万死一生=必死の覚悟を決めること。
又は、ほとんど死を避けがたい危険な瀬戸際で、かろうじて助かること。

遭難事故でした・・・でも、自力下山・・・
こんな体験をしてから、一週間が経とうとしています・・・・
恥かしい話なので、ブログに残そうかと・・・迷いましたが・・・
都合の悪い事に蓋では、進歩・前進がないと思い・・・
気持ちの整理が付いたので記述します。


6月23.24日鳥海山に行って来ました。

6月23日
日本海に沈む夕日。
霞で水平線がはっきりしませんが、翌日は晴れ予報です。 象潟口・鉾立駐車場から
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同時刻の山頂、薄っすら夕日を浴びて染まってます。
            七高山↓ 新山↓   ↓荒神ヶ岳   ↓外輪山
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日本海に沈む落日
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鉾立には、県営の山小屋〝鉾立山荘〟が有り、3人の管理人が24時間交代で常駐。
知り合いが居たら・・と思い寄ったが、知らぬ管理人・・・
後で聞いたら2年前から居たと言うが、偶々当番日に当たらなかったらしい・・
愛想も良くないので、車中泊で一人宴会・・・

山友から、明日は往くからとのメール受信。


6月24日
日本海方向に〝滝雲〟出現、通常稜線の左右どちらかに現れる雲ですが・・・
見ると、雲の縁が手前に流れ降ってます・・・          
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日はまだ稲倉岳の裏に有り、奈曽渓谷は眠りについてます・・・
この渓谷一帯は〝熊〟の餌場、根曲がり竹が今頃の主食です。
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奈曽渓谷に日が差し始め・・・中央に〝白糸の滝〟
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尾根伝いに登って往くと・・・〝少女袴〟や〝葵〟が咲いてます。
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ウロコ板を担いで1時間登ると、〝賽の河原〟雪渓の下部が見えて来ました・・・
雪渓からは、ウロコ板を履いて登ります。
シールは水分を吸って重くなるので、この時期はウロコ板が有利です。
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ザックを降ろし、板を履く準備をしてると・・・
山荘管理人の知り合い、須〇氏が登って来たではないですか・・・
「おやっ?」「あれーっ!」と言う事で暫し談笑、5月中旬以来です。
雪渓上の標識旗の点検に来たとか・・・

〝賽の河原〟中心、中央の雪渓にブルーシートで覆われた標柱の頭だけ見えてます。
この標柱は1.5m程の長さですから、積雪の厚みも其れ位有るかと・・・
板・ストック・ザックが写ってます。             
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賽の河原で、山友に電話すると、車で2合目辺りとの事・・・
足が速いので、1時間少しすれば着くはず・・・ここで待つ事に。
200m位の雪渓が有り、雨流れの縦溝も無く快適、
登っては滑りの繰り返しをしてると、到着。

賽の河原の上の〝河原宿〟からの鳥海山。
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河原宿と笙ヶ岳のコルからの鳥海、手前のコンモリは鍋森。
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笙ヶ岳東斜面、今日滑りに来た斜面です・・    笙ヶ岳2峰↓  ↓3峰
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3峰からの鳥海 文殊岳西斜面に〝花〟形雪渓が・・・読めますか?
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3峰直下の雪渓で一休みして、滑走の準備・・・
ここで事故れば、ヘリで酒田(山形県)の病院に搬送される・・・などと話して・・・
標高差200m・滑走距離約250m。結構急斜面・・・

笙ヶ岳                1峰↓      2峰↓
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シールに改造クトーで登って来る山友。
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笙ヶ岳東斜面には、画像の様に雪庇の痕跡がまだ残ってました・・・
雪庇跡の辺りから滑り降りようとした時、
落差2~3mの処でバランスを崩して、転倒!!!!
何と・・・下の露岩に向かって落ちて往く・・・・
必死で向きを変えようとしても、落下速度が速く万事休す・・・
愈々露岩に当たると・・・頭を起こし(ヘルメットを被ってたが)、ドーンと・・・
2.3回バウンドし、露岩の上を通過・・・・露岩下の雪渓に板が刺さり停止。
一瞬、スキー板が折れたのかと思った・・・テールが刺さり逆さ吊り状態。

