海彦・山彦の白秋日記

Ombigaichan 6340m ヒマラヤ襞が綺麗な双耳峰。 この頃はまだ未踏峰だったが・・・今は誰か登ったか?

カテゴリ: 田代岳 (山スキー登山・ルート開拓)

地元の田代岳1177.9mへ、スキー登山。
 
ここ数日、降雪も無く穏やかな天気です。
山の雪は、絞まってるはず~ 朝飯喰って、9時半に出発。
10時半に登り口に到着、準備し11時スタート、予定のコースは
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左側の杉造林帯を 登り、ブナの尾根に上がり、
尾根通しに湿地帯を目指します。
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1.2日前のスキー・シユー跡が・・・
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 団体が登り降りした様子・・・


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この尾根は、風裏(東側)の為にいつも穏やか。
秋にブナの実が不作だったのか、熊棚は一箇所見たのみ・・・
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高層湿原に出ると、山頂ドームが・・・西風が寒いし、晴れ間も消えた・・ 
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眼下に、三菱重工のロケットエンジン燃焼実験場が・・・
ここで、H2ロケットの燃焼試験をしてます。
燃料を運ぶ大型タンクローリーが、冬場でも登って来れる様に除雪完備。
三菱のお陰で、田代岳は冬でも日帰り登山が出来ます。
実験場がない頃は、最後の集落から2日も掛かって登山口へ・・・ 
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山頂、まだ鳥居は通れるが間も無く×・・・1時着。
神社の戸を開けると閉めるのが面倒(雪が噛んで)、
外でシールを外し、即・滑走・・・ガタガタのシュカブラが・・・
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例年同じ処に雪庇が・・・いつもより小さい感じ・・・
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真ん円 珍しい~
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ここから核心部の降りが標高差150mほど、知人のT氏はダイレクトに降りて行くが・・・
立ち木に当ると死ぬ!!
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車に到着、2時丁度。
道具を積み込みしてたら、ローリーが降りていった。
ダブルタイヤにチェーン装着、暖気で緩んだ山道がグサグサに・・・
車輪幅が合わず苦戦!!!
 
田代岳は標高も低く、天気も比較的安定、マイナーな山だが最近人気。
今日は、誰もいなく気分良し~

2月7日
前日の夜に、明日の天気予報を聞きながら、
秋田駒の下見(雪庇の状態)に往くか迷ったが・・・起床も遅かったので、近場の田代岳へ。
9時に家を出て、登山口10時着、登り始めが10時半。
土曜なので車5台停まってました。
大広手登山口の右尾根・左尾根共にトレイルがはっきりと付いてます。

前回は、左尾根を登り、ダイレクト尾根を滑ったので、
今回は、右尾根を登り、左尾根を滑る予定。
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春の陽射しが心地いい・・・
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途中 熊棚発見 一本のブナに3箇所。
ブナは、50年位経たないと実を付けないと言う。
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この直径2mも有る雪球は、いつまで持ち応えられるか???
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樹林帯を抜け、9合目の高層湿原に出ると、
山頂ドームは雲の中で視界利かず。
風も冷たく、ファスナー全開を締め山頂神社へ12時半到着。
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神社内には、 田代白髭大神 が祭られています。
田代岳裾野の集落で、田植えが終わった頃に、
この神社で半夏生の祭事が行われるので、
農業の神かと・・・思うが・・・
大館市の小正月行事 あめっこ市 に、
この白髭大神があめっこ(飴)を買いに、
山から下りて来ると言う不思議・・・

4畳半のスペースが板張りで、皆さんそこで昼食。
秋田市の男女グループ・鷹巣山岳会2名。

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一足先に出たグループが高層湿原横断中、左尾根に向ってます。
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高層湿原で、山頂ドームを振り返る。
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いつも停まって眺める滝 普段の水量は見たこと無いが、冬はこの程度・・・
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橋の上から 川幅全部の滝 溜まりに岩魚が居そう・・・
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山瀬ダム湖がまだ凍結してます・・・奥に田代岳が・・・


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帰り掛けに寄り道して、
ディナフィットTLTビンのヒール部を移動取り付けして貰った。
開放値も再設定して1080円は安過ぎないか・・・
次回の山行は、1キロも軽くなったTLTビンで!!!

