海彦・山彦の白秋日記

【森吉山・樹氷原残照】 この画像には、拘りが有る。大寒スキー登山で、避難小屋泊で撮ったもの。右後方からの落日が、山頂を照らしてる。手前左の青森ドド松。 撮影前は、夕日を浴びて、後方の樹氷と同化していた。徐々に夕日が下がると・・・先端だけが輝いた瞬間を撮った。

2021年12月

12月27日
Xmas寒波が、まだ続いてる・・・毎日が除雪。
妻は歳だから、除雪機を買ったら?と言うが、足腰・腕の運動を兼ねて、自力で!
これが結構疲れる・・・でも、毎年の恒例だ。雪と戯れているのが、嫌いではない。

庭木も雪の冠が重そうだ・・・そろそろ降ろして遣らないと、枝折れの心配が・・・
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Xmas以降に積もった雪は、股深までに・・・
幸い、敷地が広いので、雪捨場には困らない。菜園に近い場所の雪は、そこに押し出す。
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家前の雪は、スノーダンプで押して90°起こし、当座並べて置く。
これでも4.5台の駐車スペースが確保出来る。溜まったらブロックで菜園に運ぶ。
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車庫前も限界が来るまで溜めて置いて、絞まってから菜園に運ぶ。
雪は、撹拌されると絞まり、重いが量的に運べる。
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今日、八甲田酸ヶ湯では、2mを越えたし、八幡平1.5mに為ったらしい・・・
ブッシュも隠れて、山スキーのシーズンだが、家の除雪が優先で、足が向かない。
予報では、年内毎日が雪マーク。年明け三ヶ日は小康状態だが、箱根駅伝が有る・・・

夕方、冬休みに入った孫軍団が来襲。爺とスキーをすると、一式持って来た・・・
さて・・・明日は、どう為る事やら・・・

の続き

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予備日を含み、残りの行動日は、34日と為ったが(推測)、遅々として進まない。
今日の到達緯度が南緯83.235308°、極点までまだ751.55728kmも有る。
日割計算で1日当たり、22.1km進まないと無理だ・・・

ここから約150kmは、陸氷上を歩く事に為る。これが第一関門だ・・・
そして、ロス棚氷に降りて、1.2日後には、第二関門の“南極山脈”の横断に入る。
第一関門の通過に手間取る様では、
第二関門の山脈越えは覚束無い・・・



行動記録【第41報⇒第50報

黒字は、事務局に送った内容。赤字は、小生が強調した部分。青字は、小生の思い。

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2021年12月25日9:16(日本時間)/第41報

12/24 37日目 距離21km 高度90m
出し抜けに雪原に緑のフラッグ。ロス棚氷には"ハイウェイ"がある。勿論舗装路ではなく雪上車が沿岸のマクマード基地から南極点のアムンゼンスコット基地まで物資輸送の為にクレバスを埋めて作られたルートでロス棚氷を斜めに横断している。どこかでぶつかるとは思っていたが想定より北部だった。最近何か通った気配はないが、人間の匂いというものに懐かしさを感じる。これがサンタさんのプレゼントなのかもね。

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今日の到達点
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南進したら“南極道路”と交差する事は、予備知識として予想してたが、
こんなに手前に有ったとは・・・以外で驚きだ。
ここより150km位南進した、ロス棚氷の最深部辺りで、交差するものと予想してた。
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上図の赤線が、完成当時に公表された“南極道路”の位置。
ロス海沿岸の(米)マクマード基地から、極点に有る(米)アムンゼン・スコット基地に物資を運ぶ為に、造られた、1450kmの道路です。
遥か手前に“道”が有ったと言う事は、氷床の移動で維持管理が難しく為り、移設したのか?

マクマード基地の画像
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南極最大の基地・・・最早、地の果てや空白地帯でも、無く為ってしまったのか・・・
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輸送船が接岸出来る港や、物資保管の設備が整ってます。
千人以上の要員が居て、約200人が暮らす極点基地へ、物資を供給してるとか・・・

南極道路の様子
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トラクターや雪上車で橇を曳き、1450kmを40日掛けて、極点基地まで運ぶらしい。
ルート上には、極点まで400m毎に目印の旗が立てられ、道も維持管理されてるとか・・・
過去のバイクや自転車での極点到達記録は、この道路を使って達成されたと言う。

その“南極道路”に、ブチ当たったのだ!!! 
この旗に従って進めば、極点まで迷う事も、クレバスに落ちる心配も無い。

アムンゼン・ルートに沿って進めば、巨大な背丈程も有るシュカブラ(風紋)の、
“サスツルギ”帯(下画像)やクレバス帯に嵌り込み、橇が進まずに難儀するかも・・・
更に、氷河を登り、南極横断山脈も越えなければ・・・
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さて・・・明日から、どちらを選択して進むのか? 
速さ・楽さ・安全さでは南極道路だが、プロ冒険家としては・・・悩む処か?

これを通る事での云々は、ルートが決まった後日に・・・
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2021年12月26日7:02(日本時間)/第42報

12/25 38日目 距離18km 高度84m
サスツルギという強風で雪が削られて段差になった地形を歩いてる。高さは30cm程でしかないがソリで越えるにはやはり力がいる。見えてる分には良いが曇ると乱反射で全く見えなくなる。そうなると見えない小さな落とし穴と同じ。時に落ち派手に固雪に身体を打ちつける。足をくじいてもここでは大問題になる。曇りの日は一歩一歩見えない落とし穴を探し歩くので神経も体力もすり減る。

サスツルギ帯に入った様だが、今の処アムンゼン・ルートを南進してるのか?
南極道路に沿って進んでるのか? は、今日のGPS情報では判断出来ず。
2.3日歩けば、進む方向が判断出来るだろう・・・極点到達成否の分岐点に為るかも・・・

H30cmのシュカブラ越え、板を脱いで、ツボ足で歩いているのか・・・
板のエッジを効かせて歩く方が、楽に思われるが・・・日本の物とは、固さが違うのか?