露岩に当たった衝撃で、板の金具は両側とも解放されで、
流れ止めで繋がってましたが・・・全身激痛で動けず、10分位はそのまま・・・
雪が滲みて来るのが判っても動けず・・・

暫くして、腰が痛く動けないが、流れ止めを外し、板が下に流れない様に確保。
立ち上がるが腰に力が入らず、露岩に座り込み・・・
手足は痛みが有るものの、折れては無い様子・右肩甲骨の辺りが痛いが手も動く。

板を背負い直登は無理なので、右手の草付きに向かってトラバース・・・
これが大変でした・・・キックステップで足場を切るのに片手は背負った板、
片手でストック2本を支えにして・・・30m程トラバースして草付きへ・・・
足場が崩れれば、150mは楽に流されますから・・・

                        必死で辿り着いた草付きからの画像
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草付きでかなり休んで、全身打ち身で痛いものの、骨は大丈夫そう・・・

この斜面を板を肩に背負って登るのには、不安が有ります・・・
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空身で登り、上に置いてたザックを回収して、
再び草付きに戻って、板をザックにA字にセットし登り返しです・・・
ピッケル1本有れば、楽に登れる斜面ですが、
ストックを刺し、一歩毎に何回も蹴り込みをして、
キックステップでの足場を確保しながらの登りは、苦痛でした・・・

何とか稜線に戻り、帰路の河原宿から賽の河原下部までの雪渓を滑走・・・
全身打ち身に板背負っての降りは、一歩毎にズギン・ズギン。
尾根筋を1時間歩いて、鉾立山荘へ・・・管理人のS氏に冷たいお茶ゴチに。

180キロ・3時間半掛けて帰宅。運転中は案外痛みを感ぜず・・・

帰宅したら、土日で孫軍団が・・・娘が勤務のついでに連れて来てたのです。
風呂に入ろうとしたら、長男も入ると言う・・・「ジジ、背中 血・・・」
「孝チン、婆とママには内緒だよ」「OK」で話は付いた。

寝ようとしたが、腰がモッコリ腫れ上がり痛くて、上向きでは寝れない・・・
階下に下りて、妻からシップ薬を貰う、「どーしたの?」 「転んで腰打ったの・・・」
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この大判シップ薬は、強烈に効きます。
夜に腰に二枚貼って寝たら、翌朝あの腫れが引いてました。
翌 日曜日の朝、孫が「ジジ 散歩に往きたい」と言う・・・
断わる訳にもいかず、2キロほどゆっくり散歩したが苦痛では無かった。
三日貼って痛みも和らいだし、皮膚が弱いのか発疹が出るので止めましたが・・・


さて、当日に着てた物。
山ズボンは、ポーランド・ミロ社製、スリム・ストレッチタイプの厚手。
山ズボンは、スリ傷さえ付きませんでした。

上着はモンベルの長袖に、ゴールデンベァー半袖を重ね着してました。
露岩に背中が当たり・・・・大穴・小穴が・・・
                        ゴールデンベァー・半袖ポロ
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モンベル・長袖Tシャツ
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どちらも娘からの、父の日・誕生日の貰い物です。
何気なしに、これを着てました・・・
命拾いしたのも娘のお陰かと・・捨てられずに・・・繕う事に・・・
家人の留守中に裂け目を縫い、100均でカギ裂き補修用のシートを買い、
裏からアイロンで圧着しました・・・
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縫い目に沿って、鋏みでコブの部分をカット・・・
山で着る分には、自己満足の仕上がりです・・・大事に着るつもり・・・
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その後汚れ落し専用の固形石鹸で手洗いしたら、土汚れも綺麗に落ちて一安堵です。

29日現在の症状
右肩甲骨・右膝下・擦り傷、両肘・腰から臀部に掛けて青タン。
右臀部から太腿裏は紫色に変色・・押しても痛み無し・・・
序々に回復してます。


総括

身の程知らずが、招いた結果。
打ち所が悪かったら、骨折・最悪は死・・・
歳相応の行動をしなくては・・・と、思った次第です。


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2018年7月14日追記

コメ欄で湿布薬について、医療関係者からご指摘が有りました。 
湿布薬 モーリス・テープは、個人差に因り副作用が有るそうです。
使用の際は下記を参考に↓