土曜・日曜と、吹雪・降雪が激しかったが・・・
今日は、曇り一時晴れ予報、低い山なら・・と思い田代岳に。
最近調達した、ディナフィット・TLTラディカルSTの試運転の意味も・・・
大広手口迄の山道は、ダム湖を過ぎると大型ブルで除雪中です。
山道は前回以上に上下にうねり、波乗りロードと化してます~

取り付き点を、大広手口の先に有るカーブからと予定してたが、
何と背丈以上の雪壁で、とても這い上がれない・・・ここ数年にない積雪量。
戻って、定位置に車を止め、夏道から右尾根に取り付きます。
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振り返って、左尾根。
TLTは、軽くて金具の重さを感じません。
爪先左右で固定されてるだけなので、板を引き摺ってる感じ。
方向転換すると、ジルブレッタ404の様なリターン機能が無いので、やや不満。
軽量化の為にそんな機能が無いのは知ってたが・・・
ブレーキ機能を止めて、リターン機能の方が使い勝手は良いと思う。

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夏道には、昨日登ったトレイルが・・・ストックの跡からして、2人か?
登行モード、一段・二段も試しながらゆっくり登り・・・
やがて、ヘアピンカーブで右尾根に合流です。
尾根に上がると、北からの風でブナ林が轟々と・・・
頭上から爆弾が、バサッ、バサッと落下・・・当ったら首折れるかも・・・

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熊棚の処まで来ましたが・・・爆弾が怖くてここで退散を決意!!

TLTを解除しジールを外して、滑走モードで踏み込んで見るが、
上手く往かず・・・爪先の穴に雪が噛み、手袋で掃って成功。若干のコツが必要か?
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途中の雪玉。
帰る途中もまだ除雪してました~ 大型2台で・・・有り難い事です。
三菱重工ロケットエンジン燃焼試験場のお陰です。
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マシュマロ渓谷の様子。

今日は、TLT金具の試運転に満足。誰も居ず貸切の田代にも満足。
ラジオで、国会代表質疑を聴きながら降りて来たが、
岡田の久し振に迫力ある質問に、答える安倍の軟弱さを感じた・・・・

2月26日
今日の夕方から天気が崩れる予報。
ここ2.3日は春らしい日なので、崩れる前にヒト滑りと思い、田代岳へ。
山瀬ダム湖の橋から田代岳がはっきり見える、南面には亀裂が・・・
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家を出たのが9時で大広手口着が10時です。
山道の約半分は地面が露出し、ガタガタ道・・・
準備をし10時15分スタート。
TLT+兼用靴で夏道の杉林を抜けた処から、
右尾根に伸びる枝尾根を登る。
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急なので、ジグ登り。
右尾根に出ました・・・
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雪玉はまだ落ちてません・・・しかし、爆弾跡はあちこちに・・・
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林越しに、山頂ドームが見えます。
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まもなく、9合目の湿原ですが・・・雨が流れた跡の縦溝が・・・
嫌な予感・・・・
岩木山がいい感じ。ブナ林の中は風も無く、日差しが強く、
ツナギウエァの上半身を脱ぎ両袖を縛る。汗掻かないようにゆっくり・・・
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ガリガリの縦溝に、薄く粉雪が・・・・登りは良いが滑走が・・・心配。
湿原に出ると、西風が強く体が冷えるので、
ツナギ上を着込み毛の帽子を冠る。
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山頂に着きました、12時。 1時間45分も掛かってしまいました・・・

