに載せて・大勢で引揚げるのを山頂から見たが・・・
21日に第5回目の記念登山が実施された・・・
受付を見てると、日帰りも居たが、前日宿に宿泊し送迎バスで登山口往復者多し。
これでは、営業行為の一環と思われても仕方がないのでは・・・
実に鳥海山には不釣合いの工作物だ。

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