到達緯度 南緯83.56° 極点まで残り715.5km 
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2021年12月27日8:33(日本時間)/第43報

12/26 39日目 距離24km 高度97m
晴れと曇りが交互に。曇りになるとサスツルギが見えなくなり急に速度が落ちる。雪面が固くなってきた。距離が伸びる。スキーポールのスノーバケットが破損、新品に交換する。よくぞここまで持ってくれた。ポールはSINANO様、石突は松本精機様の町工場のおやっさんの手造りのチタン。頼れる装備はマスト。

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プラリングの破損では無く、ストラップの縫い目がホツれた様だが、
縫い代が少ないのが原因。シナノの1760円の深雪用既製品だが、
石突を特注する位なら、ストラップを長目にして縫って貰い、
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更に補強の為に、カシメを打てば良かったのでは? 素人目に思う改良点だ・・・
画像のストックは、50年も昔に山スキーの主流だった“東京竹”製(トンキン竹)。
リングが15cm有り、深雪には絶対で有る。革が駄目に為り、ストラップで代替えして、
12.1月の新雪期に使用。今の既製品には、大口径のリングが無く、重宝してる。

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陸氷の上を初めて24Kmも進んだ。絞まった雪は抵抗が減り、橇を曳き易い様だ。
南極道路を曳いてるのか? アムンゼン・ルートをトレースしてるのか? 判断付かず。

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2021年12月28日8:45(日本時間)/第44報

12/27 40日目 距離19km 高度83m

今日も曇りでサスツルギが全く見えない。非常にストレス。一度、転んで正面から落ちあわてて受け身を取る。サスツルギで骨を折ってリタイヤする冒険家もいる。視界の悪い日は歩かないのがベストだが、そうもいかない。歩ける限り歩かないと。もう40日間。疲れているは当たり前。少しでも前に。
使った事は無いが、曇天用の凹凸が見えるゴーグルが有るはず・・・用意してない?

到達緯度 南緯83.91° 極点まで残り676.599km
残り日数が30日、1日当たり22.55km進まないと・・・ 

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※第41報で、南極道路に出会ったと言ってたが、その後どのルートを取るのかを見ていた。
27日現在、南極道路を選ばず、アムンゼン・ルートに沿って、南進してる様に見える。

このまま進んで、最後のロス棚氷を横切れば、南極横断山脈を登る事に為る。
アムンゼンは、山脈中の氷河に進路を求めて、3日掛けて56kmの氷河を登り切ったと言う。
氷河を抜けた地点は、南緯85.36°・標高3200m。アクセル・ハイバーグ氷河と命名。
先人は、犬達に橇を曳かせたが、100kg超えの橇を曳いて、3200mを何日で越えれるか?
今回の極点行きの最大の難所だ・・・

当初、今回の極点ルートを、下図の様に考えていた。
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BCから、白瀬が上陸した起点に飛び、棚氷末端から歩き始めるものだと・・・
しかし、何故か?白瀬が断念した“大和雪原”からの、スタートに為る。
クレバス帯を避ける為に西進し、まさかのアムンゼン・ルートに合流し、そのまま南進するとは・・図中の小生が勝手に予想したルートとは、大幅に狂った。
南極横断山脈越えは、ホーリック山脈とクイーンモード山脈の狭間が、楽で可能なルートの様に思え線を引いたが、そこに南極道路が通っていたとは・・・以外だった。
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2021年12月29日8:40(日本時間)/第45報

12/28 41日目 距離22km 高度95m
ようやく晴れた。地形がしっかり見えて歩きやすい。気分が良い。ただ日焼けがエゲツない。未来のお肌のシミが心配w。スキーのビンディングのネジに緩みを見つけフィールドでマス締め。遠征ではギアを見ながら修理しながら行く。ペンチ、針金、接着剤、エポキシパテなどを持ち様々なシーンに対応する。
75mm3ピン金具は、3箇所でのネジ止め。靴にも亀裂が入ったし、力が掛り過ぎだ・・・

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2021年12月30日8:39(日本時間)/第46報

12/29 42日目 距離23km 高度120m
39歳の誕生日。南極では2回目。ウイスキーの小瓶を開けてお祝いした(頂いたN先生感謝)。ちなみに南極では一切飲まないし、飲みたくもならない。去年は我が家でaiboと2人で、2年前は冬の北海道を独り歩き、3年前が南極(あれデジャヴ感w)。来年で40どこの旅の空にいるだろう。南極から帰ったら見るので"誕おめ!"か"抱いて!"のコメントでお祝いしてくれよな。"誕おめ、抱いて!"などの合わせ技もウェルカム、男女不問。コメントしない人はかかるよ、南極の呪いに。行っちゃうよ、南極に。
チャラけてる場合では無い、必死で歩け・橇を曳け!!! 悪天で停滞したら後が無い。
到達緯度 南緯84.31° 極点まで残り632km 1日当たり22.6km進まないと・・・

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2021年12月31日9:13(日本時間)/第47報

12/30 43日目 距離19km 高度108m
山脈が見えてきた。写真ではまだ確認しにくいだろうが。圧倒的迫力。山脈越えまで後60km程度。歩きながら早川徹也の白銀の夢という曲を聞いてた。前回の南極の応援ソングでキングレコードからCDが出てる。Spotifyにあるかな?まさに今の自分。徹也とはそれぞれの夢を目指し共に駆け抜けた。彼はいま活動を休止し、経営者として奮闘してる。熱い日々を共に過ごした。てっちゃん、君の歌は今もオレの心で鳴り響いてるぞ。