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ここの神社の中で、おにぎり1個・どら焼き1個。
30分休んで、シールを外し、12時半に滑走スタートです。
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ドーム下の湿原に何とか滑り込めました~
ガタガタの縦溝・・・一番好きなパターンです・・・汗・汗
スキーの跡すら付かない・・・転ばずに良かった~~
左尾根を滑って帰るつもりでいたが、
痩せ尾根は風当りも強く、ガリガリが予想されるので、往路を忠実に・・・
後は、ブナ林間を好きな様に滑って、大広手口着が1時15分でした。
これから暫くの間は、どの山もガタガタ縦溝に悩まされるか・・・・

冬期田代岳の新ルート模索中です。

冬期の田代岳へのルートは、一般的に黄色青色のルートが使われてます。

黄色ルート 大広手からロケット実験場への道路を進み、
      金堀沢の標識が付いたカーブミラーの処から尾根に取り付きます。
      尾根筋を登って往くと右手に実験場が望まれます。
      左手の杉林が終わった地点から、約90度進路を南に取ると、
      ブナ林の広い尾根が続きます。
      高層湿原手前からは、岳樺の植生に変り、
      湿原に出ると山頂ドームが目に入ります。
      このルートは林の中を進むので、湿原に出るまでは風の影響なし。

青色ルート 大広手から左に見える杉林を抜け、尾根に出ます。
      忠実に尾根を登ると、湿原に出ます。
      スキーでの降りは、最後の杉林を避け、尾根筋を滑り込むと、
      道路に出れますが背丈程の落差の雪壁有り。

緑色ルート 大広手から沢筋を登り、杉林を抜けるとブナ林に変ります。
(直登ルート)左右共に視界が効かず、急斜面をジグ切って登ります。
      中間地点の750~900mの間は、
      スキーの場合、斜度も有り浮遊感の味わえるルート。
                  樹林の密度が濃く、日差しが当らないので、常に新雪が味わえます。
      シューやカンジキでは、雪が深過ぎてお勧め出来ません。      
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模索中のルートは

赤色ルート 高層湿原から東に伸びるヤセ尾根が、青色ルートから見えます。
      ここを冬期に登り降りした、と言う話は聞いた事が有りません・・・
      地図上には、崩壊マークが記されてますが・・・
      スキーで通過出来るのか?
      900m付近から下は、スキー登行・滑走が可能のようです。
      
冬期の課題に・・・と、思ってます。
選択肢としては、①隣の青色ルートから登り、
         板を背負って900m地点迄降り、滑り込む。
        ②626mピークの右から取り付き、
         900m付近まではシール登行、板をデポして、
         カンジキを使い高層湿原を目指す。

②が、正統派の様な気がしますが、冬までの間 じっくり考えたいと思います。



      

      

前回〔冬期・田代岳新ルート模索中〕の記載をしましたが・・・
このルートの記録が無いものかと、田代岳を検索中に、意外な記述を発見しました。

1965年(昭和40年)12月1日発行 あきた(通巻43号・全64ページ) の中に、
2ページにわたり「ふるさとの山」と題して田代岳が紹介されてました。
筆者は、田代町役場広報係 石川良一氏です。

氏の紹介文の冒頭に、
田代岳は、鳥海火山脈に属するトロイデ型(釣鐘型)の休火山である。と、記述。
九合目の高層湿原に、山小屋設置の計画が有るとも記述してます。
更に、高層湿原の名称を 神の田 と記述してます。


休火山?これには、驚きました・・・
山容からしても、確かに山頂はドーム状ですが・・
火山の件は、後に記します。

登山コースの紹介と概念図が有りました。
当時、利用されてたのが、
①大野口(薄市沢) ②荒沢口 ③板沢口 ④マンタ平口 の4コースです。
(現在一番利用されている、大広手口コースの記述が有りません。
昭和40年頃は、まだ大広手からの道は無かったものと思われます。)

①薄市沢までは、当時から林道が有ったらしく、
大野部落から木材運搬のトラックに便乗して、3合目の登山口に至る。と記述。

②④コースについては、越山部落から大淵岱部落(現在は山瀬ダム湖に埋没)まで歩き、そこから旧森林軌道跡(トロッコ道)を歩き登山口に至る。と記述。

③コースについては、大淵岱部落の手前から、板沢林道に入る。と記述。

(各コースの詳細ですが・・・薄市沢・荒沢コースは、現存してるので割愛しますが、板沢・マンタ平コースは、現在廃道と為ってます。)

