単独でアマダブラム峰(6,856m)の登頂を目指していた、紙谷氏が更新しました。
以下、前文記載。
アマダブラム下山の報告(臨時)
ご無沙汰していました。現在、アマダブラム下のパンボチェ(3900m)に下り、Wi-Fiを使い友人にブログ更新をお願いしたところです。
まずはご心配をおかけしてしまったこと、ブログを読んで頂いていた方にお詫び致します。
C1(5,680m)の星空です。
大気が澄んでいると、星ってこんなに数見えるのです。
顛末を初めにお話しします。詳細はカトマンズへ到着後、じっくり書いて行きます。
結果から言うと、悪天のなか、当初の目的を捨て南西稜ノーマルルートからの登山に全力を尽くすことを決断、5月13日未明、C2より一気にアマダブラム頂上直下6500mまで行きましたが雲海が一気に上がり吹雪に。迷った末、C2まで生きて戻ることを視野に入れ下山を決めました。
以前衛星で短文をアップした通り、1日快晴は無し、午後には必ずと言っていいほど雪が降り、私が予定していた西壁はおろか、南西稜もリッジに新雪が付き、かつ崩れる天候のなか登頂者がいない状況でした。
天候待ちの途中、この状態で西壁を登るのは不可能と判断、デポしていた南西稜から、なんとか朝の数時間の好天を狙い登頂すること、そしてイエロータワーやグレートクーロワールなどの垂壁に近い箇所では固定ロープ、ユマール等を使うこともなり振り構わず登頂することを念頭に入れる登山に切り替えました。
相変わらず天候が安定しないなか、大荒れだった9,10日をBCでやり過ごし5月11日にC1(5680m)に移動。
C1(5,680m)からの朝日
12日デポしていたC2(5900m)に再び登り一泊。
13日の午前2時、スノーシャワーが降りしきるなか、日の出とともに私のみC2より登攀開始。
C3(6300m)下のグレートクーロワールを登りきるとスノーシャワーが止み、徐々に雲海と月の絶景が開けていった。
マッシュルーム・リッジ
そして少しだけオーバーハングしたセラックを登るとアマダブラムの象徴、超巨大なダブラム(セラック)が眼上に現れた。
そこからクレバスを越え200mくらい登り、ダブラムの少し下あたりまで来たとき、遥か下にあった雲海がいつの間にか目の前に。吹雪が始まり、トレースがすぐに埋まった。
体力もきついなか、あと3〜4時間あれば登頂できると思った。同時に吹雪が続けばC2まで生きて帰れるか。
結果、降る決断をしました。
赤線の先で断念したようです。
次に言いたいのは、アマダブラムの西壁を期待して頂いて居た方に、私の未熟さ、力量不足より南西稜からの登山になったこと、そして登頂できなかったことをお詫びしたい。
この記事だけではとても書ききれないほど悔しい思いもあったし、同時に登山や人を通して、信じられないほどの経験を与えてもらった期間でもあった。
ただ、自分は乾坤一擲の全力を尽くしたことだけはお伝えしたかった。
続行するか、もしくは引き返すかという判断はいつでも難しいと思う。個人的には当時の体力、そして天候の要因でC2から一気に頂上を狙ったゆえ、長い道のりを引き返すことを念頭に入れた判断になったという思いがある。
この経験を糧にして、また成長し、ヒマラヤに戻ろうと思う。
応援して頂いた方、本当にありがとうございます。詳細もどんどんアップしていきます。
西壁の登攀を目指してましたが、降雪が続き壁の状況が悪く、
南稜ルートに変更したようですが、無事生還出来て何よりです。
この経験を生かして、次は更なる飛躍を!!!!
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