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>山脈越えまで後60km程度。正確には、南極山脈の基部までの距離。
今のペースでは、60km進むのに3日掛かるか?・・・下図の青線は、これからのルート。
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南極山脈の基部から、標高3200mの台地まで、延々と56kmの登りが始まる。

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2022年1月1日9:02(日本時間)/第48報

12/31 44日目 距離22km 高度109m
新年明けましておめでとうございます。2022年が皆さまにとって素晴らしい一年になる事を南極点より祈念しています。
明けてのいの一番ですが、やれる限りやってきましたが南極点に到達するのは極めて困難です。それを見誤るほど冒険においては愚かではありません。悪い条件が重なり過ぎました。既に満身創痍ですがタイムリミットまで一歩でも南極点に向けて前に進みます。 頭が良い人ならムダな努力はしない、と程よく切り上げるのかも。だがオレは諦め悪く最後まで精一杯走り抜きたい。
まだやってる、もう無理なんだから諦めて早々帰ればいいのに、という冷めた意見もあるかもしれない。ただ「阿部くん最後までガンバって」と言うあなたの想いは南極まで届いています。それに応えたいんだ。
何よりオレが最後までガンバりたい。白い大陸を許される限り歩く。実現に足掛け18年かけた夢。諦めの悪い人間には新たな可能性がある。誰に負けてもいい。大事なのは自分に負けない事、自分で自分を誇れるって事だ。重ねた努力がムダになる訳じゃない。オレは依然として阿部雅龍だ。
これから遠征の最大の難関。悪魔の舞踏場と言われるクレバスの多発地帯がある4000m級の山々が連なる南極横断山脈越えにかかる。単独で登りを越えたら世界初。そもそもこれだけを切り取っても大きな挑戦。これを達成したい。
そうだ、最後まで挑戦するのは、皆さんの気持ちに応えるため、そしてオレがオレであるために。

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到達緯度 南緯84.67° 極点まで残り592.163km 1日当たり22.7755kmだ。
“ガリュウ” 弱音を吐くな!  誰の為でも・記録の為でも無い、自身が納得出来る行動を
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2022年1月2日9:02(日本時間)/第49報

1/1 45日目 距離21km 高度102m
新年が明けたが変わらずに歩き出す。毎日、太陽に2礼2拍するが今日は更に気持ちを込めて。一口だけ残しておいたウイスキーを飲んでお屠蘇とする。歩いてると明らかに雪上車の道にまたぶつかる。明こらかに使用されてる。れが南極ハイウェイだろう。となると前回のはどこへ?繋がりそうな活きてる基地はなさそうだが。ベースキャンプとの定時交信で、休む事も大事だよ、身体の事も考えた方がいい。とソッとアドバイスくれたのが有難い。単独の遠征だがベースキャンプでは冒険家たちの遠征を陰で支える各分野のプロがいる。

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>歩いてると明らかに雪上車の道にまたぶつかる。明こらかに使用されてる。れが南極ハイウェイだろう。
第41報で、図入りで示した“南極道路”に再度遭遇。明らかに最近通ったキャタ跡だ。
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到達緯度 南緯84.86° 極点まで残り571km 

さぁ~どうする、時間切れが間近の状態で、これからが第二関門の正念場だ。
①このままアムンゼン・ルートを進んで、世界初の単独での南極山脈越えに挑むのか?
②多少遠回りだが、橇引きに楽なキャタ跡を進んで、極点を目指すのか?

①を選んた場合
3200mの氷床台地まで、56kmの氷河を登る事に為る。登れればアムンゼン以来の第2登。
クレバス通過が有るし、登り切るまでに万一何かが有っても、救援機が降りれない。
②を選んだ場合
氷床台地に上がる標高差2000mの斜面には、雪上車が登れる様に段々の道が造られ、
クレバスも埋められて安全が確保されている。救援機も、天候次第だが通常降りれる。
上手く素早く行動出来れば、極点到達も夢ではない!

>単独の遠征だがベースキャンプでは冒険家たちの遠征を陰で支える各分野のプロがいる。
山岳界では、BC・他からの支援が一切無いのを、単独と言う。
冒険界では、位置・天候他の情報の遣り取りが有っても、単独と言う不思議・・・

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2022年1月3日8:29(日本時間)/第50報

1/2 46日目 距離22km 高度148m
朝のアラームで起きれない事が増えてきた。疲労のせいか気付くと二度寝している。時計はベースキャンプの時間で動いてるがオレは通常朝5時に起き23時に寝る。単独行はやる事が実に多く睡眠時間の確保に必死だ。明日には山脈越えの取り付きまで行ける。壮大な景色が実に美しく、また恐ろしい。

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①を選択した様です。単に極点に到達したいのなら、少しは可能性が有る②を選ぶかも。
しかし、前回(’19年)補給を受けながらも、極点に到達してるので、
今回は
>南極横断山脈越えにかかる。単独で登りを越えたら世界初
を目指す事に・・・
期限が何日だか判らないが、期限内に山脈を越えて3200mの氷床台地に上がらないと、
迎えの飛行機が降りられない・・・60日としたら、まだ2週間有るから越えれるか?
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に続く



12月24日
恥ずかしい話だが今年の3月に、 した・・・
原因は、何度も通ってたルートでの、慣れと慢心だった。
これが有れば・・・と、前から思ってたが高価だ。
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幸い、ヤフオクで超安価で入手。旧モデルだが、ストックよりは増し。
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この冬は持参するが、シールが効かない固い処や、スリップが止めれない斜面には、
立ち入らない事が一番だ。