〔板沢コース〕の紹介文
大淵岱部落の手前から板沢林道に入る。
途中左に平滝開拓を見ながら赤倉鉱山跡を通り、稜線に出る。
ここでマンタ平口からの道と合流し、展望がきき楽しめるコースである。

〔マンタ平コース〕の紹介文
大淵岱から割沢まで旧森林軌道跡を通り、ここからマンタ平を通って、
標高880mの稜線に出る。
ここで板沢口からの道と合流し、
展望のきく稜線づたいに登ると左下に赤倉鉱山(廃山)の赤い地肌が、
栄えた昔の面影もなく見える。
鉱山の赤土が見えなくなる頃から、急な痩尾根となり最大難所にかかる。
この難所を30分辛抱すれば、急に眼前がひらけて、九合目湿原である。
このコースは、山頂からマンタ平までスキーツアーコースとしても楽しめる。

(昭和40年代に既にスキーコースとして使われてたようです。今回の新ルート模索では、地形図の1006mピーク下の1000mから派生する2本の尾根を登・下降路の対象として考えています。)

板沢からのコースを現在の地形図で見ると、
板沢から標高650mまでは実線で表記されてますが、
その先880mでマンタ平からのコースと合流する道の表記が有りません。
鉱山跡の表記もなく、そこと思われる地点一帯には崩壊マークが表記されてます。

マンタ平からのコースは、現在の地形図に破線で表記されてます。
割沢とは、マンタ平と思われる緩斜面一帯の西側の沢と思います。
しかし、ネット検索中に見た九合目分岐点標柱画像には、
マンタ岱→廃道 と有ります。
(実は無雪期に田代岳に登った事が無いので、この標柱の存在は知りませんでした。)
マンタ平でなく、マンタ岱との表記。
標柱の設置者は、田代ライオンズクラブ。
昭和40年以降に大広手コースが出来てから、
利用されず廃道に為ったものと思われます。

マンタ平コースを赤色で、板沢コースを黒色で、作図してみました。
板沢コースの点線部分は、標高880mでマンタ平コースと合流と記述されてたので、
想像で880mに至る様に作図しました。
火山だった頃の噴火口・爆裂口も入れてみました・・・
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赤倉鉱山は、図中の赤倉爆裂口(赤破線丸内)の板沢コース上の、
何処かに有ったと思われます。


赤倉鉱山については、 
閉山となった鉱山 越山地域まちづくり協議会 が記述した資料を見つけましたので、
以下添付します。

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上記の資料によると、昭和初期にはここで300人超が暮らし、
小学校の分校も有ったようです。



次の話に進みます・・・・

田代岳 火山説について

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 火山研究部門の研究データの中に、
第四紀火山 に関した資料が有りました。
第四紀火山とは、180万年から現在迄に出来た火山を指すそうで・・・
田代岳は60万年前以降に出来た火山だそうです。

この第四紀火山の一番古い山が、何と槍ヶ岳・穂高連峰と剣岳とか・・・
180万年から170万年前に形成され、その後山体の大半は侵食で失われ、
現在の見えてる部分は火山の芯の部分だそうです。

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この図が、第四紀火山の表示ですが、
東北地方の火山は、Dの何番という管理のようです。
この番号毎に詳細なデータが記載されています。
因みに、田代岳はD16と表示されてます。


・・・・・・・・・・

ちょっと一息、近辺の山の古い順

八幡平火山群 D22   120万年前以降に形成

南八甲田火山群 D09  110万年前~30万年前に形成

森吉山 D25   110万年前~70万年前に形成

月山 D49   90万年前~30万年前に形成

岩手山 D31   70万年前以降に形成

岩木山 D15   65万年前以降に形成

鳥海山 D39   60万年前以降に形成 1801年享和ヶ岳(現・新山)誕生

北八甲田火山群 D10   40万年前以降に形成

秋田駒ヶ岳 D29   10万年前より新しい



侵食されて、なだらかな山容の山が、古い時代からの山のようです。
鳥海・新山ドームは江戸時代に当時の年号から、享和ヶ岳と呼ばれていたようです。


・・・・・・・・・・


日本火山学会の研究論文中に、秋田県北部田代岳の地質 と題した、
秋田大学・鉱山学部(現 国際資源学部)の阿部泰久・山元正継氏の論文を見付けました。1988年発表の論文です。
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専門用語でよく判りませんが、左下の図で、田代岳が形成された様子が判ります。
要約すると、形成過程が3つのステージに分かれてます。

ステージⅠ 水中で火山活動開始→湖成層堆積→湖水減少
ステージⅡ 主要山体形成期
ステージⅢ 中央火口溶岩噴出→マンタ平側噴火→田代岳溶岩円頂丘→赤倉爆裂
                       ↓         ↓
                       溶岩円頂丘崩壊  硫気活動
         ↓           
                       北部岩屑流

当時(60万年前以降)田代岳の辺りは、湖だったようです。
関係ないのかも知れませんが、
田代岳から南西に25キロ程離れた北秋田市・前山地区を通る国道7号の旧前山トンネル付近に、二枚貝の化石が沢山含まれた層が有ります。
田代も湖底だったとしても不思議では有りません・・・

この論文には、地図が無いので、ステージⅢを時系列で想像するに・・・

中央火口溶岩噴出・・・中央火口とは、現在の高層湿原がその場所ではないのか?
                                爆発ではないので、現在の地形図に崩壊記号がない・・
           火口壁の侵食で、土砂が火口を埋め現在の湿原が出来た・・

マンタ平側噴火・・・・九合目湿原の東側に、ほぼ円形の崩壊地形が地形図に有り。
           この崩壊場所が噴火口跡と思われる。

溶岩円頂丘・・・・・・現在の山頂ドームを指す。
           しかし、地形図では北部に崩壊を示すものは無い・・・

赤倉爆裂・硫気活動・・赤倉沢上部に、やや丸い崩壊跡が有り、これが爆裂跡。
                                硫気活動で硫黄が溜まり、後に赤倉鉱山として採掘された。
            
       
田代岳について、暇暇に調べた資料を、一纏めにしました。
60万年前の誕生から、昭和40年代の様子、中々面白い歴史?の山と思いました。
役場の石川氏の田代岳紹介文の中に、白髭大神の記載も有りましたが、
省略いたします。











1月23日(土)
田代岳の新ルートを偵察して来ました。
新ルートと言っても、昭和40年代に山スキーでの登下降で使われてたルートです。
登山道も地形図には記載されてますが、今は廃道で使われてません。
詳細は下記↓を参照


最大の寒波が来るとの予報ですが、今朝起きたら積雪が10cmほどで、
除雪後の朝食中に雲間から薄日が差す天気、予報を見ると曇り。
明日の日曜日が雪・曇りで気温も低くなりそうです。
往くなら今日だと思い、準備し9時に家を出ました・・・

登山口の大広手までの林道は、例年の如く除雪されてて快適。
途中2箇所で河川の護岸と路肩の工事中・・・


大広手着が9時40分で先行車が2台・10時出発、
今日は左尾根から沢を一本隔てた、南側に見える尾根の様子を偵察です。
幸いカンジキで1人登ったトレイルが有り、使わせて貰いました。
高層湿原まで、無駄の無い登り方で感心した次第。
湿原手前で単独青年が降りて来ました、聞けば山頂ドームの登りが腰まで抜かり、
山頂を諦めて降りて来たとの事。