歩行を開始して、26日が経過した。
下図に因ると、総踏破距離が325.7km。南緯81.8°、標高52m地点に居る。
南極点が南緯90°なので、もう8.2°分の距離を歩かないと、到達出来ない。
どの位の距離だろうか? 
地球は自転の影響で、真ん丸では無く、少し膨らんでると言う・・・
計算が面倒なので、丸い前提でザックリ計算する。誤差は数10km程度だ。
地球の外周は約40000km、360°で割ると1°が111.1km相当。
8.2°✖111.1km=911.02kmと出る。更に900km以上歩かないと、着かない事に為る。
それに、南極点の標高が2830mなので、更に2778mも登らないと・・・

26日間で、1日平均12.5km歩いたので、更に911km歩くには、72.8日を要する計算だ。
本人はハッキリ言ってないが、残りの日程は40日を切ってると思う。
今後、今までの倍近い距離を、休養日無しで、日々歩き通せるのか?
在京事務局に送信してる、彼の行動記録を見る限り、悲壮感は無いが・・・
しかも、後半は長い・長い登り坂、食料・燃料の重さが、日毎に減ると言ってもだ・・・
この先の天候・クレバスの状況・体調、他人事ながら・・・同郷として心配に為る・・・
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日程・行程に関する疑問点
11月17日 BCで、
期間は59日になるかと、と言ってる。     
11月19日 歩行2日目で、
1日22km進まないと間に合わない、と言ってる。
              
現在まで、1日22km進んだ日は、1日も無しだ・・・遅れている事に為る。
11月24日 歩行7日目で、
まだ全体の日程の1/10、と言ってる。
     
17日に期間は59日と言う、予備日が11日?
12月  7日   歩行20日目で、
残り40日を歩き抜かないと。と言う。
     
全日程は60日?  
ハッキリしないが、59日+予備日11日で、70日を全日程と考える事にする。



行動記録【第31報⇒第40報
黒字は、事務局に送った内容。赤字は、小生が強調した部分。青字は、小生の思い。
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2021年12月15日8:07(日本時間)/第31報

12/14 27日目 距離10km 高度75m
今日も強風。何日間続くだろう。気温が高いので酷く寒くはないが横から強烈に吹くので重いソリが流される。スキーの轍をなぞればソリはスムースに進むが、常に左斜めに力強く引く感じでえらく疲れる。ペースが上がればまた新たなトラブルが、の繰り返しだが、また海路の日和も来るだろう。

10kmより進めないか・・・これでは、極点到達は無理だ。
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2021年12月16日8:58(日本時間)/第32報

12/15 28日目 距離15km 高度41m
風が少し増しになり速度が上がる。環境に本当に左右される。遠征も残り半分近くになったので食糧の残量を確認する。現在1日5500kcal摂取、最大1日6800kcalまで増やせるよう計算して持参。

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遠征も残り半分近くになったと言うが???
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まだ極点まで900kmも有るのに、半分近くに為ったと言う・・・不思議??? 
残り日数なら、毎日30kmは進まないと (上図 稼いだ距離
赤点、これからの距離青線)
>食料の残量を確認し、
1日5500kcalから6800kcalに増量する
食料が余るから、喰う量を増やすと言うのか? これも不思議だ。
まさか・・・時間切れで、極点に到達出来ないと判断してか・・・
南極山脈に入る前の、ロス棚氷上で拾って貰う計算か !
その方が、迎えに来るブッシュパイロットも楽だ・・・


添付画像を見て、驚いた!!!
 
チリのSM(Super-Market)で買った食料を、個別包装のまま南極に持ち込んだとは・・・
延べ何百個か知らぬが、包装袋の重さだけで、何kgに為る? それで橇が150kgか・・・
軽量化と言って、歯ブラシの柄にドリルで穴を空けてた、
自称プロ冒険家にしては、笑止!!!
喰った後の多量の空袋は、雪に埋めたか?
通常、長期の遠征登山や冬山登山では、出発前に食料を朝・昼・晩・非常食に別け、
直ぐに取り出せる様・一目で管理出来る様、1日分又は1人分を、1つの袋に入れて、
レージョンパックを作るのが常識。
冒険や探検も同じだろうに・・・個別包装は極力取って、軽量化を図る。
フライト前の天候待ちで、その時間は十二分に有った筈だ。

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2021年12月17日9:29(日本時間)/第33報

12/16 29日目 距離19km 高度57m
ソリがスタート時より30kgは軽くなってるはずなのでスキースキン(シール)を短いのに貼り替える。長いスキンは逆戻りしない抵抗だけでなく実は前に進むのも抵抗するのだ。荷重に合わせて変える。極地冒険の知恵。スキーの裏側にはデザインで「You never failed until quit trying」挑戦を止めない限り失敗はない。と書いてある。挑戦し続けるか、し続けないか、が大きな成果に繋がる。だからここにいる。

29日目で、初めての19km進んだ様子。シールの長短に付いては、第9報・第15報に記載。
>長いスキンは逆戻りしない抵抗だけでなく実は前に進むのも抵抗するのだ。
前に示した通り、あの様なぶつ切りシールは、明らかに抵抗が有る。
長いシールに、“シール専用WAX”を塗れば、少しは解消出来るのに・・・

極点までの直線距離は、残り約867kmだ・・・29日で荷が30kg軽くなると言う。
食料・燃料が1日1kg相当。70日分で70kg、橇荷の約半分が食料・燃料らしい。
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2021年12月18日8:08(日本時間)/第34報