偵察の様子ですが、青線が登った左尾根・赤線が降りに使った右尾根。
黒線の2本の支稜と1006mピークから高層湿原に至るルートを見て来ました。
左尾根から1キロほど離れており、ブナの立ち木が視界を遮りますが、
要所要所で斜面ギリギリまで近づいて眺めました。
時々雪雲が流れて来て見えなく為りますが何とか・・・


①の支稜
地形図でも分かる通り、傾斜が急でシールで直登は無理。
痩せてるので、ジグ切って登るにもコマメな方向転換が必要。
左尾根から見る限り雪庇は無し。

②の支稜
876mピークまでは、シールで快適に登れそう。
876mピークより上に、点発生の表層雪崩跡が有る。
876mピークから①支稜と交わる地点まで、北側に雪庇が続いている。

③の尾根
高層湿原直下が可也痩せているので注意。
1006mピークからほぼ全面北側に雪庇有り。

上手く撮れてないが参考まで




今回の偵察で、天気もですが強烈な寒さでデジカメの具合が悪く(電池弱りか?)
撮りたい処で撮れなかったのが大反省です。
積雪が馴染んだ頃に、再度山行します。

今日の田代岳は、新雪が深く膝まで埋まる箇所が多かった。
まだブッシュが埋まり切れておらず、スキー滑走の面白みは半減。

高層湿原に出ると、西風が強く地吹雪状態で、思わずフードを被ったが、
山頂ドームに2人取り付いてたので、よし と思い山頂神社を目指しました。
鷹巣のF氏で、夏道沿いに来たとの事、
降りは彼等のトレイルに片足掛けて滑り降りました。
トレイルを外れると膝ラッセル状態で、小沢もまだ埋まってなく、
スキーが刺さる転倒2回、踵を固定しない方が前ノメリのショックが和らぐ感じ・・

熊棚
秋にブナの実を喰った跡が多数有りました。
最近では無かった事です。
春先にブナの花粉が異常に飛び、スキーが滑らない時期が有りました。
開花が多かった分、結実も良かったのでしょう~
熊は栄養が良いと2頭出産すると言います。
春は小熊に注意です・・・・
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今日の装備 ハガーン・ツァーカーブ163cm モヘア貼り流しシール
      ジルブレッタ404 重登山靴 リング径16cmの深雪用竹ストック


1月29日
2回目のルート偵察に往って来ました。

前回は、23日に大広手口の左尾根を登って、
南に見える支稜2本と廃道のマンタコース上半を目視して来ました。
23日の様子は、 田代岳 偵察山行 1回目 

今回は、前回寒すぎてデジカメが上手く作動せず、画像が撮れなかったので、
再度と思い電池交換して向かいました・・・
大広手口に着いて見ると、23日のトレイルが残ってます・・・降雪ほとんど無し。
人が入った様子も有りません。
約一週間降雪が無いのなら、雪も馴染んでると思い、本番で往ける処までと・・・

予定ルートの沢に掛かる橋のタモトに戻りました(約1キロ)。
橋の前後に除雪された、車が交差出来るスペースが有り、車を止めて準備。
図中の青線が、今日歩いたルートです。
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1/2.5万地形図には、沢筋に杣道が表記されてますが、雪の下で不明・・・
マンタコース同様廃道なのかも知れません・・・


地形図上の杣道は、林道の様な跡・・・橋の右手(左岸)に伸びてます・・・
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この林道跡を辿って往くと、立ち木に古い営林署の看板が縛って有りました。
いい感じで沢沿いに登って往くと、
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大規模な崩落地帯(約高さ50m・幅200m)が有り、沢床に降りなければ進めません。
沢筋は雪で埋まって無く、岩に雪が載ってるだけ・・・間に水面が見えます・・・
落ちたら大変です・・・沢を渡れそうな処を探して、引き返すことに・・・
雪が繋がってる処を見付けて対岸へ・・・
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杉の造林帯が出て来ました
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この杉造林帯は、下枝の手入れもされてなく、植林後は管理されてない様子。
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明らかに重機用の道と思いますが・・・林道が崩落により分断されたのでしょう。
直径40~50cmの杉林が続きます。


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緩斜面の杉林を抜けると、ブナの混合林が見えて来ます・・・
同時に序々に傾斜も増して。


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画像の奥に見えるのが、大広手からの左尾根です。


ブナの間をジグ切って登りますが、急だし・雪深しで仰角30°に弱音が・・・・
大広手からの直登尾根の核心部(約150m)と同じ?・・・視界が開けてる分良いか~
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左手に876mピークが見えるが、ここまで休憩無しで3時間半も歩いた・・・
立ち止まって、テルモスコーヒーと最中でカロリー補給。
板外すと底無しなので・・・一度休むと戦意喪失・・・時間も1時を廻った・・・
次回の目安に、今日の到達点にピンク・黄テープを長めにセット。


林越に、高層湿原の端が見える・・・あそこまで往くのが目標!!!!!
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シール装着のまま滑り降りる、沢渡りも有るし・・・
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身支度をして帰路へ・・・
本流沿いの橋の上下に、雪見大福がゴロゴロ~~
毎年この景色には癒されます。
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途中の滝
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ここの川床は一枚岩
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山瀬ダム湖の橋から 田代岳 湖面は結氷してます~
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反省
今日は、新ルートを目指したが、初めての事も有り、取り付きの沢筋で時間ロス。
最終到達点までは、ピンクテープを貼って来たので、次回はスムーズな行動が・・・
次回は、雪が締まってから、早出して1000mピーク辺りまで足を伸ばしたい!!!

今日の装備
23日同様だが、靴をガルモント軽量兼用靴に換えた、軽くて楽。





今季2回の偵察山行をしました。

1回目は、大広手口から左尾根を登りながら、2本の支稜の様子と、
960mピークから高層湿原に至る主稜の雪庇の様子。
1回目の様子は→田代岳 偵察山行 1回目 

2回目は、大広手口の手前に架かる橋から沢伝いに入り、
876mピーク手前まで登って見ました。
潅木帯で先の見通しが悪かったものの、アプローチルートとしては使えそうでした。
2回目の様子は→ 田代岳 偵察山行 2回目

3回目の予定としては、支稜を越えて地図上の1000mピークか1006mピーク迄、
ルートを延ばしたいと考えてます。
この支稜の末端には、五色滝が有るので、便宜上〝五色尾根〟と称します。
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五色尾根の876mピークから主稜の960mピーク間に、
鞍部が一箇所・鞍部からは北側に雪庇が発生しています。
その先の、1000mピーク・1006mピーク・1020mピーク間には顕著な鞍部が有り、
全て北側に雪庇が発生してます。

主稜の通過は雪庇を避けて、全て尾根筋より南側を通ることになるが、
①スキーを履いて何処まで往けるのか? 
 往ける処までスキーで登り、デポして帰路回収。
②尾根には潅木が生えてるが、雪に締まりの無いことが予想されるので、
 カンジキの持参。
③南側へ転落の危険性は? 
 6mm・45mのFixザイルと、10mm・20mのサブザイルを携行し、帰路回収。
 
久し振りにザイルを出し、キンク取りをしました・・・・
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こんな感じで晴れ間を見て、3回目の偵察山行を予定してます。




2月11日(建国記念日)

田代岳3回目の、偵察山行に往って来ました
過去2回の山行記録は、ブログ中に有り。

今回は、山スキーの達人、T氏が同行してくれるとの事です。
現地の橋で、9時に待ち合わせ。
7時45分頃に家を出ましたが、田代に向かう道路には、
大型タンクローリーと、その前にパトライト点灯の先導車が・・・
林道奥に在る、三菱重工ロケットエンジン燃焼実験場に、
液体燃料を納品するローリーです。
近い内に燃焼実験が有るのでしょう・・
ここでは、H2Aロケットの燃焼実験もしています。
この実験場のお陰で、田代岳の登山口までは除雪完備です。
山道に入る手前で、ローリーがチェーンを巻く為に停止。