12/17 30日目 距離20km 高度58m
遂に20km突破。悪条件重なりこの水準まで持ってくるの時間かかったなぁ。遠征折返しの良い励みになった。

最長の1日20kmを達成。このペースが持続出来れば良いのだが・・・
30日目で遠征折返しとは、日程を指すが、残りの距離は2倍も有る。この謎は???
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2021年12月19日5:53(日本時間)/第35報

12/18 31日目 距離13km 高度58m
強烈な向かい風。ゆうに秒速10m(時速36km)は超えている。前進に力を使って仕方ない。強風下では軽い物は飛ばされ重い物は地吹雪で埋まり見失う。これらは一瞬でおこる。うっかりした行動をとれば装備は消える。テント設営も必死だ。地吹雪を這いつくばりながらやる。天気に阻害される事が増えてきた。

向かい風が強いらしい・・・
ロス棚氷では、極点から吹く風が、南極山脈を越えて、
吹き降ろす風が強い事は、既に周知の事実だ・・・油断せずに、前進有るのみ!
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※今回、彼の冒険のお陰で、ロス棚氷から極点に至る現在の状況を、
調べ・色々知る事が出来た・・・机上で思いを巡らせ、夢空間を漂う。これも冒険だ!

人類未踏白瀬ルートによる南極点単独徒歩到達と言ってたのに、
クレバス帯を避けて、
必要以上に西に186km転進。アムンゼン・ルートに合流した。
何故、クレバス帯を避けた、極点側に着陸して、そこから南進しなかったのか? 
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今日で402.7kmを進んたが(上図)、極点はまだまだ遥か彼方だ・・・
遅々として進まないが、何故か? 彼の口から、悲愴感や
焦燥感が感じられ無い。
今流の冒険は、楽しむ事なのか? 
後、300km位進めば、答えが出るかも・・・
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2021年12月20日9:24(日本時間)/第36報

12/19 32日目 距離15km 高度65m

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一度起きて雪かきの為に外に出た。吹き溜まる雪でテントが押し潰される事があるからだ。昨日よりマシだが今日も強風。秒速8,9m位か。この風の強さ辺りから地吹雪がおこる。脚が重い。気だるい。それでも一歩一歩進んでいくのみ。向かい風に抗う1日。疲れた。
画像に立ってる黒い棒、目盛りが付いてる検尺棒の様だが、雪深を計ると同時に、
テント場周辺に刺して、ヒドンクレバスの有無を探る為の物だろう。
重厚に見えるが、BC用のゾンデ棒は、折畳み式で250g未満、用途が同じならこれだ。
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橇の前後には、向きを変える時に楽な様に、取手が付いてる・・・フムフム

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※橇の画像を見ながら・・・
テント・寝袋・炊飯具・1日分の食料他を下ろすと・・・積載されてる分は、
この先の食料・燃料他だろうと想像する。雪を融かす灯油は、何10L持参してるのか?
1日6000Kcalを摂取と言うが、どんな物を喰ってるのか?
過去のFBから、探して見ると・・・運賃が掛かるので、現地購入が殆どだ。
英国製フードレーション1袋で1000kcal。湯で戻すフリーズドライ式。朝晩用か?
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バター・チーズ類
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サラミ・ポテチ・チョコ・ナッツ類、昼の行動食か?
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日本から持ち込んだ、アマノフーズの味噌汁の素各種
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2ヶ月もこんな物を喰ってると、明らかに野菜不足に為る・・・
フードレーションには、其れ為りのバランスで、3要素が含まれてるだろうが・・・
乾燥野菜は、持って行かなかったのか・・・・湯で直ぐに戻るのに・・・

今は色々な乾燥野菜が売られてるが、半世紀前の山嶽部の頃は自作したものだ・・・
当時、市販されてたかも知れないが、有っても高価だったと思う。
夏・冬・春と、1ヵ月の山行合宿が3回有り、野菜が不足すると口唇に潰瘍が出来る者も・・
生野菜を背負って行っても、夏は直ぐに腐るし、春冬は凍るし・重いし・・・
海外遠征登山の練習を兼ねて、合宿前に部室で大量に自作。
食料担当の上級生の指示で、下級生が遣らされる・・・
人参・ほうれん草・ネギ・ヒーマン・大根等を、薄切り・小口切りにして、塩茹。
木枠が付いた金網に丁寧に並べて、校庭で天日干しをする。当然見張り番も・・・
数日でカラカラに乾くと、一纏めにして混ぜてから、合宿日数分に小分けする。
山では、一袋を朝晩の味噌汁や塩汁に、包丁要らずで即喰える。

“ペミカン”為る物も作らされた・・・
安いマトン・鶏肉を小切れにして、ラードと大量の塩・胡椒で炒める。
これも小分けして持参し、汁にブッ込む。
食当の1年生は、脂ギラギラのメンツを、クレンザーと束子を使い、冷たい沢水で洗う。
今は、こんな事をしてる山嶽部は無いだろうが、懐かしい味と苦い思い出だ・・・

しかし、高カロリーの物を喰って、熱量は満たされるとしても、秋田県人は米喰わないと、
橇曳く馬力が出ないのでは・・・
 freeze dryingの米は持参か? 気に為る処・・・
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2021年12月21日9:05(日本時間)/第37報

12/20 33日目 距離18km 高度59m
動物に出遭って驚愕した。歩いている20m手前に褐色の何かがある。南極では雪の白と空の青しかないのでそれ以外の色は存在しないのですぐ気付く。それは鳥だった。海から500km近くも離れてる。一羽でなぜこんな所に来たのか。1ヶ月振りに見た動物に愛着を覚え、一緒に語り合いたかったが近付くとどこかへ飛んで行った。きっとひとっ飛びで海へ戻れるのだろう。その距離はオレが1ヶ月かかった距離。野生の強さは美しさだ。人間は弱いな。ただ人間は経験と装備でどこへだって行ける。それは人間の美しさだろう。
遭遇した鳥は、オオ盗賊カモメだろう。飛べる距離も抜群だし・・・

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2021年12月22日8:46(日本時間)/第38報

12/21 34日目 距離19km 高度63m
サンサンの太陽。南半球は夏至の時期に辺り太陽高度が高い。気温は最高-4℃。無風になると暑くて仕方ない。上半身裸になって涼をとる。人間は適応力が最も高い生物である事を肌で感じる。

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添付画像を見て、唖然!!!  自称プロ冒険家は、単為る“お調子者”なのか・・・
以前エベレストBCで、風呂上がりのバスローブ姿をSNSに晒し、
登れもしない壁に挑む素振りをして、没した奴が居たが、同世代の同類か?
右上腕に“墨”入れてるし・・・

’23年2月6日 追記
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上腕の“墨”だけでなく、胸にも“墨”を入れてる事が発覚・・・
40男が、こんな真似して、格好いいとでも思ってるのか?  
旧飯田川町の出なら、苦手だろうが、もっと泥臭くやれ。

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スタートして依頼34日掛かって、やっと南緯83°まで来た。残り7°歩けば極点だ。
7°×111.1kmが、極点迄の地図上の直線距離。残り777.7kmだ・・・
残り36日を休み無しで、日々21.6kmを進まないと、極点には到達しない。
今迄に、その距離を歩いた事が有るか? 
馬鹿な写真を撮ってる暇が有ったら、歩け!!!
気温ー4°なら橇を曳いても、摩擦熱で雪が解けて抵抗が減り、進み易いだろうに・・・
スキーが滑る原理と同じだ。それでも抵抗が有るなら、橇のワキシングが間違ってる。
チンタラ遣ってて極点に至る、何か? 秘策でも有るのか?

※極点まで何km有ると書いてる根拠は・・・
①地図上の南緯90°の極点から、書かれている同心円が、89°・88°・87°・・・と為ってる。
②1°の幅・距離が約111.1kmだと、前に記してる。
計算して見ると・・・
図上の22日到達緯度が、南緯82.905396° 下図の21日は、南緯82.732308°
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82.905396°-82.732308°=0.173088°が進んだ緯度
0.173088°×111.1km=19.230077kmと為り、事務局発表の19kmと合致する。
90°-その日の到達南緯度×111.1km=極点迄の残り直線距離と為る。(数百mの誤差有り)
(但し111.1kmは、地球が縦横真丸と外周が約4万kmを、前提に割出した数値。実際地球は膨らんでるが、その差が1%も無い事から、便宜上4万kmとしてる。)
※地図上で今通ってるアムンゼン・ルートに、87[515]と書かれてるが、87は標高(海抜)を指す。[515]は、氷の厚さを示している。その下に海が有る、大変な処を通ってるのだ・・・
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2021年12月23日8:27(日本時間)/第39報

12/22 35日目 距離18km 高度73m
寒いと気にならないが昨日の気温で約40日間もシャワーを浴びてない自分の匂いが気になり行動後にスノーシャワーをやった。裸になりテントの外に飛び出し雪を全身にこすりつけ汚れを落としタオルの乾布摩擦で仕上げる。非常にサッパリする。恩師の冒険家・大場さんは、血行が良くなり下半身も自然にガッとタツと言っていた。オレはガッとならない。体質だろうか、割と元気な方だと思うんですが(何の話だっけw) Byあべまさタツ
予想してる、全日程の丁度半分が経過。残りの35日で何処まで進めるか・・・
まだ、ロス棚氷(海氷)の上で、ほぼ平らだが・・・南緯83°過ぎから陸氷に上がる。
当然、下の大地の凹凸に拠り、亀裂(クレバス)が生してると思われる。
愈々、第一の正念場だ 83°⇒84°⇒85°間の、222kmを上手く歩けるか? 10日掛かる?
更に85°~極点迄の555kmを、25日で歩けるか? 南極山脈越えも有る、後日言うとする。

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2021年12月24日9:36(日本時間)/第40報

12/23 36日目 距離19km 高度85m
時差があるのでいま日本はクリスマスイブだろう。去年は写真家髙橋こうたが我が家に撮影に、2年前は冬の北海道を独り歩き、3年前も南極にいた。ハチャメチャに硬派じゃねぇかw。夢だけを追いかけて"普通"を経験しないままこの歳になり誰かの人生を羨ましいと思う時も実はありますよ。こちらは圧倒的ホワイトクリスマス感。なんならホワイトアウトで白しかねぇ。何もなくとも南極にいるだけで特別な毎日。皆さまが素晴らしいクリスマスを過ごせることをお祈りしてます。メリクリ!

高度85m段々と陸氷に登り始めた様だ・・・
これからの約150kmが、最初の核心部。
上手く乗り越せ!!!

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に続く


12月4日
南極に在る各国基地と踏破ルート図。
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前の記述は⇒ 

今日の第20報(16日目)で、1911-1912年のアムンゼン・ルートに合流したと言う。
これからは、このルート(青線)で南進すると思われる。
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白瀬矗が果たせなかった、極点を目指すのが、この冒険の趣旨だったのでは?
と、思ったり・・・疑問が湧く・・
詳しくは帰国後にでも・・・と、言ってるが・・・

白瀬隊(緑線)が引き返した、大和雪原からスタートの予定が、クレバス帯を避ける為に、
西に約100km迂回すると言ってのが、結果186km西進して、アムンゼン・ルートに合流。
既に、歩き始めて16日目だ・・・
約100km歩き、クレバス帯が終わった地点を、10日目辺りと仮定(歩行距離から)すると、
白瀬隊が予定した南進ルートに戻るには、更に10日の東進が必要に為る。
それでは後の日程が無くなるので、6日西進してアムンゼン・ルートを目指したのでは?