8時半過ぎに登り口の橋に到着、準備してるとT氏も到着。
T氏の装備は、スカルパF1兼用靴にTLTビン。
小生は、重登山靴にジルブ404ビン。
尾根の先でスキーが使えず、カンジキを履く時に、登山靴が有利ゆえ

9時過ぎに沢を越えて、予定のルートへ・・・
2回目(1月29日)以降の積雪が脛辺りまで積もってます。
2回目に枝付けしたピンクテープが道標。
杉林を抜けると、876mピークへの急登が待ってます・・・



時間切れで戻った、800m地点(図中青ルート×)のピンク・黄テープ確認。
赤ラインは、今日の走破ライン 1030mピークまで。


先行するT氏



876mピークを過ぎ鞍部に降りると、960mピークの雪壁。
右のブナ目指して、切り返し斜登。


右手に、大広手口の左尾根が望めます・・・


960mピークを通過し、一旦鞍部に降り、1000mピークを目指します。
右手には雪庇が・・・尾根の狭い処も有り・・・



尾根左手の景色


上2枚をパノラマに。 尾根の左手(南側)の景色。


1000mピーク手前


1000mピークから、大広手口 左尾根を登る2.3人のパーティが見えた。
大声でコール、相手もコール、聴こえたが果たしてこっちが見えたか?
12日追記 何とコール返したパーティ5人組の中に知人が居ました。彼等の滑り↓
大声だして、恥ずかしい限り・・・・
それにしても、彼等の滑りはいつ見ても上手い~


1000mピークから、左手に見える1006mピークに向かう、
狭く両側が切れてる・・・1030mピークが正面に・・・


1006mピークから、南に伸びる尾根の雪庇。


1006mピーク


1006mピークから、鞍部越しに1030mピーク。


1030mピーク。


尾根が狭く、雪庇も有るので、手前で板を外し空身・壷足で・・・



12時半前に、1030mピークに立つ。約3時間の行程。
過去の作図で、このピークを1020mと表示してましたが、
GPSと1/2.5万地形図で1030mである事を確認。以後訂正します。


この先の鞍部に降り、後は急登のみ、板を背負ってカンジキで登れそう。
この先もザイルは必要が無い事も確認。
万一にと思い、20mと45mザイルを背負って来て大疲れ!!!



右手に見える雪原が、三菱ロケット実験場。
周囲数10キロに民家が無く、噴射音や大爆発をしても影響が少ない、
フナ伐採運搬の林道が利用出来る、等の理由でこの地が選ばれたとか。
旧田代町では、アスファルト廃材を再利用して、実験場まで簡易舗装をしました。


鞍部に降りて、標高差約150m登れば、高層湿原です。
1時間半程度で高層湿原に抜けれるだろうと結論。
しかし今日は時間切れ、装備を軽くして朝7時半頃に登り始めれば、
高層湿原から大広手 左尾根を滑走して、775mピークから左の大広手に降りる尾根ではなく、右の尾根筋に入れば車を置いた橋に降りられる。


高層湿原に繋がる、大広手口 左尾根。


帰路、960mピークまでガタガタの尾根筋・・・
よくスキー板で登って来たものだ・・・


車に戻ったのが2時20分、湿った深雪にスキーが取られ、
操作下手でガタガタ、疲労感マックスでした。



反省
今日は、1000mか1006mピークまで往ければ良しと考えてたのだが・・・
思いの他天気が良く、最終ピークまで登れて、先の見通しが経った。
次回の晴れ間を狙って、完登したいものです・・・・

最初の添付地図に、960mピークから高層湿原まで登山道の表示が有るが、
昭和40年頃以降は大広手からの登山道が新設され、以後廃道となった由。
1030mピークまで、古いテープ跡も無く、冬期登った者無しでは・・・
我々が初トレースなら嬉しい限りだが・・・


山瀬ダム湖からの田代岳(1月29日の画像転用)
図中の赤線が、今回走破したルート 青線が未踏部分。
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今日は、最強の達人 T氏に助けられた一日、ありがとう~

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