アムンゼン・ルートは、110年前の事と言っても、詳細な探検記録が残っているのだ。
特に極点への鍵と為る、クィーンモード山脈の通過過程が書かれてるのでは・・・
予備知識が有れば、100%“未知の世界”では無い。多少氷雪の着き具合は違うだろうが。

小生は、当初こんな風に考えて居た。
斜行気味に予定の正規ルートに戻り、南進。
ホーリック山脈とクィーンモード山脈の狭間を通って、
極点を目指すものと・・・。山越えするよりは、少しは楽なはずだ・・・

日程の遅れ・リスクの回避を考え、既存のルートに変更したのではないか・・・?

歩行16日目の第20報で、こんな風に言ってる。
このルートを通ったのは過去に10名少しほど(アムンゼン隊を指す)。未踏の雪原を700km行く予定が直前で変更せざるを得なく(クレバス帯に阻まれる)、人類未踏の雪原を186km踏破。(詳しくは帰国後にでも)だが1912年以来、誰もが踏んでなかった大和雪原に行き、未踏の雪原を切り拓き、史上2人目になる単独によるロス棚氷徒歩。いまやれる環境で出来る限りの事をやった。
何か・・・苦しい言い訳に、聞こえるのだが・・・
人類未踏白瀬ルートによる南極点単独徒歩到達が、今回の冒険の最大の目的。
これを断念した事に為る。理由は兎も角、アムンゼン・ルートでの極点への距離は、
地図上で約1000kmも有る。

残り54日で1000km、1日18kmは進まないと・・・極点に間に合わないゾ。


行動記録【第21報⇒第30報
黒字は、事務局に送った内容。赤字は、小生が強調した部分。青字は、小生の思い。
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2021年12月5日9:29(日本時間)/第21報

12/4 17日目 距離14km 高度63m
アラームセットしたが疲労で起きれず日食を見逃す。稀有な機会ではあったが南極に日食を見に来たわけでもない。歩く事が最優先。極地冒険は消耗戦。特にソロで長期、厳しい遠征となればタフネスこそが最重要。苦労してつけた筋肉ちゃんだが過度の運動で筋肉は回復も間に合わず落ちていくばかり。
15日目の第19報で、BCとの交信時に、日食の情報が有ったらしいが、
南極全域で見えた訳では無い。見える範囲は下図の黄色内の地域のみ。

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彼から、位置情報を得てる筈の、BCの交信担当員にしては、お粗末な話だ・・・
こんな事で、万一の時、大丈夫か??

もう一つの懸念は、冒険のバックアップをする筈の在京事務局だが、
FB・Twitter共に、12月3日以降更新されて無い・・・週末だから、お休み中?

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2021年12月6日9:25(日本時間)/第22報

12/5 18日目 距離15km 高度59m
疲労を感じるようになってきた。今日も1日クモリで乱反射によりナビゲーションが困難。真っ白だけの世界を何日も連続で見てるとさすがに酔ってくる。ウールのミトンに穴が空き、テントの中で縫う。裁縫も最もテントでやる仕事の1つ。ちなみに糸はデンタルフロス。イヌイットに教えてもらった方法。
人により、ホワイト・アウト時にも、酔いが出る事が有る。

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アムンゼン・ルート(青線)での、南進が始まった。

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2021年12月7日8:59(日本時間)/第23報

12/6 19日目 距離16km 高度35m
今日も曇りで低コントラスト。一瞬だけ雲がきれた部分があり、そこがやけに美しく見えた。太陽の有難さを心から感じられる。16kmをなんとか稼ぐ。
雪は締まり、橇が曳き易い様だ・・・勝手に、もっと距離が稼げたらと思う。

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2021年12月8日9:52(日本時間)/第24報

12/7 20日目 距離12km 高度46m
夜のベースキャンプとの定時交信で、この辺りはクレバスが多いかもと注意喚起を受ける。今のとこヒドゥンクレバスらしきものも見てない。12時間でわずか12km。雪の柔らかさと疲労に阻まれる。顔のテープになにかこびりついてると思ったら膿だった。凍傷か霜焼けかは分からないが頬にダメージを受けていた。疲労で免疫が下がっているのだろう。本格的な不調にならぬよう気をつけないと。遠征中は悪くなることはあっても良くなることはない。なんとか長く辛い残り40日を歩き抜かないと。

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歩き始めて20日、残り40日で極点まで行けるのか・・・

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2021年12月9日10:32(日本時間)/第25報

12/8 21日目 距離13km 高度58m
顔の破裂した部分は浅く霜焼け程度。酷くならないようにしないと、とは言え強い風が吹くと防ぐのは楽じゃない。今日もソリが重い。出発時より20kg以上軽くなってるはずだが、いよいよ重く感じる。疲労+雪の柔さもあるが雪の表面がドライだ。砂の上を引いてるみたいだ。本当にこの遠征は修行になる。

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素晴らしい空、正に南極晴れ。橇の腹が衝く雪深では無さそうだが・・・
21日間で、橇の荷が20kg以上軽く為ったと言うが、後40日だと20kg+40kg=60kgが減る。
変動する荷は、食料・燃料が主だと思うが、当初の150kgの荷の内訳は・・・
前に書いたが、こんな時に携行装備品のリストが有れば・・・判り易いのだが。

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2021年12月10日6:31(日本時間)/第26報

12/9 22日目 休息日
起きると強い風が吹いてる。これをきっかけに休息日にした。体力が落ちてるのは明確。何か理由をつけないと休めないタチ。順調ならまだしも今は予定より遅れてるので尚更。休むのが苦手で最終的ボロボロになるタイプ。休むのにも勇気がいる。ひたすらに寝て回復を狙う、凍傷も少しは回復するか。投稿を見てる方でガンと闘病してる方がいると冒険事務局から聞いた。私もこの孤独な白い世界の中ガンバります。

歩行を開始して3週間目で、初めての停滞です。これで、明日からまた頑張れる!!
しかし・・・極点迄は、アムンゼン・ルート(青線)を辿っても、まだ970km以上有る。
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今は、ロス棚氷の上で比較的平らだが、後半棚氷から離れると、
極点(標高2830m)迄は、長い登り坂に入るし、南極山脈越えも有る。
20日目の更新で、
後40日歩き抜くと言ってるが、1日当たり20.5km以上進まないと、
極点には到達しない・・・毎日条件が良い日が続くとは限らない・・・
今迄、ほぼ平地で1日で最大進んたのが16km。登りでそれ以上歩けるのか? 疑念が湧く。
予備日も10日位は有る筈だが・・・


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※私見 今後のルートと標高差を図式化して見た。

現在地から極点迄は、まだ約970km位有る。
アムンゼン・ルート(青線)に沿って進む前提で。
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今迄進んだ距離が、点線で表示されてる。
ここから約400km南進して、平坦なロス棚氷が終わる。
クイーンモール山脈への長い登りに入り、標高3000mの台地に上がる。
山脈越えでのルート選定が、通過日数増減の最大の鍵に為る。
座標に表すと、急激な登りに見えるが、約400km歩いて3000mへの登りなので、
平均1km歩いて7~8m程度の登り。
極点が2830mなので、気持ち下り気味に200km歩いて到達。
3000mの台地を避け、東(左)に迂回するルートも取れるが、日数が掛かると思われる。
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2021年12月11日9:13(日本時間)/第27報

12/10 23日目 距離16km 高度51m
1日中寝尽くしてかなり回復した。筋肉の張りが和らいだ。風が強い中歩き出す。強風で均された更に柔らかくソリが沈む。だが休息のお陰で力が出る。ソリ引きは腰の力が肝要だ。ロス棚ではこの状況が続く可能性が高い。ならば与えられた条件で毎日を必死にこなして行くのみ。やるしかないのが人生だ。


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2021年12月12日9:11(日本時間)/第28報

12/11 24日目 距離18km 高度76m
風が弱く快晴。風がないと快適さが違う。気温よりも風に左右される。気合の最長18km。今回の冒険も他の冒険家たちと連絡取らないので完全に情報から孤立状態。それでいい。人との比較ではない。人は人。自分は自分。人との比較で優劣を決めるな。ただ自分を超えて行く。大事なのは"諦めない心"だ。

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距離が伸びた、いいぞ・・・持続出来るか? それそれ条件が違う、人は人、当然である。

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2021年12月13日8:36(日本時間)/第29報

12/12 25日目 距離18km 高度52m
今日も18km。少し筋肉に痛みは感じるが行ける感じ。まだ通常よりもスローな進みだが延ばす。少しずつ前へ。ブーツの先端にクラック発生。クリティカルではないが毎日確認の必要あり。壊れても修理可能な用意はあるので着剤固定に時間を取るがなんとかできるだろう。

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3ピンでのシール登・歩行の際、爪先の曲げ伸ばしで、ピン穴に力が掛かる劣化亀裂だ。
プラ・ゴム底系のコバ靴は、低温曲げに弱いのでは・・・皮製が丈夫な様に思うが・・・
これを防ぐ、3ピン靴用の保護金具を付けなかった失態。何gでもないのに・・・
75mm3ピン仕様は国際規格なので、靴・金具全てに共用出来る。
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低温下で、接着剤が効くのか・・・着いても、また同じ箇所に同じ力が掛かる。
靴先が破断したら。3ピンは用を成さない・・・板と靴を縛るか? 
この先、試練だ・・・

使ってる3ピン370g(下図)は、野山を散策する為に、極端に軽量化された金具。
金具に強度は有るが、靴のコバが持たなかった・・・
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この金具1420g(下図)なら、コバに直接力が加わらず、曲げに因る亀裂が防げる。
爪先の可動域も90°だし、登り坂でのヒールアップも可能、アキレス腱に優しい・・・
但し、可動軸の強度は不明だが・・・
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山道具で例えるなら、アルミ製ピッケル・アイゼンは軽いが、氷には役立たずだ。
道具は“命を守る物”、シンプルさは重要だが、軽ければ良いと言う物ではない・・・
後々靴の亀裂が、致命傷に為らなければ良いのだが・・・

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2021年12月14日7:46(日本時間)/第30報

12/13 26日目 距離10km 高度52m
強風の風速10m位か。気温が高めなので肌を切り裂く痛みはないが正面から吹くので進行の妨げになる。立っていると風に押されるので半ば風によりかかって歩き、早めの行動終了。使用テントは風に強いので安心だがテントが風で唸るのは良い思いはしない。頬の凍傷は現状維持。基本は冒険中は治らない。

3ピン靴の亀裂の話がない・・・上手く修理出来たのか???


に続く

12月4日
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山野井氏の受賞を⇒ で書いたが、
授賞式やその後の貴重な、インタビュー動画が公開されたので、是非ご覧ください。
授賞式の動画です。https://youtu.be/Nm1KobzbWN0?t=182
受賞後のインタビュー動画です。⇒ https://youtu.be/E346MMYsnvQ?t=1021

山野井氏の、山に対する思いが、述べられてます。




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